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値上げラッシュ止まらず…日銀植田総裁「物価高騰そろそろピーク」答弁に疑問の声
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/322160
2023/04/26 日刊ゲンダイ
任せて大丈夫なのか(植田和男日銀総裁)/(C)共同通信社
日銀の植田総裁は27日から2日間、初めての金融政策決定会合に臨む。市場関係者からは「植田総裁は物価高騰の最新状況をしっかり把握しているのか」と不安視する見方が浮上している。
24日の衆院決算行政監視委員会でエネルギーなど輸入物価高を受けた価格転嫁の動きについて「そろそろピークを迎える」と答弁したからだ。
「これまでに多くの企業がコスト上昇分を十分に転嫁できているなら、植田氏が言うように価格転嫁の動きはそろそろピークアウトするでしょう。しかし、価格転嫁率は半分にも満たないとされている。電気代は1年前より平均4割アップしているが、6割近くの企業が全く転嫁できていません。値上げはまだまだ続くはずです」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
帝国データバンクによると、今年の食品値上げは昨年の約2万5000品目を超え、3万品目に達する可能性がある。
値上げや需要牽引によるインフレも
日本はインバウンド需要が引っ張るデマンドプル型インフレに…(C)日刊ゲンダイ
さらに、最近の値上げは要因が多様化していることも見逃せない。
賃上げによる人件費上昇分は製品・サービス価格に転嫁される可能性が高い。また、米国のようなデマンドプル(需要牽引)型インフレが日本でも起きつつある。典型例がインバウンド需要が引っ張る観光関連だ。
日経新聞が5都市のホテルを対象にGW初日(4月29日)の平均客室単価を調査したところ、前年比50%以上アップしたとの回答が6割超となった。円安で懐が温かい外国人旅行客なら高くても買ってくれる――。外国人が押し寄せる飲食店や小売店が値上げするのは必然だ。
「黒田総裁時代はエネルギーや円安の影響で物価が上昇するコストアップ型インフレでしたが、今はそれだけではありません。植田氏は当面、黒田路線を継承するようですが、刻々と変化する物価の状況はタイムリーにアップデートして欲しい。もっとも、植田氏はすべて承知の上で、ハレーションを避けるため慎重な答弁をしているのかもしれない。これまでと違うことを語るのは6月会合からではないか」(井上学氏)
初会合後の会見(28日午後3時半)は安全運転か。
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