<■68行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> トランプは勝ったら、ウクライナ支援をやめるだけでなく、一期目からやりたいと言っていたプーチンとの首脳会談をやるだろう。米露は、敵対関係を解消して和解する。 トランプは1期目の初期に習近平を米国に招待して仲良くしたが、任期の後半には米中の経済分離を強行する中国敵視に変わった。共和党は全体的に中国敵視の傾向だ。 2期目のトランプは、ロシアと和解しつつ中国敵視を続けるのだろうか。それは困難だ。ウクライナ開戦後、ロシアと中国は世界を非米化していく動きで強く結束している。トランプがプーチンに接近したら歓迎されるが、同時にプーチンはトランプに、習近平とも仲良くしてくれと頼む。 (Republican Senators Introduce 'End Endless Wars Act')トランプは断れない。トランプや共和党の草の根勢力は、戦争を終わらせたい平和主義だ。孤立主義やMAGAは、他人の大陸を攻撃するのを嫌がる平和主義である。他国の悪を退治したがるリベラル派の方が戦争を起こす。 日本でも米国でも、左翼リベラルやマスコミがこぞってウクライナの戦争を称賛し、悪くないロシアを極悪扱いして、謝罪もしないで偉そうにしている。インチキなワクチンを国民に連打させ、ウソの温暖化人為説を強要するのも彼らだ。 軍産マスコミは戦争を拡大したいのでトランプを敵視してきた。トランプは軍産に加圧されて米軍をシリアに派兵したが、派兵が「極悪」であることを偽悪的に示すために、シリアの油田を占領して石油を盗み出す行為を米軍にやらせた。 トランプが復権して公約どおりウクライナ戦争を終わらせ、ロシアと和解したら、それは米中和解につながり、米中露で世界を支配する「ヤルタ体制」の復活になる。一期目から、その傾向はあった。 (トランプが勝ち「新ヤルタ体制」に)
「米中露で(英欧を外して)世界支配」は、ロックフェラーなど米国の多極主義勢力の「夢の実現」だが、タイミングを合わせてうまくやらないと、78年前の前回のように短命に終わる。 最近の有料記事に書いたように、中露が非米・多極型の世界体制の構築を完成させる前に米英が仲直りしようと言って入ってくると、米英の中にいる軍産エスタブが中露の世界システム作りに協力するふりをして内部から破壊する謀略をやるからだ。 (ドル崩壊しそうでしないのはなぜ?) 78年前のヤルタ体制は、英独が戦争して旧覇権勢力の欧州が徹底的に自滅した状況下で、米国が中露(中ソ)を誘って米中露で世界支配する体制を作ろううとした。それでも英国が冷戦を起こして米国と中ソを仲違いさせた。 今回ヤルタ体制を復活したいのであれば、その前に米国覇権の基盤にあるドルや債券金融システムが崩壊することが必要だろう。それが起こらないまま、ウクライナ戦争を終わりにして米国が中露と和解すると、中露が作りかけている非米側の資源本位制の世界経済システムが、構築途上で米英勢力に侵入されて壊されかねない。 不可逆的なドル崩壊が先に起きるなら、米英のちからが格段に落ちるので、その後で米国が中露と仲直りしても中露の新システムが壊されにくい。中露の新システムの構築にどのくらいの時間がかかるのかも不透明だ。 (Sen. Rand Paul: My colleagues are ‘beating the drums’ for ‘war with China’) タイミングが悪いと、トランプは中露にとって非米型世界の構築を邪魔するありがた迷惑な存在になりかねない。 米国の上層部には、米英覇権体制を維持したい勢力(英国系・帝国の論理)と、世界を多極化したい勢力(資本の論理)がいて、戦後ずっと暗闘している。バイデンは前者の代理人、トランプは後者の代理人だ。 軍産やネオコンも前者だが、そこに後者のスパイが入り込んで稚拙で過激な好戦策をやって戦争をわざと失敗させることで覇権を自滅させて多極化を推進するという、手の込んだ策略が展開されてきた。 バイデン政権も多極派のスパイにすっかり入り込まれ、ウクライナ戦争をやればやるほど多極化が進んでいる。米上層部の暗闘は多極派が優勢だと推測できる。 (資本の論理と帝国の論理) (世界帝国から多極化へ) 多極派が優勢なら、トランプの再登場が中露の非米世界構築を邪魔する結果にはしたくない。トランプが再登場するなら、その前に中露の新世界構築が完了するか、ドル崩壊で米英の弱体化が格段に進むか、その両方が起きる。 それらの準備が整っていないなら、民主党がまたぞろ不正をやってトランプの返り咲きを阻止し、バイデンが続投し、米国側と非米側の敵対と、非米側の新世界構築が続く・・・??。いや、トランプが優勢すぎると、民主党が不正をやっても勝てなくなりそうだが・・・。 田中宇 「トランプ復権と多極化」より https://tanakanews.com/230715trump.htm
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