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(回答先: 越後湯沢温泉 外湯めぐり うーん、これではなぁ・・・ 投稿者 中川隆 日時 2024 年 3 月 25 日 13:48:56)
塩素を入れなくても循環させるだけで温泉の泉質が劣化して唯の水道水になってしまうんだよ:
加水や加温(あくまでも合理的な)を行うことよりも、温泉の質をダメにしてしまうもっと深刻な要因がある。それは、「空気」である。
温泉は地上にゆう出し、空気に触れた瞬間からエージング(老化)が始まる。それは、温泉にとって避けることのできない宿命である。だからこそ、温泉の質を損なわず、本来の効能を得るためには、極力エージングを抑えた状態、つまり空気に触れない状態を保ったまま浴槽にお湯を導くことが大切である。もちろん、このことを熟知していて、鮮度を落とさないことに心血を注いでいる温泉経営者も少なからずいる。だが、ほとんどの人はエージングの重要性に気付いていない。
ここで一つの実例を提示しよう。
ある源泉はとても還元力が高く、良好なお湯であることが確認できた。次に同源泉が注がれた浴槽を確認してみる。加水や加温はいっさい行われていない“かけ流し”浴槽であるが、計測してみるとエージングの度合いは80%を超えていた。つまり、源泉の状態と比べ浴槽水は80%も劣化していた(成分が失われていた!)のである。エアーリフトポンプや空気に触れやすい貯湯槽、配管、そして管理手法のあり方などが背景にある。かけ流しであっても、温度調節を行うために浴槽内で循環させている施設では、泉質によってエージングを一気に増加させる。
実は、加水・加温なし、源泉かけ流しの施設において、こうした事例は珍しいことではない。ちなみに、同じ源泉を加水によって80%までエージングを起こさせるには、熱いお湯を適温にするためとは比較にならない水量が必要になることは言うまでもない。
泉温にもよるが、一般的に熱いお湯を適温にするための加水は10〜20%程度と考えられる。これまで当所がおこなったORPの観点による実験では、その程度の加水は成分に大きな変化をもたらさないことが確認できている(加水率についてはさらに詳しく調査中であるため、改めて報告したい)。空気に触れて自然発生するエージングに比べたら、微細なレベルといっても言い。
だからといって、加水を奨励しているわけではない。しかし、「加水した温泉は効かないからダメ、効くのは加水加温なしのかけ流しの温泉」という図式は、実は錯覚であるということがお分かりいただけるであろうか。
たとえ同じ源泉を使っていても設備や管理状況によっては、加水・加温なしの源泉かけ流し浴槽よりも、泉温を下げるために常識的な加水を行っている浴槽の方が、泉質が損なわれていない場合がある。そういうケースは決して珍しくはない。これが温泉の実際なのである。
- 究極の温泉とは 新鮮な温泉に尽きる。源泉湧出直後のものであればどんな泉質であっても、その優劣はつけがたい。 中川隆 2024/3/25 15:06:19
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