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ニジェールの軍指導者たちに人気がある理由−そして恐れられる理由
<記事原文 寺島先生推薦>
Why is Niger’s Military Leaders so Popular—and so Feared?
https://libya360.wordpress.com/2023/08/16/why-is-nigers-military-leaders-so-popular-and-so-feared/
筆者:オーエン・シャルク(Owen Scalk)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年8月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年8月26日
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ニジェールのニアメでアブドゥラハマン・チアニ将軍の写真を掲げるクーデター支持者たち。写真提供:サム・メドニック。
クーデターは、新植民地主義の被害を受けた弱者や貧困層に語りかけている
ニジェールの動きは急激だ。軍事政府が、7月26日、モハメド・バズム大統領を政権から追い落とした後、アブドゥラハマネ・チアニ政府は独立した反西側勢力としてこの地域にその存在を確立し、ギニア、マリ、そしてブルキナファソと同列に加わった。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、バズム大統領の失脚を予測できなかったという認識から「激怒」していると報じられている。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、ナイジェリアを中心として、すぐにチアニ政府に対して強硬な姿勢を取り、8月6日までに、バズム大統領を復帰させるための軍事侵攻をすると脅した。マリとブルキナファソは、そのような侵攻に対してニジェールを守ると宣言した。
クーデターを支持し、外国の介入に反対する人々の抗議デモの最中、チアニ政府はニジェールの上空を閉鎖して、ECOWASやフランスからの干渉を阻止した。期限とされた8月6日は何も起こらずに過ぎ去った。その一因は、ナイジェリアの上院がボラ・ティヌブ大統領のニジェールへの兵士派遣計画を拒否したためであり、この地域は公然の戦争を回避することになった。同じ日に、約3万人の支持者がニアメのスタジアムに集まり、軍事政権掌握を支持する熱い思いを表明した。
8月7日、アメリカ合衆国国務次官補のビクトリア・ヌーランドがニジェールを訪れ、軍指導者たちにバズム大統領を復帰させるよう圧力をかけた。バズム大統領は2021年初からアメリカとフランスにとって西アフリカおける大事な人物だった。ヌーランドはクーデターについて「深刻な懸念」を表明し、「民主主義が回復されない場合、法的に断ち切らなければならない経済的な、あるいは他の支援もある」と強調した。しかし、ニジェールの新たな支配者たちは屈服しなかった。
ECOWASや西側諸国からの制裁とさらなる脅しの中で、クーデター政権は、8月10日、首相をアリ・マハマン・ラミン・ゼインとする新しい内閣を発表した。この内閣にはゼインを含む多くの市民メンバーが含まれている。分析家のベバリー・オチェンによれば:
(これは、) 軍が暫定内閣のほとんどのポストを占めたマリやブルキナファソで起こったこととはまったく異なる。これは、悪意がないことを示す方法の一つであり、市民と協力し、移行政府を望んでいることを示す方法だ。しかし、同時に、「私たちと交渉する際には移行条件に基づいておこなうことになる。バズム政権を復帰させることは条件にならない」という意味も含まれている・・・バズムが復帰する可能性は非常に低く、正当性が認められる可能性もほとんどない。
(オチェンの引用終わり)
外交的な行き詰まりの中で、ナイジェリアからのイスラム学者団が、8月13日、チアニ政府との会談を開いた。この会議で、チアニはナイジェリアとニジェールは「隣人というだけでなく、問題を友好的に解決すべき兄弟姉妹でもある」と述べた。「クーデターに悪意はなく」、地域への「迫り来る脅威を防ぐためのもの」だったと語った。また、ナイジェリアがバズム大統領を復帰させるための侵攻の脅しをかけたことについて「心が痛む」と述べ、隣国が「この問題に自分たちの立場になって関心を示していないように見えること」を残念に思っていることも明らかにした。
侵攻の脅しと権力の強化
学者団が訪れた日に、チアニ政府はバズム大統領が「重大な反逆罪および内外の安全の破壊行為」で告訴されるだろう、と発表した。その一方で、ワシントンとECOWASはこの決定を非難した。ECOWASは、ニジェール政府への軍事介入について再度議論するために、8月17日と18日、会議を開催すると発表した。
侵攻に関する話が再び持ち上がっていることは懸念されるが、実際の介入は起こらないだろう。ECOWASとその支援者たちが、クーデター直後の興奮冷めやらぬ日々において、公衆の支持が不確かで軍の安定性が未知数だったときでさえ、ニジェールの国境を越えることに消極的であった。今、公衆の支持は明らかであり、チアニと暫定政府の権威が固まっているときになぜその危険を冒すことがあろう?
奇妙なことに、ECOWASとその西側支援者は、彼らの強硬なクーデター反対姿勢がニジェールの軍部指導者が権力を固めるのに役立っていることに気付いていないようだ。クーデターは国民の支持を得ており、権力掌握後の最初の世論調査によると、回答者の78%が支持している。ロイターの記者は、「(首都)ニアメの住民は・・・クーデターを強く支持し、マリとブルキナファソと連携することで、イスラム過激派との戦いにおいて、これらの3つの国を強化するだろう」と報じている。外国の侵略の脅威は、逆にクーデター支持者をさらに増やすことになるだろう。
侵略の脅しは、ロシアが同地域のソフト・パワーを地域で増加させるのにも役立っており、これは西側諸国の政府が明らかに非常に懸念していることだ。米国、ヨーロッパ、ECOWASからの力任せの声明とは対照的に、クレムリンは「ニジェール共和国の状況を平和的な政治的および外交的手段だけで解決する重要性」を強調した。マリの指導者であるアシミ・ゴイタとウラジミール・プーチンの会談の後、ゴイタはX(以前はTwitter)に投稿し、ロシア大統領が「より安定したサヘル地域のための状況の平和な解決の重要性」を強調したと述べた。
プーチン大統領とは電話で会話しました。私たちはニジェールの状況について話し合いました。彼は、より安定したサヘル地域の平和な解決の重要性を強調しました。pic.twitter.com/po6U2meRw1
2023年8月15日、アシミ・ゴイタ大佐(@GoitaAssimi)
それにもかかわらず、侵略に関する議論は続いている。そんなことをしてもニジェール軍の権力掌握を強化するだけだろう。例えば、ゼレンスキー政権はウクライナ侵攻の際に非常に不人気だったが、ウクライナ人は勇敢に戦い、巨大な犠牲を払った。ニジェール人も同様に行動する可能性があるのは理にかなっていないだろうか。特に、ニジェール政府は、実際、多くの人々から支持され、マリやブルキナファソなどの地域関係国によって支持されているのだ。
さらに、反西側で親ロシア的な軍事政府が選挙の枠組みを超えて権力を握ったのに、なぜその軍事政府に人気があるのかという疑問は追求する価値がないだろうか? 西側諸国政府は、なぜチアニやマリのゴイタ、あるいはブルキナファソのイブラヒム・トラオレの言辞がこの地域の多くの人々の共感を呼ぶのか、興味を持たないのだろうか? 彼らは、NATOによるリビアの破壊がこれらの国々でジハード主義的な反乱に火をつけたことを知っているのだろうか? アメリカ、フランス、そしてカナダなどの国々は、植民地主義の歴史や政治的干渉の歴史、この地域での大規模な軍事力、多くの国民から嫌われている政府の支援、そして金やウランなどの資源を数十億ドル単位で私物化しており、普通のニジェール人、マリ人、ブルキナベ人が極度の貧困に苦しんでいる現実があるから、反西側的感情が高まっているのだという責任を感じないのだろうか? 答え:責任を感じていないことは明らか。
地域的な分裂と反帝国主義的な転回
ニジェール、マリ、そしてブルキナファソと、一方でECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)と西側諸国との間の敵対関係は、数年にわたり醸成されてきた。マリとブルキナファソはクーデターの後、欧州とアメリカの影響力を排除していた。一方、ニジェールはアメリカやフランス、ドイツを含むヨーロッパからの兵士たちを歓迎した。ニジェールが西側の軍隊を受け入れる一方で、マリはヨーロッパ資金によるG5サヘル組織から離脱する決断をした。
サヘルG5は、マリ、ブルキナファソ、ニジェール、モーリタニア、そしてチャドの間で反ジハード主義軍事部隊の協調を図るために設立された。この組織は主に西側の計画であり、欧州連合(EU)の資金援助を受け、フランスの支援を受けて設立された。しかし、一部の西アフリカ諸国がより独立心を強めるにつれて、組織は綻び始めた。
2021年にマリの軍隊が権力を握った後、フランスは、チャドが組織の議長職をバマコに譲るのを阻止するためにサヘルG5に干渉したとされている。たとえフランスがマリへの干渉に関与していなかったとしても、マリの指導者たちはこの出来事をそんな風に解釈しており、研究者のブバカル・ハイダラも同意している。「フランスの影響がこの議長職移譲の拒否の背後にあるのを見逃すのは難しいでしょう」と彼は述べた。
これらの内部分裂と、それらを煽ったとされるフランスの影響で、サヘルG5は衰退することになった。2022年5月、西側の支援を受けていたバズム大統領ですら「G5は死んだ」と宣言した。
フランスのバルカン作戦(2014年から2022年)は、反フランスの反乱の最中にその地域から撤退した。欧州連合のタクバ特別部隊(2020年から2022年)も同様の運命を辿った。そして、2014年に設立されたサヘルG5は実質的に消滅した。これらの西側支援の取り組みがもたらしたものは何か?危険性がさらに高まり、不安定さがさらに増幅したことだ、とマリック・ドゥクーレは説明している:
ワガドゥグ(ブルキナファソの首都)の出発前、私はこの首都が非常に安全な都市であると知っていました。ジハード主義的なテロのことは誰も心配しておらず、これはブルキナベ社会のあらゆる部分と階級に当てはまる事実でした。しかし、[前独裁者ブレーズ] コンパオレの失脚に続く不安定さの中で、ボコ・ハラム、ジャマアット・ナスル・アル・イスラム・ウァル・ムスリミン、アンサール・ディーン、アンサール・ウル・イスラム、そして大サハラのイスラム国などの過激派が、首都への攻撃や非武装の農村住民への見境ない虐殺を行いました。この紛争は2015年以来、1万人以上の命を奪い、140万人以上を避難させ、ホテルやカフェへの銃撃と車爆弾によって国中に衝撃を与えました。爆発物にぶつかり、学童を乗せたバスも爆破されました。外国の大使館やレストランも標的にされています。都市の外では、地元の市場や農村を標的にした襲撃で何百人もの男性、女性、子供が殺されています。
安全情勢は、実に壊滅的な段階まで悪化しました。貧困は過激主義を育む要因なので、数十年にわたりフランスによって維持されてきた新植民地主義的な超過剰経済体制は、確かにその責任の相当な部分を負っていると言えます。しかし、劣悪な指導体制も、既に深刻な状況を、さらに悪化させています。2021年11月、北部の町イナタ近くの治安拠点への大規模なジハード主義者の襲撃によって、49人の兵士が命を落としました。これらの兵士は、報道によれば極端に報酬が少なく、(選出されたロッホ・マルク・クリスチャン)カボレ政府からの適切な供給を受けていませんでした。西アフリカの市民の間での怒りや不人気は一つです。2010年以来20回以上のクーデター未遂がある地域で、軍隊に怒りや不人気を蓄積させることほど危険なことはありません。カボレ大統領は、わずか2か月後の2022年1月にダミバ中佐によって権力の座を追われました。
(ドゥクーレの引用終わり)
ダミバは、悪化する安全保障と経済状況を食い止めることに失敗した。そのため、2022年9月に35歳の大尉イブラヒム・トラオレ率いるクーデターによって追放された。トラオレは西側諸国からの軍事援助を拒否し、反乱軍の手に落ちている国土の40%を取り戻すために総動員を命じた。また、トラオレは首相にアポリネール・ジョアシャン・キエレム・ド・タンベラを任命した。タンベラはマルクス主義者であり、汎アフリカ主義者であり、1980年代にトマス・サンカラが社会主義を築く取り組みを支持していた。タンベラは今でもサンカラの示した国の展望を支持し、「ブルキナファソはトマス・サンカラが築いた道を外れて発展することはできない」と宣言している。
トラオレは反帝国主義的政策を推進した。反帝国主義的政策は「特に民衆に人気があり、彼らの間では元植民地支配国に対する反帝国主義的な感情が長らく存在していた」ことが証明されていたからだ。ドゥクーレは次のように書いている:「フランスは国を貧困に陥れ、ブルキナファソでは多くの人から『国の父』と見なされているトマス・サンカラを暗殺した」。
この地域の歴史を理解している人ならば、なぜ西アフリカ諸国で反帝国主義的な見解が広く共有されているのかを理解できるだろう。反帝国主義の言葉を話す政府がなぜ多くの支持を集めるのかも理解しやすい。そして、西アフリカの軍事指導者が、本当に反帝国主義の主張に真摯であるかどうかは別にして、彼らが国民に非常に人気があることは明白だ。
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ニジェールのM62運動の支持者たちは、外国軍の国外撤退を求めるデモに参加。
ニジェールにおける大衆運動の役割
ニジェールでは、アブドゥライ・セイドゥに率いられるM62運動を含むいくつかの大衆運動がクーデターを支持する意向を表明している。M62運動は、フランス軍の存在やフランスの新植民地主義に反対するだけでなく、ニジェールに課せられた厳しい社会経済状況にも反対している。そして、その状況は多くの読者が想像するよりも厳しいものだ。新植民地主義になって数十年後、ニジェール人の40%以上が1.90ドル未満の生活を送っている。フランスやカナダの企業は毎年数十億ドルの利益をこの国から搾り取っているのに、だ。
M62のニアメの事務所は、1983年から1987年の社会主義時代の伝説的な革命指導者であるブルキナファソの指導者トマス・サンカラにちなんで名付けられている。セイドゥはサンカラを自分の「崇拝の対象」と表現している。
アイリッシュ・タイムズ紙がセイドゥへのインタビューのためにニアメを訪れた際、M62の事務所にはサンカラ、フランツ・ファノン、そしてネルソン・マンデラの写真が飾られていると同紙は報じた。ファノンの写真には「各世代は相対的な闇から使命を見出し、それを果たすか、裏切るかをする必要がある」という彼の言葉が添えられている。また、マンデラの言葉:「自由は決して当然のものとして受け取ることはできない。各世代はそれを守り、拡大しなければならない」も添えられている。
セイドゥのアイリッシュ・タイムズ紙へのインタビューは、一般的なニジェール市民の苦闘と意見についての重要な洞察を提供しており、彼らの大部分は7月26日のクーデターを支持していることを表明している:
セイドゥは何度も、フランス軍が「国内で混乱を引き起こそうとしている」と非難。また「長い間兄弟だった国」であるマリとの対立を「作り出そうとしている」とも述べている。
M62も生活費の高さに抗議していたと彼は述べている。「今やすべてが値上がりしています・・・生活費は非常に、非常に、非常に高くなってしまいました。燃料価格を上げ、それから油、野菜、米などすべての製品の価格も上げました・・・。だから私たちは政府に対してこれらの価格を引き下げるよう闘っているのです」。
彼は、ニジェール政府は物価を引き上げてより多くの税金を得ているが、「教育、健康など国を前進させることができる他の分野にはそれを使っていない」と非難した。
そして彼は、フランスも一部の責任があると述べた。「まるで(フランス軍)が保護者になって、政府が搾取したり、好き放題のことができるようになっているようです・・・現在でも国内に治安はまったくなく平和もまったくありません」。
彼はまた、2021年末にニジェール西部のテラで数人が死亡したことに言及した。これは、抗議者がマリに向かう途中のフランス軍の車列に立ち向かった際に起こった出来事だ。「(結果的に)何も起こらなかった。まるで彼らは人間でないかのよう、あるいはこの国の国民でないかのようです」とセイドゥは述べた。
セイドゥは、人々が抗議をおこなうことが許されていないのに驚いていると述べた。「この運動は平和的な運動です。(バズム)政府は非常に恐れています・・・ほとんどの人々、国民は私たちを支持しています。まるで大衆運動のようです」と彼は述べた。
(セイドゥの引用終わり)
西側諸国がしばしばその地域における唯一の民主主義の拠り所と形容してきたモハメド・バズム政権下で、M62の抗議活動力は厳しく制限された。実際、アイリッシュ・タイムズ紙とのインタビューの翌日、セイドゥはバズム政府によって逮捕された。彼に対する最初の告発は「公共秩序を損なう可能性のある情報の発表」だった。その告発は取り下げられたが、彼が裁判所を出る際、再び逮捕され、「ニジェールのセイ地域における金鉱の小屋の焼失に加担したとして告発され」たのだった。
セイドゥは、重警備刑務所に移送され、そこに拘留されたが、チアニ政権が8月15日に彼を解放した。M62もこの決定を歓迎した。M62の事務総長、サヌシ・マハマンは、セイドゥの釈放に対して次のような声明を出した:「ニアメ控訴裁判所は、我々の同志アブドゥライ・セイドゥに対し9ヶ月の懲役刑を宣告した高等裁判所の決定を取り消しました・・・私たちは常に、アブドゥライ・セイドゥの拘束は恣意的な決定であると述べてきました・・・始めから終わりまで計画的に仕組まれたものだったのです」。
セイドゥが刑務所から解放されたその日、アメリカはクーデター政権によるバズムの起訴を声高に非難した。アメリカ政府の声明はこうだ:「(バズムの起訴)はまったく正当化されるものではなく、道理にかなっていません・・・これは、私たちの意見では民主主義と正義、法の支配への尊重に対する更なる侮辱です」。
マリとブルキナファソでは、M62のような市民社会団体が、フランスの新帝国主義、西洋の帝国主義、国内の貧困といった問題に取り組んでおり、例えばマリのYerewoloや、ブルキナファソの全国市民社会機関連絡協議会などが挙げられる。これらの団体は、M62と同様に、自国の軍事政府の反帝国主義的な志向を支持している。
反帝国主義の亡霊
ニジェールのクーデターは、ギニア、マリ、ブルキナファソのクーデターよりも西側諸国のメディアで遥かに注目されている。なぜか? 明白な答えは、バズムのニジェールがその地域における西側軍事的影響の最後の拠点であり、フランス、アメリカ、そしてカナダなどの大国が、制裁や侵攻の脅しでチアニ政権を転覆させる可能性に必死に固執しているからだ。しかし、考慮すべきは大陸的な文脈もある。
最近のBreakThrough Newsというメディアのインタビューで、アメリカの活動家ユージン・ピアーより、アフリカの伝統的なエリート層は反西側クーデターの可能性に恐れを抱いていると語った。これらのエリートは、外国の資本とアフリカの労働力の「仲介役」としての地位を享受しており、特権的な立場から、自国民の困窮を背景に莫大な富を蓄えている。その上、彼らは西側の支援を受けた軍隊や警察が現状の変革を求める民衆蜂起を抑え込むことを約束している。
ニジェールでのクーデターは、これらのエリート層の誤った安心感を打ち砕いた。まるでどこからともなく、ワシントンの西アフリカにおける有望な人物が打倒され、投獄された。同時に、ニジェールの新しい指導層は、自分たちに押し付けられた制度的貧困にうんざりしている幅広い市民の支持を歓迎したのだ。外国資本家や国内のエリートたちは、対照的に、ますます金持ちになっている。これは他のアフリカの指導者たちを揺さぶるに十分な出来事だっただろう。
以上の分析のいずれも、西アフリカの軍事指導者の政治的性格について読者を誤解させることを狙っているわけではない。彼ら軍事指導者たちは、みんな、反植民地主義と反帝国主義の言葉を口にするが、社会主義的な方針に急激に経済を再編する計画を発表しているわけでない。ある意味では、これは理解できることだ:国土の広大な領域が反乱勢力に支配されている状況では、軍事的な問題が自然と他のすべての問題よりも優先されるからだ。しかし、別の角度から見ると、これは懸念される点でもある。反帝国主義への転換が、不満を抱える人々の支持を動員するため、主に修辞的なものである可能性があるからだ。
これらのクーデター政権の政治的志向がどうであろうと、西側とアフリカ大陸内の同盟国が激怒していることは明らかだ。また、特にニジェールの場合、クーデターは新植民地主義の犠牲者である不遇で貧困な人々に言葉を投げかけている。先のことはわからない。しかし、現時点では、ワシントンとその同盟国は怒りと不安に震えている。
https://youtu.be/gflPjawDR6E
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オーウェン・シャルクはマニトバ州出身の作家です。カナダのアフガニスタン戦争における役割に関する彼の書籍が、9月にロリマーから発売される予定です。こちらから予約購入が可能です。彼の著作をもっとご覧になりたい方は、http://www.owenschalk.com
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