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No. 1857 プロパガンダ:西側メディアの「台湾」領空物語
投稿日時: 2023年7月17日
Propaganda:The Western media’s “Taiwanese” airspace narrative
by Paul Malone
プロパガンダといえば中国は西側メディアからいくつか学ぶことができる。
プロパガンダを辞書で引くと、「政治的な大義や見解を宣伝するために使われる、特に偏った、あるいは誤解を招く性質の情報」とある。
西側諸国では、主要メディアがロシアや中国のプロパガンダの危険性を警告しているが、彼らの粗雑なやり方は我々がメディアで日々見みられる巧妙な偏向や誤解を招くようなものに比べれば全く問題ではない。
2023年6月2日にABCフォー・コーナーズとして再放送されたヤン・コーバンのBBC番組を例にとろう。
「フロントライン台湾: 中国に立ち向かう」{1}というタイトルで、宣伝文句は、小さな島である台湾が中国とアメリカという2つの核超大国の争いの渦中にあり、悲惨な状況に陥っていることを伝えるものだった。
プロパガンダは巧妙に文章に織り込まれているので、不注意な視聴者はそれに気づかないかもしれない。番組冒頭から、視聴者は台湾が独立国家であるという誤った見解を受け入れるように誘導されていく。
ここではっきりさせておこう。オーストラリア外務省のウェブサイトによれば、オーストラリアは1972年に中華人民共和国政府を中国の唯一の合法的な政府として承認し、台湾{2}は中華人民共和国の省であるという中華人民共和国の立場を認めている。
その前年、国連総会は決議2758号で、中華人民共和国を「国連における中国の唯一の合法的代表国」と承認し、現在に至っている。
現在、180の国連加盟国が北京を承認しているが、台北にある中華民国政府を承認しているのは、人口1万8000人のパラオなど13の小さな国だけである。
しかし、注意深く話を展開することで、優れた宣伝担当者はこの重要な事実を隠し、信じられる虚像を作り出すことができる。台湾という国が存在するという印象を植え付けた上で、『フロントライン』の司会者は、中国が「台湾」領空を侵犯しているという話を続ける。
タスマニア領空がないように、台湾領空など存在しない。蔡英文総統には、タスマニア州首相のジェレミー・ロックリフがオーストラリアの飛行機がタスマニア上空を飛ぶことに反対するのと同じように、中国の飛行機が台湾上空を飛ぶことに反対する権利はない。
中国機が台湾上空を露骨に飛行していないという事実は、北京政府が台湾を平和的に自国の傘下に収めたいと考えていることの証左である。
しかし、その目的が中国が攻撃的であるというアメリカの主張を押し通すことなら、中国が自国の領土の上空を飛行機で飛ぶことは犯罪だという印象を植え付けることは効果的だ。
チャイナ・トゥナイト
どうやらABCは、真に多文化的な雇用主であることを示すために、サミュエル・ヤンとアニー・ルーイという2人の中国系の若者に毎週『チャイナ・トゥナイト』という番組に出演させている。
この番組では、真っ当なニュースや情報に基づいたコメントを伝えようとしている。6月23日には、BBCの中国特派員で、15年間中国に滞在しているスティーブン・マクドネルが質問に丁寧に答えた。
マクドネルは以前、ABCの北京特派員だったが、彼がまだ中国にいるという事実は注目に値する。
2020年、ABCのビル・バートルズとオーストラリアン・ファイナンシャル・レビューのマイク・スミスは、モリソン政権の反中キャンペーンが最高潮に達したときに北京を離れた。当時、オーストラリア当局は中国人ジャーナリストの追放を計画しており、中国側の不利な反応を予想して、外務省は事前にバートルズとスミスの雇用主に連絡し、2人のオーストラリア人ジャーナリストを中国から脱出させるよう進言したのだ。
このオウンゴールの結果、ABCは中国本土に特派員を置いていない。
代わりに、チャイナ・トゥナイトはマクドネルのような現地特派員が毎日報道するしかない。
アントニー・ブリンケン米国務長官が、オピオイドの製造を抑制するために中国の協力を得ようと努力していることに触れ、チャイナ・トゥナイトはアヘン戦争について紹介した。イギリスは紅茶に対する飽くなき需要があり、中国にアヘンを供給することで貿易のバランスをとることを思いついた、と言ったのだ。
なるほど。
しかし、マンチェスター大学のヤンウェン・チェン教授は、素晴らしい婉曲的な歴史の書き換えを思いついた。「アヘン戦争の起源は本当はアヘンではない。それは間違った呼び名である。茶戦争と呼んでもいいし、銀戦争と呼んでもいい」。
彼女はこう続けた。「今日、中国がやっていることはすべて、あなた方、つまり西側諸国に対して、中国があなた方よりも優れていることを証明するためなのだ」。
戦闘機と(おそらく)中国空母が6隻の軍艦を護衛して航行している写真を示して彼女は言った。「そしてもちろん、今日私たちみんなが見ている政治的な結果のように、中国は非常に攻撃的になった。なぜなら中国はひどく傷ついたから」
その後ルーイとヤンが参加し、ルーイが「100年にわたる屈辱が、中国共産党によって今もプロパガンダとして利用されているのを見るのは興味深い」と言った。
ヤンも同意し、「そう、その例えは今でも非常に強力だ。中国で育った私は学校でそのことを教えられた。学生たちは常に、中国人が西洋列強による侵略や不平等条約によって苦しんだこと、例えば香港やマカオの占領などから、どれだけ苦難を経験したかを思い出させられた。」と言った。
さらに彼は、「中国の政治家はそれについて非常に日和見主義的になる。習近平の最大の野望は、屈辱の世紀を終わらせ、国家の復興をもたらすことだ」と加えた。
アヘン戦争は些細な茶戦争などではなかった。
これらの戦争や屈辱の100年について語る中国の指導者や学校の教師は、アイルランドの政治家が飢饉について語るのと同じように、プロパガンダを吹聴しているのではない。
中国の学校でこれらの出来事について教え、西洋(と日本)の侵略と不平等条約について学生に思い出させることは、オーストラリアの学生に第二次世界大戦と日本の侵略について教えるのと同じくらい合理的なことである。
「中国の攻撃」に関して、ヤンウェン・チェン教授がそれを読み通りに受け止め、司会者がこれを不問に付すことはアヘン戦争に関する中国人の回顧よりもよほどプロパガンダ的である。
彼らが言う「中国の攻撃」とはいったい何なのか?
最近のアメリカのイラクやアフガニスタンへの侵攻、シリアへの空爆と比較できるものだろうか?あるいは、キューバ、グレナダ、グアテマラ、イラン、ベトナムなど、第2次世界大戦後に米国がとった数々の行動とはどうだろうか?
彼らが挙げることができるのは、インドとの国境での小競り合いや、中国が南シナ海上空で自国の領空を飛行したり、中国沖で船を航行させたり、中国沖の岩礁に滑走路を建設したりすることくらいだ。
一方、アメリカから何千マイルも離れた中国の沖合では、米空母が航行し、米軍機が上空を飛んでいる。
もしあなたが宇宙からの観測者だとしたら、どちらの国の行動が攻撃的に見えるだろうか?
Links:
{1} https://www.abc.net.au/news/2023-06-02/frontline-taiwan:-standing-up-to-china/102426460
{2} https://www.dfat.gov.au/geo/taiwan/australia-taiwan-relationship
https://johnmenadue.com/propaganda-the-western-medias-taiwanese-airspace-narrative/
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