http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/721.html
Tweet |
ワグナーGの司令官がクレムリンに招待され、プーチン大統領と話し合った謎
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202307120000/
2023.07.12 櫻井ジャーナル
アメリカ/NATOが仕掛けたウクライナ軍による「反転攻勢」は無惨な結果に終わった。選挙を控えたジョー・バイデン大統領や側近たちにとって厳しい状況で、傭兵を世界各地からかき集めたとしても、供給できる兵器は少なくなっている。腰がひけている国々を引きずり出し、ロシア軍と戦わせるためにはショッキングな出来事を演出する必要があるだろう。
そうした中、トルコのレジェップ・エルドアン大統領は拘束していたアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)の幹部5名を釈放、その5名は7月8日にウクライナへ戻った。ウクライナでの戦闘が終わるまで釈放しないことでトルコ政府とロシア政府は合意していたのだが、これを破ったわけだ。
そして9日、エルドアン大統領はEU(欧州連合)に対し、スウェーデンがNATOへ加盟することを認めさせたいなら、トルコがEUへ加盟することを認めるように求めたという。EUへの加盟は主権の放棄に等しく、ギリシアのケースのように、経済破綻の原因にもなる。それほどエルドアンはヨーロッパに憧れを持っているのだろう。「恋は盲目」だ。
ロシアとトルコとの関係を引き裂きたいアメリカのジョー・バイデン政権としては好ましい展開。アメリカ側から何らかのアプローチがあったのかもしれない。
イギリスやアメリカを支配する私的権力は19世紀からロシアを征服しようとしてきた。そこでドイツとロシアを戦わせようと仕掛け、その一方でユーラシア大陸の周辺を海軍力で支配、内陸部を締め上げて中国やロシアを手に入れようとしてきたのだが、バイデン政権もその戦略に従い、動いている。
クーデターや内乱でロシアの体制を壊す計画も繰り返されてきたが、エフゲニー・プリゴジンが率いるワグナー・グループの「反乱」もそうした背景があると見る人もいる。
NATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」が終了した6月23日、ロシアの連邦保安庁(FSB)は傭兵会社ワグナー・グループを率いるエフゲニー・プリゴジンの捜査を開始したというのだが、大事にはならなかった。兵士2万5000人が行動を起こすとプリゴジンは言っていたが、実際に動いたのはせいぜい8000名で、将校クラスは動かなかった。
ベラルーシでの報道によると、同国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と6月24日に話し合ったプリゴジンはロシアにおけるワグナー・グループの行動を中止することに同意したという。ロシア政府はプリゴジンやワグナー・グループのメンバーを処罰しないという。
ウラジミル・プーチン露大統領は6月29日、ワグナー・グループの司令官35名をクレムリンに招き、3時間にわたって話し合ったと発表されている。
話し合いの中でワグナー・グループ側は自分たちが国家元首と最高司令官、つまりウラジミル・プーチン大統領の揺るぎない支持者であり、兵士であることを強調、祖国のために戦い続ける用意があると語ったとされている。この騒動は何だったのか?
前にも書いたが、ワグナー・グループの行動には謎が多く、真相は不明だ。ひとつの可能性はロシア国防省が契約更新を拒否したことにプリゴジンが怒ったというもの。第2はプリゴジンがアメリカ/NATOに内通していて、両者が連携して軍事作戦を予定していたが、梯子を外されてしまった可能性。そしで第3は「マスキロフカ」、つまり欺瞞作戦だったというもの。
第1のシナリオは可能性が小さいだろう。第2のシナリオは、例えばNATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」を利用した軍事作戦があり、それと連動して蜂起する予定だったが、その作戦が取りやめになったというようなもの。バイデン大統領やその取り巻きの好戦派ならやりそうだが、「反乱」が伝えられた直後に彼らがはしゃいでいたことを考えると、この可能性は大きくない。ワグナー・グループの「反乱」に合わせ、アメリカ/NATOの秘密部隊が蜂起したという話も聞かない。
そして第3のシナリオはアメリカ/NATOを欺くための欺瞞作戦だったというもの。どこかの時点でプリゴジンにアメリカやイギリスの情報機関が接近、買収を試み、プリゴジンはロシアの情報機関に連絡する一方、買収に応じるように振る舞った可能性はある。
ちなみに、ワグナー・グループ創設の背後にはロシア軍参謀本部の第1副本部長を務めているウラジーミル・ステパノビッチ・アレクセーエフ中将がいると言われ、今年5月4日からミハイル・ミジンチェフ上級大将がワグナー・グループの副司令官を務めている。
プーチンと話し合った後、プリゴジンやワグナー・グループがどこにいるかは明確でない。ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は7月6日、プリゴジンはベラルーシでなくサンクトペテルブルクにいると語っている。そのルカシェンコ大統領も、ワーグナー・グループの部隊を使いたいようだ。
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。