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ウクライナ 反転攻勢は成功するのか/津屋尚・nhk
2023年06月19日 (月)
津屋 尚 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/484824.html
反転攻勢が始まったとゼレンスキー大統領が明らかにしてから1週間余り。最前線では激しい戦闘が続いています。長い準備期間を費やしたウクライナ軍の作戦は、大規模な兵力を投入して、広く領土の奪還を目指すもので、成功すれば、開戦以来最も重要な転換点となります。それはどのような作戦になるのか、課題は何か、軍事面から解説します。
■反転攻勢の開始
▼ゼレンスキー大統領は18日、この1週間を振り返り、「攻勢に向けて非常に重要な1週間だった。ウクライナ軍は一歩一歩前進している」と述べ、激しい戦闘は続いているものの、作戦は着実に成果を上げていると強調しました。一方、プーチン大統領は「敵はロシアの10倍の死傷者が出ている」として、ウクライナの反転攻勢は失敗に終わるとの主張を展開しています。南部の戦線では、ドイツ製の主力戦車レオパルト2を含むウクライナ軍の複数の戦闘車両が被弾したことが伝えられ、激しい戦闘をうかがわせています。
■反転攻勢作戦とは
さて、ウクライナ軍による「大規模な反転攻勢」とはどのような作戦なのでしょうか。
ウクライナ軍が南部のヘルソンを去年11月に奪還して以来、1000キロ以上におよぶ長い戦線は半年以上ほぼ固定化された状態でした。ウクライナ軍の反転攻勢は、欧米から供与された兵器を含む大規模な兵力によって、膠着状態を打ち破り、ロシアに不法に占領された領土全体の奪還を目指すものです。
アメリカの戦争研究所などの分析によりますと、ウクライナ軍は今のところ、東部のドネツク州と南部のザポリージャ州の少なくとも4か所で反転攻勢を強めている模様です。ウクライナ軍は、ドニプロ川を渡ってヘルソン州南部に進撃する作戦も計画していましたがダムの決壊のため、このルートは当面、使えなくなりました。予想される進撃の中で、アゾフ海を目指して南下する作戦は特に重要な意味を持っています。
この作戦でザポリージャ州全体を奪還できれば、ロシア軍を東西に分断して追い詰めることになるからです。そのためには、▽アゾフ海に面した港湾都市のマリウポリ、▽クリミア半島にもつながる陸上交通の要衝であるトクマクやメリトポリを奪還できるかどうかが鍵になるでしょう。
これらが達成されたその先は、▽クリミア半島への補給路を断って、ロシア軍を孤立させる狙いとみられます。それによってロシア軍の敗走を促し、戦闘をせずにクリミアを奪還することを視野に入れているとみられます。
ここまで、ウクライナ軍が目指す作戦目標について見てきましたが、現在進行中の作戦はまだ「決定的な段階」の作戦ではありません。どういうことかと言いますと、作戦は、目標を達成する「決定的な段階」と、その条件を作り出す「地ならしの段階」があります。現在最前線で続く激しい地上戦も、ロシア軍を前線におびき寄せて弱点を探る目的、決定的な作戦の環境を整える「地ならしの作戦」である可能性もあります。そして「決定的な段階」の作戦を担う主力部隊の多くはまだ投入されていないとみられます。
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