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中国やロシアにとって警戒すべき国になった日本
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2023.06.12 櫻井ジャーナル
中国軍とロシア軍は6月6日に日本海と東シナ海で共同航空哨戒を実施、ロシア軍機4機と中国軍機4機が朝鮮半島南部と東部の防空圏に進入、自衛隊(日本軍)と韓国軍が戦闘機を緊急発進させたという。中露による共同航空哨戒は2019年から6回目になる。
中国とロシアが接近、同盟関係を結んだのはアメリカがウクライナでクーデターを実施、アメリカとイギリスが香港で反中国運動を仕掛けた2014年以降のことだ。ウクライナでアメリカ/NATOはロシアとEUを結びつけていた天然ガスのパイプラインを断ち切って両者を分断、ロシアとEUを制圧しようと目論み、香港での工作は中国の体制を揺さぶろうとしたのだろう。
中国もロシアも国内にはアメリカやヨーロッパと結びつきたいと考える人びとがいる。そうした人が多いのはビジネス界やアカデミーの世界だと言われているが、政治の世界への影響力は強くない。ロシアでは軍や情報機関の相当部分がアメリカに従属していなかった。ウラジミル・プーチンがロシアを再独立させることができたのは、そのためだろう。
ネオコンが2014年に行なったロシアや中国に対する揺さぶりは裏目に出た。中国とロシアを接近させ、今ではこの両国を中心に世界は動き始めている。
アメリカが世界制覇戦略を露骨に見せ始めたのは1991年12月12月にソ連が消滅した直後だ。ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識、国防総省の「DPG草案」という形で世界制覇プランが作成されたのである。作成の中心がポール・ウォルフォウィッツ次官だったことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれてきた。
その後、アメリカの国際戦略はこのドクトリンに基づいて動くことになった。中心的な目的には新たなライバルの出現を防ぐことにある。警戒する地域には旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジア、西南アジアが含まれる。ドイツと日本をアメリカ主導の集団安全保障体制に組み入れるともしている。ドイツと日本をアメリカの戦争マシーンに組み込もうということだろう。
戦争マシーンに組み込まれることを嫌がっていた日本に進むべき道筋を示したのが1995年2月にジョセイフ・ナイが発表した「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」だが、当時の日本にはそうした道を歩こうとしない政治家もいたようだ。
そうした中、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)た。その10日後には警察庁の國松孝次長官が狙撃されている。8月には日本航空123便の墜落に自衛隊が関与していることを示唆する大きな記事がアメリカ軍の準機関紙とみなされているスターズ・アンド・ストライプ紙に掲載された。
結局、日本は戦争への道を歩み始め、自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設、19年には奄美大島と宮古島にも作った。2023年には石垣島でも完成させている。
アメリカの国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」が昨年に発表した報告書によると、アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようとしているが、配備できそうな国は日本だけ。その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにする。そしてASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたという。
日本は軍事拠点を作るだけでなく、高性能兵器の開発にも乗り出していると伝えられている。例えばアメリカと共同で音速の5倍以上で侵入してくるHGV(極超音速滑空体)を迎撃するミサイル技術の研究開発を考え、昨年7月24日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で迎撃ミサイルに必要な速度に到達することが可能だとされるエンジンの飛行試験を初めて実施した。
極超音速で飛行するミサイル自体も研究だと言われ、HGVではなくエンジンによって推進力を得る極超音速巡航ミサイル(HCM)の開発を目指しているという。2026年には九州や北海道の島々へ配備したいようだ。
政府は国産で陸上自衛隊に配備されている「12式地対艦誘導弾」の射程を現在の百数十キロメートルから1000キロメートル程度に伸ばし、艦艇や戦闘機からも発射できるよう改良を進めていると昨年8月に伝えられているが、その背景にアメリカのGBIRM計画があった。
日本は射程距離が3000キロメートル程度のミサイルを開発し、2030年代の半ばまでに北海道へ配備する計画だとも伝えられている。それが実現するとカムチャツカ半島も射程圏内だ。
こうした当初の計画では準備が間に合わない事情がアメリカに生じ、トマホークを購入することにしたのだろう。
NATO(北大西洋条約機構)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は2020年6月、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言。2024年中に連絡事務所をNATOは連絡事務所を東京に設置するという
また、オーストラリアは2021年9月、イギリスやアメリカとAUKUSなる軍事同盟を創設したと発表、アメリカとイギリスはオーストラリアに原子力潜水艦の艦隊を建造させるために必要な技術を提供するとも伝えられた。ジョー・バイデン米大統領はオーストラリアへ売却する3隻のバージニア級原子力潜水艦を2030年代の初めに建造すると語っている。
その潜水艦を動かすためにはアメリカの軍人が乗り込む必要があり、事実上、アメリカ海軍の潜水艦になる。山上信吾オーストラリア駐在大使はキャンベラのナショナル・プレス・クラブで2022年11月14日、日本がオーストラリアの原子力潜水艦を受け入れる可能性があると表明した。
岸田文雄政権は昨年12月16日に「国家安全保障戦略(NSS)」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の軍事関連3文書を閣議決定、2023年度から5年間の軍事費を現行計画の1.5倍以上にあたる43兆円に増額して「敵基地攻撃能力」を保有することを明らかにした。その決定を「手土産」にしてアメリカを訪問、ジョー・バイデン大統領と1月13日に会談している。
NATOでも好戦的なアメリカやイギリスから離れる動きが見られ、東アジアでも命令に従う国が少ないためにアングロ・サクソン系の国を前面に押し出してきた。台湾や韓国の政府をアメリカはコントロールしているが、国民はそうの政策に反対している。アングロ・サクソン系の軍事同盟に嬉々として参加しようとしている国は日本くらいだ。
日本は中国やロシアにとって警戒すべき国になった。
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