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ダム破壊の計画をウクライナ軍の司令官が昨年12月、米紙に語っていた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306090000/
2023.06.09 櫻井ジャーナル
ノヴァ・カホウカ・ダムが6月6日に爆破され、ヘルソンのロシアが支配している地域は洪水で水浸しになっている。ウクライナ軍の侵攻を防ぐために作られた地雷原は今回の洪水で押し流され、水が引いて土地が乾燥した後、攻め込むことが容易になると考える人がいる。アメリカ/NATOはクリミアを占領しようと目論んでいるが、破壊されたダムはクリミアの水源であると同時に電力の供給源だった。ザポリージャ原子力発電所もダムの水力発電所から電力の供給を受けている。
ウクライナ軍がダムの破壊を計画していることは昨年の段階で指摘されていた。アメリカの主要プロパガンダ機関であるワシントン・ポスト紙は12月に同軍のアンドリー・コバルチュク少将をインタビュー、ドニエプル川を氾濫させるという構想を聞いている。同少将はヘルソン地区におけるウクライナ軍を指揮している。
その構想に基づき、ウクライナ軍はHIMARSでノヴァ・カホウカ・ダムを攻撃、3カ所に穴を開けたとコバルチュク語った。これは昨年8月のことだ。テストは成功したが、最後の手段として取っておくとしていた。
昨年11月、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣はセルゲイ・スロビキン司令官からの報告に基づき、ヘルソンからの撤退を部隊に命じた。同時に住民も避難させている。ウクライナ側の計画を知ってのことだろう。
この頃、ロシア側はダムの水位を下げているが、年明け後に急上昇している。ウクライナ軍がドネプロペトロフスクとザポリージャの水門を開いたからだと言われている。
ウクライナ軍は6月4日に「反転攻勢」を始めたものの、5日の段階で失敗に終わった。そこで注目されているのがNATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」。6月12日から23日まで実施されるNATO史上最大の空軍展開演習で、25カ国から最大1万人が参加、派遣される航空機は220機に達するという。追い詰められているネオコンはこの演習を利用して軍事侵攻すると懸念する人もいる。そうなるとヨーロッパが壊滅するだけではなく、核戦争に発展する可能性もある。
ウクライナの内戦は2010年の大統領選挙で選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ大統領をアメリカのバラク・オバマ政権が2014年2月、ネオ・ナチを使って排除したところから始まる。勿論、このクーデターは憲法違反だ。
クーデターを指揮していたのはジョー・バイデン副大統領、ビクトリア・ヌランド国務次官補、副大統領の国家安全保障補佐官を務めていたジェイク・サリバン。現在バイデンは大統領、ヌランドは国務次官、サリバンは国家安全保障問題担当の大統領補佐官だ。バイデン政権で戦争を推進しているのは、この3人とアントニー・ブリンケン国務長官だ。またサリバンの妻でジョー・リーバーマンやジョン・マケインの顧問を務めた海軍情報局の退役将校マーガレット・グッドランダーも注目されている。
アメリカは世界支配のために買収、恫喝、暗殺、クーデター、軍事侵略などあらゆる手段を使ってきた。その国の政府は「法の支配」や「紛争の平和的解決」といった用語を使いたがる。その従属国も真似をしたがる。
しかし、「万国公法」が帝国主義国の植民地政策を正当化するルールにすぎなかったように、こうした用語は買収、恫喝、暗殺、クーデター、軍事侵略に歯向かうことを許さないという宣言にすぎない。
昨年秋にも大きな破壊活動があった。ロシアとドイツがバルト海に建設した2本のパイプライン「ノードストリーム(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」が2022年9月26日から27日にかけての間に破壊され、天然ガスが流出したのだ。
ドナルド・トランプ政権下の2020年7月には国務長官のマイク・ポンペオがNS2を止めるためにあらゆることを実行すると主張。2021年1月に大統領がジョー・バイデンに交代しても状況に変化はなく、22年1月27日にビクトリア・ヌランド国務次官はロシアがウクライナを侵略したらNS2を止めると発言、2月7日にはジョー・バイデン大統領がNS2を終わらせると主張し、アメリカはそうしたことができると記者に請け合っていた。
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはアメリカ海軍のダイバーがノルウェーの手を借りてノードストリームを破壊したとする記事を発表した。彼によると、ジョー・バイデン米大統領は2021年後半にジェイク・サリバン国家安全保障補佐官を中心とする対ロシア工作のためのチームを編成し、その中には統合参謀本部、CIA、国務省、そして財務省の代表が参加している。12月にはどのような工作を実行するか話し合い、2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプライン爆破を具申している。
西側の政府や有力メディアが宣伝していた「ロシア犯行説」は説得力にかけ、疑惑の目はアメリカに向けられた。そうした中、有力メディアは「ウクライナ犯行説」を打ち出してきたのだ。ここにきてワシントン・ポスト紙は「CIAはウクライナの破壊工作を知っていた」とする話を流しているが、要するに「アメリカ政府は無実だ」という印象を広めたいのだろう。
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