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ウクライナは勝っているという西側メディアの宣伝をウクライナ大統領が否定
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303310000/
2023.03.31 櫻井ジャーナル
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は読売新聞が行ったインタビューの中で弾薬や戦闘機を含む兵器をさらに供給するように訴えたようだ。戦闘が続いているドンバスでの戦況は「良くない」と大統領は認め、ロシア軍は連日ウクライナ軍の約3倍の弾薬を発射していると語っている。ロシア軍は武器弾薬が枯渇し、旧式の戦車を引っ張り出しているとする西側の有力メディアの宣伝をあっさり否定した。武器弾薬が供給されなけれは「反撃」は不可能だというわけだ。
アメリカ/NATOは2014年からウクライナの戦力を増強するために兵器を供給したり兵士を訓練し、東部などに地下要塞を建設してきた。当初からアメリカはHIMARS(高機動ロケット砲システム)を、イギリスはM270 MLRS(M270多連装ロケットシステム)を、フランスをカエサル155mm自走榴弾砲を提供してきたが、大半はロシア軍に破壊されたと言われている。
ここにきてアメリカ/NATOはドイツ製戦車「レオパルト2」数十両とイギリス製戦車「チャレンジャー2」を提供、アメリカ製の「M1エイブラムズ」は数週間後に届くという。イギリスはチャレンジャー2で使える劣化ウラン弾も供給、ウクライナ兵に扱い方を説明している映像をイギリス国防省は流している。
アメリカが提供した、あるいは提供を予定しているブラッドリー装甲戦闘車両やM1エイブラムス戦車はいずれも劣化ウラン弾を発射できることから注目されていたが、イギリスはすでに劣化ウラン弾を引き渡したわけだ。アメリカ軍はイラクのファルージャを攻撃した際に劣化ウラン弾を使用、放射能障害の原因になったとも言われている。劣化ウラン弾は小型核兵器のカモフラージュに使われたという噂もあった。
劣化ウランは比重が鉄の2.5倍、鉛の1.7倍あり、貫通力が大きい。そこで対戦車用の砲弾としてアメリカはイラクで使ったのだが、単に重いだけでなく、放射線を出す一種の核兵器でもある。環境を汚染することは確実。穀倉地帯を核汚染することになる。
ロシア軍は暗視装置、熱線暗視装置、射撃統制システムなどが装備されている改良型のT-72戦車のほか、新型のT-90Mを既に投入済み。さらに最新型戦車のT-14を準備中だとされている。こうした戦車を劣化ウラン弾で攻撃するためには射程圏内にターゲットが存在、そのターゲットを正確に砲撃して破壊しなければならない。そのためには戦車の性能と乗員の技量が問題になる。
キエフではロシア軍が旧型のT-54/55を引っ張り出さざるをえない状況になっていると主張しているようだ。キエフ側のレオパルト2、チャレンジャー2、M1エイブラムズがロシア側のT-54/55による戦車戦が展開されるかのように宣伝しているのだが、ロシア軍はチェチェン戦争以来、T-54/55を大砲として使っている。
また戦車は航空兵力の支援なしに戦うことはできない。ゼレンスキー大統領がF-16などの戦闘機を欲しがっている理由のひとつはそこにあるかもしれないが、ロシアはすでにMigG-31やSu-57がウクライナとの国境近くに配備されているようだ。これらが搭載できる極超音速ミサイルR-37Mは200キロメートル以上離れた航空機を撃墜した実績がある。
ウクライナの内戦は2014年2月にクーデターでビクトル・ヤヌコビッチが排除された直後に始まった。2010年の大統領選挙で勝利したヤヌコビッチの支持基盤は東部と南部で、7割以上が彼に投票していた。
クーデターを仕掛けたのはアメリカのバラク・オバマ政権で、手先として使われたのはネオ・ナチだ。ロシアの影響をウクライナから一層するという点で両者の思惑は一致していた。かつてシオニストがパレスチナで行ったようなことをウクライナで実行しようとしたわけだ。
キエフでネオ・ナチが行っている残虐行為を知ったクリミアの住民は2014年3月16日の住民投票を経てロシアと統合する道を選ぶ。80%を超える住民が投票に参加して95%以上が加盟に賛成したのだ。
それに対し、4月12日にCIA長官だったジョン・ブレナンがキエフを極秘訪問、22日には副大統領だったジョー・バイデンもキエフを訪問する。そして5月2日、クーデター軍が制圧していたオデッサでは反クーデター派の住民が労働組合会館の中でネオ・ナチの右派セクターによって虐殺された。
5月9日にはクーデター軍がドネツクのマリウポリへ戦車部隊を突入させ、住民を殺している。デレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りした6月2日にキエフ政権はルガンスクの住宅街を空爆している。このマリウポリは内務省の親衛隊がドンバス支配の拠点にし、要塞化するのだが、親衛隊の主力はネオ・ナチにほかならない。
その間、ドンバス(ドネツクやルガンスク)でも自治(ドネツク)や独立(ルガンスク)の是非を問う住民投票が5月11日に実施され、ドンバスでは89%が賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が賛成(投票率75%)している。これが住民の意志であり、クーデター体制と戦うことになった。
それから8年かけてアメリカ/NATOはクーデター体制の戦闘力を増強させるが、そのための時間稼ぎが「ミンスク合意」だったことは本ブログでも繰り返し書いた。
そして2022年2月21日にロシアのウラジミル・プーチン大統領はドンバスの独立を承認、2月24日にウクライナの軍事基地や生物化学兵器の研究開発施設などを巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃しはじめた。部隊がドンバス周辺に集まっていたこともあり、短期間にキエフ政権側は大きなダメージを受け、そして停戦交渉が始まる。
その交渉を仲介したのはイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットだ。そのベネットをインタビューした5時間近い映像が2月4日に公開された。話し合いで双方は妥協に応じ、停戦は実現しそうだった。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はNATOへの加盟を諦めるとしたようだ。
2022年3月5日にベネットはモスクワでプーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけた。その足でベネットはドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。ウクライナの治安機関SBUがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺したのはその3月5日だ。
4月に入ると西側の有力メディアはロシア軍がブチャで住民を虐殺したと宣伝し始める。マクサー・テクノロジーズなる会社から提供された写真を持ち出し、3月19日に死体が路上に存在していたと主張しているが、疑問が噴出した。
そうした中、4月9日にボリス・ジョンソン英首相はキエフへ乗り込んでロシアとの停戦交渉を止めるように命令。4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めている。
言うまでもなくサリバンの主張は嘘で、ウクライナでの戦闘でロシア軍が勝っていることは確実。ゼレンスキー政権は崩壊しつつある。ウクライナを舞台にした戦争でアメリカが支持されているわけではなく、この点、パワーの主張は正しくないが、アメリカとロシアの戦争だと言うことは事実だ。
ロシア軍のミサイル攻撃が始まって間もない段階でゼレンスキー政権はロシア政府と停戦交渉を始めていたが、その交渉はアメリカやイギリスによって壊された。両国はロシアを疲弊させ、最終的には破壊しようとしているわけで、ウクライナが破壊されてもウクライナ人が殺されても気にかけない。そこで「玉砕攻撃」が続くわけだ。今でもウクライナ兵はロシア軍のミサイル攻撃で殺されている。
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