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No. 1744 台湾と戦争?
投稿日時: 2023年3月30日
これまでで最もクレイジーな戦争になるだろう。
by Ted Rall
アメリカや西側諸国は台湾をめぐる中国との戦争という構想を推進し始めている。もし中国が台湾に侵攻すれば、アメリカはウクライナ以上に踏み込んでアメリカの地上軍だけでなく武器も送るだろうとジョー・バイデン大統領は述べている。アメリカの有権者の37パーセントがバイデンに同意している。しかし自国に侵略される国を守るために、どうすれば戦争になるのだろう?
アメリカ、国連、そして台湾自身を含む世界のほとんどの国によれば、台湾は中国の一部である。
アメリカはオハイオ州を侵略できるのだろうか?
他の多くの場所と同様に、何年も前にアメリカの政策立案者が行った決定によって台湾は厳しい状況に置かれている。
1945年まで台湾は日本の植民地だった。台湾人である私の元義父の出生証明書には、「Taipei, Japan」と書かれていた。第二次世界大戦が終わると一息つくことができた。進駐軍は撤退した。台湾人は戦後の脱植民地化の一環として独立を期待していた。しかしアメリカには別の計画があった。
台湾海峡を挟んだ向こう側では中国の内戦が終結しつつあった。毛沢東の共産党が、蒋介石率いる極右の国民党を倒したのだ。国民党は中国の金塊をはじめ持てるものすべてを略奪し、ハリー・トルーマン大統領の援助でアメリカの船に飛び乗り、台湾に逃亡した。亡命した国民党は台湾の知識人や独立論者を粛清・殺害し、冷戦時代にアメリカが世界中で支援してきたような悪質な権威主義独裁政権を築いた。蒋介石の死後、民主化への移行は驚くほど穏やかだった。
義父は長い政治談義をしているとき私に尋ねた、 “いつ、アメリカは台湾を独立させるのだろうか?”
私は、「アメリカのイギリスからの独立にしても、東ティモールの独立するにしても、独立は与えられるものではなく、奪うものだ。独立を宣言するのだ」と答えた。「インドネシアからの独立を宣言した後、約1,400人の東ティモール人が亡くなっている」
「そんなことはできない。中国が攻めてくる。多くの人が殺される」と彼は言った。「中国は侵略してくるかもしれない。しないかもしれない。でもほかに方法はない」と私は答えた。
台湾人は死にたくない。だから台湾は独立を宣言したことはない。1949年の中華民国建国以来、台湾島(法的名称は中華民国)と中国本土は、台湾と中国が同じ国の一部であるという法的フィクションに合意している。北京は台湾を自国への復帰を望む「離反した省」と呼んでいる。台北政府は1949年に共産党が政権を奪取した際に台湾海峡を越えて亡命した敗残国民党軍の後継者であり、いつの日か本土を再征服するという馬鹿げた立場を公式に維持している。
ネズミが猫を食べる。
クルド、パレスチナ、パキスタンのカシミールと同様、台湾は外交上の煉獄にあり、その国民には半分国がない。台湾は力強い経済成長と事実上の独立を享受している。しかし実際には国ではない。国連に議席はない。ベリーズ、ハイチ、バチカン市国、ホンジュラス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、パラグアイ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、ツバル、グアテマラの13カ国(そのほとんどが小さな国)だけが台湾を国として認めている。台湾の最大の恩人である米国でさえ台湾を認めていない。
しかし、中国帝国の支配はその政治的安定と軍事力に比例して衰え、台湾人、そして大陸から移住してきた漢民族は、独自の芸術、食、政治・経済文化を発展させることができた。70年にわたる外交的宙ぶらりんと事実上の独立(独自の硬貨、切手、軍隊)によりこうした傾向は加速され、彼らはそれが永遠に続くと感じるようになった。香港のように吸収されることを望んでいないのだ。
台湾の人々が、外交的宙ぶらりんという戦略的曖昧さを受け入れるのも無理はない。中国は19世紀以来、直接支配していない島を取り戻すという混乱と経済的コストのリスクを冒す気はないようだ。壊れていないものをなぜ直すのだろう?
しかし状況は壊れている。国家である限り、国家としての誇りを持つことはできない。国民が勇気を示さない限り、尊敬を求めることはできない。そして何より、未来がどうなるかという疑問がある。習近平主席は、少なくともハードパワー(軍事力)を使って再び結束させようと考えるほど愚かではないようだ。では習近平主席の後継者、あるいは後継者の後継者はどうだろうか?
時々、台湾の政治理論家は中国の戦車が台北を通過するというリスクなしに独立を実現するという奇想天外な回避策を考案することがある。1994年に51人のメンバーで設立された「51クラブ」は、台湾をアメリカの51番目の州にするという目標を掲げる台湾の団体である。それだ!台湾との戦争は米国との戦争であり、中国はそれを決して望まないのだ。
しかしこのアイデアはまだ爆発的な広がりを見せてはいない。「PLA(中国人民解放軍)がミサイルを数発打ち込むだけで、人々は我々のところにくるだろう」と、1994年に創設者のデビッド・チョイは予言した。ミサイルはまだ来ていない。
民進党の元台湾副総統であるアネット・ルーは、台湾と中国がEUのような経済共同体を形成し、経済統合と政治的独立を図るという「一中華」を推進している。中国も台湾も乗り気ではない。
また、第二次世界大戦後、国際法上、米国が台湾の管理者であり、現在もそうであるという説もある。1945年、アメリカは蒋介石の中華民国(KMT)を台湾の管理者に任命した–転貸借のようなものだと思えばいい。サンフランシスコ講和条約が発効したのはそれから7年後の1952年である。「この条約では台湾を誰が受け取るのかについては言及されていない。日本は旧植民地を明け渡したが、誰にとは一言も言っていない」と台北タイムズ紙は書いている。では誰が受け取るのか?台湾については、昔も今もアメリカの公式見解は『未定』である。バイデンは、この未完成の仕事に賭けているのかもしれない。
しかし、アメリカ国内の政治的観点からすると、国ですらない、そして国だと主張しない「国」のために第二次世界大戦のリスクを冒すことになると知れば、アメリカ人が台湾を守ろうとする熱意はすぐに消えてしまうだろう。アメリカは多くの愚かな戦争に巻き込まれてきたが、これはこれまでで最もクレイジーな戦争となるだろう。
https://www.unz.com/trall/war-with-taiwan-it-would-be-our-craziest-war-ever/
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