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イラク戦争は名実ともに終わるか/橋祐介・nhk
2023年03月17日 (金)
橋 祐介 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/480818.html
イラク戦争の開戦から今月20日で20年となります。いまアメリカ議会は、武力行使を承認した当時の決議の見直しを議論しています。橋解説委員とお伝えします。
Q1)
けさのイラスト、バイデン大統領が箱の蓋を閉めようとしている?
A1)
イラク戦争は“パンドラの箱”を開けてしまったと評されます。アメリカは、国連決議を新たに得ないまま、イラクに対する先制攻撃に踏み切りましたが、大量破壊兵器は存在せず、アメリカの威信は失墜、過激派が台頭し、中東は混乱をきわめ、国際秩序を大きく揺るがしました。
当時のブッシュ大統領は、武力行使承認決議(AUMF)によって、議会から開戦権限を委ねられていました。決議には期限がなく現在も有効です。このイラク戦争を前にした2002年の決議と、1991年の湾岸戦争の際の決議を廃止する法案が、いま議会上院で審議されているのです。
Q2)
なぜ今になって決議を廃止する?
A2)
イラク戦争を名実ともに終わらせるためです。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻の正当性を主張した演説で、イラク戦争に言及し、「アメリカこそ国際法をないがしろにしている」と指摘しました。
トランプ前大統領も、3年前イランの革命防衛隊の司令官をイラクで殺害した際、イラク戦争の際の決議を法的根拠のひとつに挙げて、権限濫用だと批判を浴びました。
このため、決議を廃止することで、軍事行動に関する議会本来のチェック機能を回復するのもねらいです。
Q3)
では決議は廃止されますか?
A3)
当時、上院外交委員長だったバイデン大統領は、決議に賛成票を投じましたが、現在は廃止を支持しています。議会上院は、決議の廃止について、賛成68、反対27の大差で法案審議を進めることを決め、多数派の民主党は、共和党議員からも賛同を得て、来週にも可決したいとしています。一方、下院は、すでにおととし決議の廃止を賛成多数で可決しましたが、上院に続いて、今回あらためて法案を審議する見通しです。
“戦争は始めるよりも終わらせるのが難しい”。そうした格言があるように、開戦から20年、イラク戦争はようやく終わりに近づきつつあるようです。
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