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ウクライナで劣勢のアメリカはトランスニストリアへ戦線を拡大させる可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202302250000/
2023.02.25 櫻井ジャーナル
ロシア軍がバフムート(アルチョモフスク)から約7キロメートルの地点に迫っていると伝えられている。この地域の主力は傭兵会社「ワーグナー・グループ」だ。バフムートはキエフ政権軍の重要な拠点だったが、すでにウクライナ軍の何旅団かはウグレダル、クレミナの防衛ラインを強化するためにバフムートから撤退したと伝えられている。
ロシアのウラジミル・プーチン大統領は昨年2月21日にドンバスの独立を承認、同国軍は2月24日に巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃を開始、軍事基地や生物兵器の研究開発施設をまず破壊した。
その際、ロシア軍はウクライナ側の文書を回収、その中にはドンバスへの攻撃計画に関するものも含まれていた。それによると、ニコライ・バラン上級大将が昨年1月22日に指令書へ署名、ドンバスを攻撃する準備が始まっている。2月中には準備を終え、3月に作戦を実行することになっていたという。
また、生物化学兵器に関する文書も回収されている。ロシア軍の核生物化学防護部隊を率いているイゴール・キリロフ中将は昨年3月7日に記者会見を開き、ウクライナの生物兵器の研究開発施設から回収した文書について語った。
それによると、ウクライナにはアメリカのDTRA(国防脅威削減局)にコントロールされた研究施設が30カ所あり、生物兵器の研究開発を行っていたとしている。
3月8日には上院外交委員会でビクトリア・ヌランド国務次官はウクライナの施設で研究されている生物化学兵器について質問され、ロシア軍に押収されるかもしれないと懸念してみせた。つまりウクライナの研究施設で生物化学兵器の研究開発が行われていたことを否定しなかったのである。
地上軍の衝突でロシア軍が圧倒していることもあるが、「玉砕攻撃」を繰り返すウクライナ軍をロシア軍はミサイルや航空兵力で攻撃、イスラエルの情報機関モサドの推計によると、ウクライナ側の戦死者は15万7000人、負傷者23万4000人。ロシア側は戦死者1万8480人、負傷者4万4400人だ。
ロシア政府は昨年9月21日に部分的動員を発表、30万人から40万人が加わったと言われている。訓練には約半年が必要だと言われているので今年3月には準備が整う。ただ、訓練をある程度行なっていた人が4万人程度いるようで、そうした人びとはすでに前線へ出ているとも言われている。
ウクライナ政府は早い段階に18歳から60歳の男子が出国することを禁止、動員の対象にし、45歳以上の男性だけでなく少年兵も前線へ送り込んだと言われていた。最近は60歳程度の男性が街角で拘束され、前線へ送り込まれているという。
2014年2月にバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒したが、ヤヌコビッチが支持基盤にしていた東部や南部では住民が反クーデターで立ち上がり、内戦になる。
反クーデター軍はクーデター軍より強く、アメリカ/NATOは内務省の内部にネオ・ナチを主体とする親衛隊を組織する。さらにオバマ政権はCIAやFBIのの専門家数十名を顧問として送り込み、アメリカの傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名もウクライナ東部に派遣されて作戦に参加、2015年からCIAはウクライナ軍の特殊部隊をアメリカの南部で訓練し始めたとも伝えられている。
2022年2月以降、ウクライナではアメリカ陸軍のデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)、イギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)が戦闘に参加している。傭兵の多くはポーランド軍やシリアのアル・タンフにあるアメリカ軍の基地で訓練を受けたダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)の兵士だということが携帯電話のやりとりから判明している。ウクライナ軍は自軍の戦死者の手や首を切り落として持ち去っているが、身元を隠すことが目的だと推測する人もいる。
ウクライナでの戦闘はロシア軍が優勢で、アメリカ/NATO軍が支援しているウクライナ軍の敗北は決定的だが、敗北を認めたくないネオコンは兵器が足りないにも関わらず、戦線を拡大させようとしている。モルドバとウクライナにはさまれたトランスニストリアへの攻撃だ。
アメリカ国防総省系の「RANDコーポレーション」が2019年に発表した報告書「ロシア拡張」では、ロシアを弱体化させるため、ウクライナへ殺傷兵器を提供、シリアのジハード傭兵に対する支援の再開、ベラルーシの体制転覆を促進、アルメニアとアゼルバイジャンの緊張を利用、中央アジアへの関心を強め、そしてトランスニストリアの孤立を強めるとしていた。トランスニストリアで戦闘が始まった場合、ロシア軍はオデッサを含む南部を制圧してトランスニストリアへ向かう可能性がある。
ここにきてポーランドが軍事力を大幅に増やす計画を打ち出しているが、アメリカはイギリス、ルーマニア、そしてポーランドを率いてロシア軍と戦うつもりかもしれない。
ちなみに、反ファシストのフランクリン・ルーズベルト米大統領が急死した翌月、ドイツが降伏した直後にイギリスのウィンストン・チャーチル首相はソ連に対する奇襲攻撃を目論み、JPS(合同作戦本部)に作戦を立てるように命令、5月22日には「アンシンカブル作戦」が提出された。
その作戦によると攻撃を始めるのは1945年7月1日で、参加するのはアメリカ軍64師団、イギリス連邦軍35師団、ポーランド軍4師団、そしてドイツ軍10師団。「第3次世界大戦」を始める想定になっていた。この作戦が発動しなかったのは、参謀本部が5月31日に計画を拒否したからである。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)
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