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ノルドストーム破壊は米国が究極の戦争犯罪国家であることを示した。
<記事原文 寺島先生推薦記事>
Nord Stream Sabotage Backfires With Historic Demolition of U.S. Image and Lies Over Ukraine War
https://strategic-culture.org/news/2023/02/17/nord-stream-sabotage-backfires-with-historic-demolition-of-us-image-and-lies-over-ukraine-war/
ノルドストームの破壊工作は、米国のイメージの歴史的崩壊とウクライナ戦争をめぐる数々の嘘によって、思わぬ面倒を招いている。
出典:Strategic Culture Foundation
2023年2月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2023年2月22日
ノルドストームの破壊工作
米国は究極の戦争犯罪国家であり、ヨーロッパの売国奴と共謀している
ハーシュの報道は、米国とNATOの国際テロリズムと西側メディアの共謀を暴露するすばらしい記事だ。その報道が暴露しているのは、米国政府の無法ぶり、いわゆるヨーロッパの同盟国に対するワシントンの完全な無視、ヨーロッパ政府、特にドイツの腰抜けぶり、ウクライナ戦争の背後にある本当の地政学的理由、そしてそれに続いて、驚くべき犯罪行為を取り上げようとしない西側メディアの衝撃的な奴隷根性である。
これは、いろいろな意味で、また、現段階ではおそらく計算できないほど多くの意味で、議論を紛糾させる記事である。発表からわずか1週間で、その反響はさらに大きくなり続けている。欧米のジャーナリズムは危うく情けないものなので、ハーシュは、主要メディアが触れないことを承知の上で、自分の情報発信源でこの記事を発表せざるを得なかった。組織的にメディアが検閲されていること、メディアがプロパガンダの機能を果たしていることが暴露されたことそのものが、巨大なスキャンダルであり、それはさらに拡大するだろう。ロシアのメディアはハーシュの暴露によって正当性を証明された一方で、西側メディアが面目を失った。それにもかかわらず、この間、欧州連合はロシアのメディアを制裁しアクセスを禁止していた。
2022年9月26日、ノルドストリーム・パイプラインが爆破された。その後、欧州各国は、控えめな報道ではあるが、そのことを認めている。ロシア側としては、当初から西側諸国をテロ行為で非難してきた。米国は当初、ロシアがヨーロッパへの復讐のためにテロを行ったという、とんでもない主張を展開した。そして、西側メディアはその馬鹿げた乗りに乗った。
被害が意図的な破壊工作であることに異論はない。全長1,222キロの海底民間インフラは、ロシア、ドイツ、フランス、オランダの企業連合が参加した世界最大のものであった。建設には10年以上を要し、その費用は120億ユーロ以上と推定されている。この爆発による天然ガス量の膨大な損失も、数十億ユーロという単位で貨幣化することができる。
国家が仕組んだテロ
つまり、この破壊工作は、具体的な責任を問うまでもなく、国際法に違反する言語道断の国家的なテロ行為である。しかし、欧米のメディアは、「見ざる、聞かざる、言わざる」の猿のように行動してきた。
この壮大な事件が起こったとき、多くの批判的な観察者たちは直ちに不正行為を疑った。9月30日付の我々の「戦略文化財団(Strategic Culture Foundation)」の週一度の社説では、見出しにこうある。「ノルドストリームの破壊行為で誰が得をするかは明白である」と。
我々は事件発生からわずか数日後に、その原因として米国とNATOの同盟国による「意図的な破壊工作」がもっともらしいと推測していた。
「もしそうであれば、民間のインフラに対するテロ行為であり、ロシアの国益に対する痛烈な打撃となる。戦争犯罪行為と解釈される可能性もある」と書いた。
この社説では、バイデン米大統領が2022年2月7日にホワイトハウスで行った記者会見で発した警告の言葉を引用している。バイデン氏は記者団に対して、ロシアがウクライナに軍事介入した場合、ノルドストリームは「終焉を迎えるだろう」と、用意された台本を逸脱して謎めかして主張したようだ。その2週間後の2月24日にロシアは軍事介入している(NATOの致命的な挑発の結果として、ということは付け加えるべきだが)。
「彼(バイデン氏)の謎めいた主張は、欧州各国政府を差し置いて、ノルドストリームを破壊するための緊急時対策がすでに認可されていたことを示唆している。そして、どうやら今週、その極悪非道な行動が正式に実行されたようだ」と書いた。
(私たちは、この客観的な見識の高さを誇りに思っている。それなのに、この我々のオンライン・ジャーナルは、ロシアのプロパガンダの道具として、米国やヨーロッパ政府から中傷され、アクセスを禁止されている。)
先週発表されたシーモア・ハーシュの調査報道は、多くの観察者が早い段階で疑っていたことを裏付けている。反論の余地のない事実として、ノルドストリームのガスパイプラインは米軍によって爆破された。それだけでなく、米軍はNATO加盟国のノルウェー、そしておそらくポーランド、デンマーク、イギリスを含む他のNATO加盟国によって援助され、けしかけられたのである。
これは世界を揺るがすスキャンダルである。波紋はどんどん広がっていくだろう。ハーシュは、次の記事でさらに詳細な情報を提供することを約束している。他のジャーナリストは、昨年6月にバルト海で行われたNATOの軍事訓練を隠れ蓑にして、米海軍のダイバーが爆発物を仕掛けたという彼の詳細な報道について、現在裏付けをとっている。ハーシュは、C4爆弾のいくつかは計画通りには爆発しなかったと主張している。つまり、海底にはまだ米国が関与した決定的な証拠が残っている可能性があるということである。
そして、爆発直後の現場を視察したスウェーデン人ダイバーによる先行報告もあった。彼らは現場をきれいにしようとしたのだろうか? スウェーデン当局は、その報告書の内容を明らかにすることを拒んでいる。デンマーク、ノルウェー、英国、そして何より米国は、この問題に答えなければならない。
ロシアは、シーモア・ハーシュの最新の調査報道に基づいて、この問題に関して国連安全保障理事会を来週招集するよう要求した。中国もまた、この問題を調査するための独立した国際委員会の設置を要求している。
また、ドイツ政府がこの破壊工作について何を知っていたのか、早急に質疑が行われる必要がある。本誌コラムニストのマーティン・ジェイが今週指摘したように、バイデンがノルドストリームを破壊するという不器用な脅しをかけた昨年2月7日には、オラフ・ショルツ首相がホワイトハウスにいた。つまり、ショルツ首相は爆破計画を事前に知っていたということになる。
欧米のメディアは沈黙している
私たちはここで、複数の不正行為と重大な犯罪について話している。テロリズム、国家財産の破壊、侵略と戦争の扇動、反逆罪、そして欧米のジャーナリズムの砦とされるメディアによる組織的な隠蔽工作である。ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストは、今のところハーシュの報告書を無視している。欧米のメディアは、この緊急のニュースを調査することをかたくなに拒んでいるのだ。なんという邪なことだ。
国際的に有名な法律専門家であるフランシス・ボイル教授は、国際刑事裁判所の支援のもとで、ノルドストリーム事件に関して米国を起訴することが可能だと評価している(我々「戦略文化財団(SCF)」との電子メールのやり取りで)。米国は必須のローマ規程*の締約国ではないが、事件は締約国である欧州諸国の領土で発生した。このような訴追が進められるかどうか、そして今週末に国連安全保障理事会が行動を起こすかどうかは、現実的には意味のないことであるが、少なくともこのスキャンダルは国際世論の審判に大きな衝撃を与えている。
* 国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)(www.icc-cpi.int)は独立した、常設の裁判所で、国際社会全体の関心事であるもっとも重大な犯罪、すなわち集団殺害犯罪、人道に対する罪、戦争犯罪に問われる個人を訴追する。また、2017年に締約国が行う決定によっては、侵略犯罪に対しても管轄権を持つことになる。刑事裁判所は、1998年7月17日、ローマで開かれた全権大使会議で採択された「国際刑事裁判所ローマ規程」(https://www.icc-cpi.int/)によって設立された。ローマ規程は2002年7月1日に発効した。2016年11月現在、締約国は124カ国である。
(出典:国際刑事裁判所 | 国連広報センター)
シーモア・ハーシュ氏(現在85歳)のジャーナリストとしての功績は称えられるべきだろう。彼のレポートの細部については、いささか異論があるかもしれない。彼は関係者全員の全容を把握したのだろうか? そうではないかもしれない。彼のレポートは地政学的な分析ではないし、彼の前提のいくつかは、ウクライナ戦争への米国やNATOの関与に批判的でないことを示唆している。このような留保は、実際に何が起こったのかを理解するという彼の主旨からすれば、比較的些細なことである。
しかし、これらの注意点はさておき、ハーシュの報道は超大型爆弾であると言える。彼のライフワークは非の打ちどころがない。1968年にベトナムで起きたミライ虐殺事件では、米軍によって数百人の男女や子供が無差別に殺害されたことを明らかにした。また、2004年にはイラクの悪名高いアブグレイブ刑務所での米軍による拷問を暴露している。
歴史的な影響
ハーシュの過去の報道は、歴史的な影響を与えた。東南アジアや中東での米国の戦争の悪質な本質について、人々の理解と世論を結集した。
多くの分析家や我々の「戦略文化財団(SCF)」の週間社説が繰り返し指摘してきたように、ウクライナ戦争は、「ロシアの侵略からウクライナと西側の自由を守る」という西側政府やニュースメディアが出す不条理なストーリーよりも、大きな地政学的原因がある。私たちは一貫して、NATOの拡大、ウクライナを潜在的な武器にすること、そして現在の紛争は、すべてアメリカ帝国主義の覇権支配の野望であると分析してきた。ヨーロッパとロシアの正常な関係を破壊すること、とりわけ戦略的に重要なエネルギー貿易を破壊することは、すべてその目的の一部である。この目的を追求することによって、核爆発にエスカレートしかねない最も危険な戦争を引き起こすことになった。
米国の著名な評論家、ジェフリー・サックスが指摘するように、ノルドストリームの爆破に関する米国の犯罪行為は、第二次世界大戦以来何十年にもわたって行われてきた米国の犯罪行為のまさに特徴である。今と違うことは、この犯罪行為がより多くの人々の生活に直接影響を及ぼしていることだ。それは、破滅的な戦争の危険性から、米国の無謀な侵略によって引き起こされる経済的な惨状にまで及ぶ。
ハーシュの記事は、西側メディアが恥ずかしいほどそれを無視し、それによって米国のテロリズムに自分たちが犯罪的に加担していることを暴露したかどうかにかかわらず、米国というならず者国家とその資本主義、帝国主義の力学について、世界にこれまで以上に認識させることになった。
米国は、ヨーロッパで戦争を引き起こし、前例のない攻撃で核保有国のロシアと敵対し、ヨーロッパの市民に大量の貧困と苦難を与え、プロパガンダ・メディアを通じて常に嘘をついている。米国は究極の戦争犯罪国家であり、ヨーロッパの売国奴と共謀している。
ロシアのプーチン大統領が数週間前に発言したように、歴史的状況は革命的である。
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