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米国の戦略に従い、米国の手先として日本は射程距離1000kmのミサイルを配備へ
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2022.08.22 櫻井ジャーナル
日本政府は射程距離が1000キロメートル程度のミサイルを開発、艦艇、戦闘機、そして地上から発射できるようにすると読売新聞は伝えている。地上発射の改良型は2024年度にも配備する方針だという。
すでに自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設、19年には奄美大島と宮古島に作り、そして23年には石垣島でも完成させる予定だ。この石垣島での施設が完成した直後に地上発射の改良型ミサイルを配備するということになるのだろう。
本ブログでも繰り返し書いてきたことだが、1995年にアメリカの戦争マシーンへ組み込まれた自衛隊の動きはアメリカの戦略や方針が背景にあり、そうした戦略や方針はアメリカ国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」が報告書などで明らかにしている。
このシンクタンクが今年出したレポートによると、アメリカはGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようと計画しているのだが、インド太平洋地域でそうしたミサイルの配備を容認する国は日本以外にないという。
その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備に協力するという形にするしかない。そのASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画のようだ。
イギリスが19世紀に作成した世界戦略をアメリカは引き継いだと見られている。その戦略をまとめ、1904年に「歴史における地理的要件」というタイトルで発表したハルフォード・マッキンダーは地政学の父と呼ばれている。ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もマッキンダーの理論に基づく。
マッキンダーの理論はユーラシア大陸の周辺部を海軍力で支配、「三日月帯」を形成、内陸部をその帯で締め上げ、最終的にはロシアを制圧するというもの。この戦略を成立するためにスエズ運河が大きな意味を持つ。この運河は1869年に完成、75年からイギリス系の会社が所有している。
そのころにイギリスやアメリカは薩摩や長州を支援して明治維新を成功させ、新体制を自分たちの侵略戦争に利用することになる。その後、運河の近くにイギリスはイスラエルとサウジアラビアを建国させた。
19世紀からイギリスやアメリカのようなアングロ・サクソン系国家の支配者は世界の覇者になろうとしているが、その背景には優生学的な思想がある。
1871年にNMロスチャイルド&サンの融資を受けて南部アフリカでダイヤモンド取り引きに乗り出して大儲けしたセシル・ローズはアングロ・サクソンを最も高貴な人種だと考えていた。
彼はフリーメーソンに入会した直後の1877年に『信仰告白』を書いているが、その中で優秀なアングロ・サクソンが支配地域を広げることは義務だと主張している。その目的で行われるなら、侵略や殺戮は彼らにとって「正義」なのだ。彼らがこうした「信仰」を放棄していないことは行動が示している。
優生学はチャールズ・ダーウィンの従兄弟にあたるフランシス・ゴルトンから始まるとされている。言うまでもなく、ダーウィンは『種の起源』を書いたことで知られている学者だ。イギリスではハーバート・スペンサーが人間社会に適者生存を主張、それがアメリカの支配層に受け入れられた。こうした考え方の基盤にはカルバン派が存在していると見る人もいる。
カルバン派の考え方によると、「神は人類のうち永遠の生命に予定された人びと」を選んだが、「これはすべて神の自由な恩恵と愛によるものであって、決して信仰あるいは善き行為」などのためではない(ウェストミンスター信仰告白)のであり、富豪や権力者は選ばれた人間だということになる。経済社会は競争の場であり、勝利者が生き残り、さらに富という報酬が与えられ、敗北者は獅子の餌食になるというのだ。
スペンサーたちによると、競争で強者が生き残ってその才能が開発され、その一方で弱者は駆逐される。弱者に無慈悲であればあるほど社会にとっては「優しい」のだという。(J. K. ガルブレイス著、鈴木哲太郎訳『ゆたかな社会』岩波書店、2006年)
19世紀にイギリスで生まれた優生学はアメリカへ伝わり、その信仰に基づいて社会システムが作り替えられた。彼らが優れた種だと考えているのはゲルマン/北欧系で、その中にアングロ・サクソンも含まれている。その考え方に感銘を受けた人物がドイツにいた。アドルフ・ヒトラーである。
アメリカでは富豪が優生学を積極的に支援した。中でもカーネギー財団、ロックフェラー財団、マリー・ハリマンが有名だ。ハリマン家は鉄道や金融で有名だが、家族の男はブッシュ家と同じようにエール大学の学生結社「スカル・アンド・ボーンズ」に加入してきた。
ハリマン家の金融機関はディロン・リードと同じように、ナチスへ資金を供給していたことでも知られている。ブラウン・ブラザース・ハリマンやユニオン・バンキングだ。
ユニオン・バンキングはナチスへ資金を流すために創設されたと言われ、その経営陣にはジョージ・ハーバート・ウォーカー、その義理の息子であるプレスコット・ブッシュ、ブッシュとスカル・アンド・ボーンズ仲間のW・アベレル・ハリマンも含まれている。ちなみに、ハリマンの弟子にあたる人物がジョー・バイデンである。
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