http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/898.html
Tweet |
【追悼】鈴木邦男さんとの忘れられない思い出 出馬を決めた時「侠気だねえ」とほほ笑んでくれた 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321377
2023/04/11 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
「一水会」名誉顧問だった鈴木邦男さん(C)日刊ゲンダイ
1月11日に79歳で亡くなった鈴木邦男さんを「偲び語る会」が、さる2日、東京都内で催された。故人について私は、映画監督の森達也氏と語り合うコーナーをいただいていたのだが、急用で参加できなくなった。話したかったことを書き残しておきたい。
出会いは酷いものだった。あれは確か2002年、同業の吉岡忍、吉田司両先輩らと個人情報保護法案の反対運動をしていた頃。シンポジウムだったかの席で、「こんな法律が通れば権力悪を暴く取材が違法にされる」などと、定番だった批判をみんなで叫んでいたら、会場から邦男さんに一喝された。「あんた方は今だって、大した報道なんかしちゃいないだろう!」
図星を突かれたと思った。だからって簡単に頭は下げられず、ムキになって反論できる根拠もない。どう対応したのかはもはや記憶にないのだが、ほどなくして新宿のトークライブハウスで同席。なんだかグッと近しい関係になった。
顔を合わせる機会に幾度も恵まれ、森さんと3人で鼎談本「言論統制列島」(講談社)を出した。忘れられないのは2007年、第1次安倍政権に対する危機感を募らせた挙げ句、社民党の誘いを受けて参院選への、出馬を決めた時の言葉だ。
リーフレットに載せる応援メッセージを、とお願いすると、あの人は快く引き受けてくれ、「侠気だねえ」とほほ笑んでくれた。立候補の件では多くの友人・知人に励ましも翻意の勧めも受けたが、あれほどうれしかった瞬間はない。とどのつまりは己の政治センスの決定的欠如を思い知り、前言を撤回したのだったから、今さら何を、ではあるけれど。
同じ年の秋には彼と、同業の林信吾さん、自衛隊出身の評論家の潮匡人さん、私の4人で座談会本「超日本国憲法」(講談社)も出した。語り合う場での邦男さんはいつも、やたら生意気で攻撃的な私を、どこか好々爺然と受け止めてくれていたのが、たまらなく懐かしい。
「(斎藤の)問題意識の原点はここにあったのか」と、書評に書いてくれたのは16年、私が柄にもない自伝的庶民史エッセー「失われたもの」(みすず書房)を出版した時だ。人間というのは右だ左だで分けられるものではなく、安易に分類したがる発想そのものがおかしいのだという真理が、邦男さんと話していると、つくづくわかった。もっと、もっと教わりたかった。
鈴木邦男さん、どうぞ、どうか安らかにお眠りください。合掌──。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK289掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK289掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。