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自民が計画 防衛力強化に「予備費」を使い回しの本末転倒…「増税延期」にだまされるな!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321320
2023/04/11 日刊ゲンダイ
「予備費」使いまわし案まで浮上のやりたい放題(萩生田光一政調会長、自民党の「防衛費増額を巡り増税以外の財源確保策を検討する特命委員会」で)/(C)日刊ゲンダイ
国民の税金を何だと思っているのか。防衛費増額の財源をめぐり、自民党内で、予算の使い残しや税収の上振れで生じる「決算剰余金」の活用を拡大する案が浮上。「防衛増税」を延期する狙いがあるという。
岸田首相は防衛力強化のために増税への理解を国民に求めているが、自民党内では萩生田政調会長を中心とする特命委員会が増税以外の財源を検討中。増税額の圧縮を模索する過程で目を付けたのが、使い残しが巨額に上る予備費だ。
政府は昨年度、新型コロナと物価高対策として予備費10兆8600億円を計上。使わなかった不用額は4兆円弱に上った。自民党内の増税慎重派は、その一部を使って増税で賄う1兆円強を圧縮し、「2024年以降の適切な時期」とされる増税時期を延期する計画を描いている。
予備費は本来、災害など「不測の事態」にそなえて計上するもの。コロナ禍で額が膨らんだのをいいことに、すっかり政府が自由に使い道を決められる“掴み金”になってしまっている。国会の議決を経ずに閣議で使途を決められるから、防衛費に充てるために余らせようと思えばできてしまう。まるで本末転倒である。
醍醐聰東大名誉教授(会計学)がこう言う。
「政府がフリーハンドで使える予算を増やすことは、予算編成をめぐる国会のコントロールを骨抜きにするも同然です。財政法上、剰余金の半分は国債の償還に充てると規定されています。つまり、剰余金の活用の最優先は国債の償還が原則なのです。さらに言えば、なぜ余ったのかも、きちんと検証されなければなりません。失業手当や生活保護など、本来ならサービスを享受すべき人に、きちんと予算が執行されていない恐れがあるわけですからね」
少子化対策に使えばいい
岸田首相は「少子化への対応は待ったなしの最重要課題」と強調している。それなら、年金・医療・介護・雇用の社会保険料に少子化対策の財源の一部を上乗せする案を検討する前に、防衛費増に回す剰余金を少子化対策に活用する議論をしたっていいはずだ。
「自民党内で防衛力強化に剰余金を充てる前提で議論が進んでいること自体、問題です。社会福祉をめぐっては、例えばフランスなどは1990年代から公費負担の割合を増やし、『保険財源の租税化』を進めてきました。日本政府はいまだに、こうした骨太な議論を置き去りにしているのです」(醍醐聰氏)
本をただせば、防衛増税は岸田首相が勝手にブチ上げた計画だ。これ以上、税金を好き勝手に使われてはたまったもんじゃない。
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