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やっぱり増税地獄、「100万円ステルス負担増」も…岸田政権の仰天プラン
週刊ダイヤモンド 2022.11.8号
https://diamond.jp/articles/-/311860
「参議院選挙で自民党が勝利すれば増税が待っている」――。筆者が5月末の記事で書いたことが現実のものとなりつつある。消費税率のさらなる引き上げに、所得税や法人税のアップといった話が岸田政権や与党幹部から噴出している。さらに、知らぬ間に家計負担が増加しかねない「ステルス負担増」の話も浮上している。岸田政権が進めている仰天プランを追う。(イトモス研究所所長 小倉健一)
岸田首相は消費税率の引き上げを「10年は考えていない」はずが…
政府の税制調査会で消費税増税議論が飛び出したことが波紋を広げている。岸田文雄首相は物価高騰対策として電気代やガス代の支援策を柱とする総合経済対策を決定した。ところが、一時的な家計負担の軽減策と同時に全ての家計に恒久的な負担増を強いる増税策をもくろんでいることが明らかになったからだ。
消費税以外の税も増税策が検討されており、物価上昇や円安の影響に伴って国民生活がダメージを受ける中で、さらに負担が増大していくのは避けられそうにない。
やはり「増税地獄」なのか――。筆者はダイヤモンド・オンラインで5月31日に配信した『財務省が狙う「参院選後の増税」、既定路線になりつつある“標的”を検証』において、今夏の参議院選挙で自民党が勝利した後の増税が既定路線になっているとの記事を執筆した。
参院選が終われば岸田首相が衆議院を解散しない限り、3年間は大きな国政選挙がない「黄金の3年」を獲得する。その結果、財務省を中心に「財政再建派」と呼ばれる勢力が長期政権をにらんで動き出し、岸田首相の在任中に増税議論を活発化させることが目に見えていたからだ。
ただ、岸田首相は昨秋の自民党総裁選挙で消費税に関して「10年程度は上げることを考えていない」と語っている。「財政再建の旗は降ろしてはならない」としつつも、「すぐに増税で財政を埋めることは考えていない」と明言した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う歳出拡大が生じているとはいえ、さすがに自ら「増税プラン」を掲げるのははばかられる状況にあるのだろう。
動きだした政府税調
消費税率「10%では財政が持たない」
そこで代わりに動きだしたのが政府税制調査会だ。内閣府本府組織令33条によれば、その役割は「内閣総理大臣の諮問に応じて租税制度に関する基本的事項を調査審議」し、「諮問に関連する事項に関し、内閣総理大臣に意見を述べること」と規定している。委員も岸田首相が任命しており、まさに岸田内閣の税制議論において中核を担う場所といえる。
その政府税調が10月26日に開催した総会のテーマは「消費課税」だった。財務省や総務省から消費税の歴史や使途、国際比較などの資料が提出されて議論がスタートしたのだが、参加委員から「未来永劫(えいごう)、(消費税率が)10%のままで日本の財政が持つとは思えない」との意見が飛び出した。さらに「今後の高齢化の進展に合わせて、遅れることなく、消費税率の引き上げについて考えていく必要がある」などの声も相次いだ。
また、2009年4月に導入されたエコカー減税に関しても「道路財源を確保する必要があり、走行距離に応じて課税することを議論すべき」といった意見も見られ、財務省や学識経験者の間では“増税”が既定路線となりつつあるように映る。
岸田首相は自民党政務調査会長時代の20年9月11日、「新型コロナウイルスとの戦いの中での増税は難しい。その先の時代に社会保障制度を改良し、必要であれば(消費税率を)引き上げを考えるというのが私の立場だ」と語っている。鈴木俊一財務相も今年1月に「今のところ増税は想定していない」と述べていたが、今日はもはや岸田首相が語っていた「その先の時代」にあるということなのだろうか。
自民・公明の税調も防衛費増額で「所得税の増税」を想定
増税議論が盛んなのは政府税調ばかりではない。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は政府が検討している防衛費増額に伴う財源に関して「所得税、法人税を含めて白紙で検討する」と語る。そして、いずれかの増税が選択肢になるとの見方を繰り返す。この点は連立政権を組む公明党の竹内譲税調副会長も10月27日、防衛費増額の財源税目として「所得税などが想定される」と指摘している。
年末の23年度税制改正に向けた議論では、岸田首相が掲げた「金融所得課税の強化」も俎上(そじょう)に載せられる見通しだ。昨年末は株価下落や市場の混乱を招いたため棚上げしたものの、これも「長期政権」になるとにらんだ動きの一つだろう。
現在、株式の売却益や配当金などは一律20%の課税になっているが、富裕層の税負担を重くするべきとの声が相次いでいる。宮沢氏は「今年はしっかり議論しなければならない」と前向きな姿勢を見せる。
ただ、岸田首相が掲げる「資産所得倍増プラン」は少額投資非課税制度(NISA)の拡充が柱だ。10月28日に決定した総合経済対策においても個人金融資産を貯蓄から投資にシフトさせるべく、NISAの抜本的拡充・恒久化を検討するとともに、個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度改革を検討するとしている。
株式の譲渡益や配当金など金融商品から得られる所得に対する課税を強化しながら、一方では「国民の皆さん、投資してください」と呼びかけるのは違和感が残る。
「黄金の3年」を手にした岸田政権に財政再建派が増税を期待か
今回の経済対策には、高騰する電気代・ガス代などの負担軽減策を盛り込み、来年1月からの9カ月間で標準的な家庭の負担は4万5000円減になると試算されている。だが、消費税率が8%から10%にアップした際は、世帯年収にもよるが1世帯当たり年間3万〜6万円程度の負担増になると試算された。それも一時的ではなく、恒久的なものだ。
消費税は1989年に導入され、税率が3%から5%にアップされるまでに8年を要している。消費税導入時の首相、竹下登氏は直後にリクルート事件の影響もあって退陣。また、5%への税率引き上げを手掛けた橋本龍太郎首相(当時)も翌年の参院選惨敗を機に辞任に追い込まれている。政界で「消費税増税は鬼門」といわれるのはこのためで、5%から8%に引き上げられるまでには17年もかかった。
だが、安倍晋三内閣は14年4月に消費税を8%へ、19年10月には10%へと短期間に2度も税率を引き上げている。民主党最後の野田佳彦内閣時代に決まった社会保障・税一体改革に基づいた増税路線だったとはいえ、「安倍内閣の政権基盤が弱ければ絶対にやらなかった。長期政権になると思われたからこそ、与党も官僚も進めた増税だった」(全国紙政治部記者)というわけだ。
こうした観点からすれば、「黄金の3年」を手に入れたといわれる岸田政権に「財政再建派」が増税路線を歩むことを期待するのも無理はない。
ただ、岸田首相が率いる派閥「宏池会」(岸田派)は自民党の第4勢力にすぎず、最近のマスコミ各社による世論調査では内閣支持率が続落している。最大派閥を事実上率いて、保守系議員も束ねていた安倍氏とは「推進力」が大きく異なる。
約100万円の家計負担増につながる「ステルス負担増」の案まで
しかし、岸田政権は数々の増税議論とは別に、国民の負担増につながる手をやめる気はないようだ。政府の社会保障審議会は国民年金の保険料納付期間を現行の20歳以上60歳未満の40年間から、65歳になるまでの45年間に延長することを検討している。
実現すれば、5年間の延長によって約100万円の負担が増える計算だ。国民年金の納付額が増えれば受け取れる給付額も増えるが、支払額に見合ったリターンになるのかは不透明だ。
否定や棚上げしていた増税議論を選挙後に大展開したり、知らない間に負担増になる「ステルス負担増」を進めたりすることに国民はもっと怒るべきだろう。リスキリング(学び直し)や転職、副業の推奨で人々の収入を増やす支援策も進めるというが、税制改正に加えて、老後の生活を支える年金制度にもメスを入れるのでは国民の将来不安を招きかねない。
昨秋から人が変わったような政策を推進する岸田首相。次々と机上に並べられるメニューは日々の生活に頭を抱える国民に追い打ちをかけ、来春の統一地方選挙を控える与党系議員からは悲鳴の声が漏れる。
内閣支持率が「危険水域」に入る中、果たして首相は「消費税増税の鬼門」を突破できるのだろうか。
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