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※紙面抜粋
※文字起こし
露骨な「選挙バラマキ」(衆院本会議でキーウ訪問について報告する岸田首相=24日)/(C)日刊ゲンダイ
岸田自民党は、どこまで姑息なのか。「統一地方選」の前半戦が3月23日に告示された。投開票日は4月9日だ。
これまで国民生活を蔑ろにしてきたくせに、選挙直前、岸田政権が税金のバラマキを決定している。露骨な“選挙対策”である。打ち出したのは「物価対策」と「少子化対策」だ。総額2兆円という大盤振る舞いである。
「少子化対策」として、低所得の子育て世帯に子ども1人当たり5万円を給付。「物価対策」は、LPガスや電気料金の高騰対策として7000億円を用意し、さらに住民税非課税世帯に一律3万円を配るという。
「選挙対策」がミエミエなのは、統一地方選が告示される前日の22日、首相官邸で「物価・賃金・生活総合対策本部」を開き、“駆け込み”で2兆円の支出を決定していることだ。朝日新聞(24日付)によると、閣僚経験者は「選挙目的と言われようが、具体策を打って選挙に臨めるのが与党の強みだ」と開き直っているそうだ。
しかし、これほど国民をバカにした話はないのではないか。普段、国民生活など歯牙にもかけないのに、選挙となったら、景気よく有権者に税金をバラまくなんて許されるのか。わざわざ「LPガス」対策を入れたのも、地方に利用者が多く、「事業者の多くは地方の有力者だから」というのだから、ふざけるにも程があるというものだ。
もちろん、「少子化対策」も「物価高対策」も必要だろう。しかし、“選挙目当て”の弥縫策に、どこまで効果があるのか。
「少子化対策も物価高対策も、抜本策が必要なのに、自民党が打ち出しているのは一時的な対症療法ばかりです。はたして、低所得者が5万円をもらったからといって、もう一人、子どもを産もうと考えるでしょうか」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
「予備費」を使ってやりたい放題
しかも、2兆円の財源は、国会に諮ることなく、閣議決定だけで支出できる「予備費」を使うというのだから度し難い。
もし、本気で「少子化対策」と「物価高対策」を必要だと考えているなら、正々堂々、補正予算を組んで国会で成立させればいいではないか。日本国憲法も、政府が税金の使い方を勝手に決められないように、予算については、国会での事前の審議と決議を求めている。なぜ「予備費」を使うのか。
本来「予備費」は、災害対策費など、緊急に支出が必要になった時に使うものだ。新型コロナ前は、規模も年3000億〜5000億円程度だった。ところが、使い勝手のよさに味をしめた自民党政権は、額を膨らませ、22年度は9兆8600億円も計上している。どうせ最初から、税金を私物化し、統一地方選前にバラまくつもりだったのだろう。
いったい、岸田首相は、なにがやりたくて総理になったのか。やっていることは、どれもこれも目先の“選挙対策”ばかりではないか。
「岸田首相は1週間前の17日、唐突に記者会見を開き“子育て政策”を語っています。あれも、一種の選挙対策だったのでしょう。その一方、選挙に悪影響が出るからと、“LGBT理解増進法案”の党内議論を統一地方選後に先送りしている。性的少数者の利益よりも、選挙を優先してしまった。一事が万事、岸田自民党は、この調子です」(五十嵐仁氏=前出)
岸田自民党が「予備費」を財布にして、税金をバラまこうとしていることは、大新聞テレビも分かっているはずだ。なのに<統一地方選 子育て支援と物価高支援 争点>などと報じているのだから、どうしようもない。いまごろ自民党はニンマリしているのではないか。
もはや弥縫策ではどうにもならない
しかし、日本の少子化も国民生活の悪化も、もはや“選挙対策”の弥縫策ではどうにもならないレベルまで進んでしまったことは明らかだ。
とうとう、年間の出生数は80万人を割り込んでしまった。200万人を超えていた1970年代の半分以下である。このままでは、いずれ日本社会はもたなくなるだろう。
日本人の貧困化もどんどん進んでいる。いまや1人当たりの国民総生産は、OECD加盟38カ国中23位である。とっくに韓国に抜かれてしまった。
平均以下ということは、もはや、先進国とは言えないレベルだろう。
日本企業で世界の時価総額上位50社に名を連ねているのは、トヨタ1社だけである。
決定的なのは、“モノ作り”の力まで低下していることだ。国産ジェット旅客機の開発は頓挫し、H3ロケットの打ち上げも失敗。「技術大国日本」も、今は昔である。これでは、日本経済が再生するはずがない。
なのに、岸田自民党はいまだに弥縫策に終始しているのだから、話にならない。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「やはり、10年続いたアベノミクスの失敗が大きかった。深刻な少子化を招いた原因も、結局はアベノミクスの失敗です。トリクルダウンは起きず、収入が不安定な非正規労働者が増え、貧富の格差が拡大してしまった。国税庁の調査では、非正規の平均年収は198万円です。食べていくのがやっとで、将来不安が尽きないでしょうから、これでは結婚や出産を現実的に考えられるわけがありません。かつて1億総中流と言われた時代は、多くの国民が安心して結婚し、住宅ローンを組んで家を購入できた。不安なく子どもを産み育てることも可能でした。岸田首相は国民を貧しくするだけのアベノミクスから早く脱却すべきです」
解決策はハッキリしている
政府が今すぐにやるべきことはハッキリしている。少子化の解消に必要なのは、国民が「子どもを持てる」環境をつくることだ。優先すべきひとつは、「教育の無償化」だろう。子育てにかかる最大の出費は、大学や専門学校の学費だからだ。この負担をゼロにすれば、子どもを産む不安も軽くなるに違いない。欧州諸国ではとっくに導入されている。
先月20日、政府の「こども政策関係府省会議」に有識者として参加した京都大大学院の柴田悠准教授も、少子化解消の「即時策」として、高等教育費の軽減を提示していた。金額もさほど大きくない。高等教育を受けている全ての学生の学費を一律、年間53万円(国立大授業料相当分)免除するのに必要な追加予算は、年間たったの2.1兆円だそうだ。防衛費を巡っては年間5兆円もの増額を一瞬で決めたのだから、2兆円程度の学費免除策も、さほど難しくないはずである。
一方、手っ取り早い「物価高対策」は、消費税の廃止だ。岸田政権が決断すれば即座に物価は「1割引き」となる。
「消費税の廃止は、コスト増で青息吐息の中小企業の負担を軽減することにもつながり、景気を押し上げる効果も期待できます。中小企業の多くはコスト増加分を価格転嫁できず、従業員の賃上げに回す余裕がない。消費税がゼロになれば、賃上げに充てる余裕が生まれ、結果的に消費が増える可能性があります。安定財源を失う問題はありますが、政府が意味のないバラマキに執着し、インフレを抑えられないのであれば一時的な消費税凍結も選択肢に入るでしょう」(斎藤満氏=前出)
抜本策に着手せず、バラマキに終始している岸田政権には、選挙で鉄槌が必要だ。このままでは、国民生活は悪化するばかりだ。
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