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紙面抜粋
※2023年2月25日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
組織委の清算法人を家宅捜索する東京地検の係官ら(下)/(C)日刊ゲンダイ
どこまで甘い汁を吸っていたのか。次から次に明らかになる「東京五輪」のデタラメな税金の使われ方に、さすがに国民も怒り心頭だろう。
「特命随意件数 競争の1.5倍」──毎日新聞(23日付)のスクープ記事は驚きだ。五輪利権に群がった連中が、いかに“やりたい放題”だったのか、その一端が明らかにされている。
本来、国などが発注する事業は「競争入札」が大原則である。ところが、東京五輪ではイレギュラーである「特命随意契約」が、「競争入札」の1.5倍もあったというのだ。
2018〜21年度の「競争入札」が1626件.1812億円だったのに対し、「特命随意契約」は2432件.2199億円だったという。
「随意契約」は「競争入札」に比べて金額が高くなるが、それでも単純な「随意契約」は、複数社から見積もりを取る「相見積もり」が行われる。ところが「特命随意契約」は、発注側が特定の1社を指定するため、金額は業者の「言い値」となり、異常な高値になると指摘されている。業者がボロ儲けしたのは間違いない。
これほどバカな税金の使い方をしていたら、大会経費がバカ高くなるのも当たり前だ。招致時、大会組織委は経費を7300億円としていたのに、結局、1兆7000億円と2倍以上に膨らんでしまった。濡れ手で粟だった連中は、税金の私物化をどう考えていたのか。
東京地検が「談合」で摘発した事業も「特命随意契約」で行われていた。談合が行われた「テスト大会」の運営事業は、表向き「競争入札」だったが、談合でまんまと落札した広告大手「電通」などの9社は、そのまま「本大会」の運営業務を言い値の「特命随意契約」で受注している。金額は400億円だ。笑いが止まらなかったに違いない。
「要するに東京五輪は、特定の業者がボロ儲けするためのプロジェクトだったということです。当時、新型コロナの第4波が猛威を振るっていたのに、それでも強行開催したのは、五輪マフィアにとってビッグビジネスだったからでしょう。アスリートはカネ儲けの道具に過ぎなかった、ということです。しかも談合は、大会を運営する組織委の幹部が仕切っていたのだから異常です。さらに、贈賄でも組織委の理事が逮捕されている。恐らく、五輪マフィアの間では、モラルもなく、不正が横行していたのでしょう」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
どこが「平和の祭典」なのか。
「五輪はビジネス」を象徴する“赤い指南書”
もし、税金を私物化せず、まともに運営していたら、大会経費が7300億円から1兆7000億円に2倍以上に膨らむこともなかったのではないか。
五輪利権に群がった連中は「アスリートファースト」と口にしながら、最初から東京五輪を食い物にするつもりだった可能性が高い。
東京五輪は「電通五輪」とも称されていた。
本紙が入手した電通の社内向け資料〈Business Direction Book〉は仰天の内容だ。赤い表紙の手帳型の小冊子には、電通が五輪を支配すると言わんばかりの言葉がズラリ。
〈(五輪は)日本の成長のための「最高のきっかけ」←電通はそのすべてに関与すべきである〉と記され、〈世界中のあらゆる課題解決の依頼はすべて、まず電通に来ることになる〉と書かれている。この“赤い指南書”が社員に配布されたのは、招致決定直後の14年のことである。
さらに、朝日新聞によると、組織委が関連業務の発注を始める2年前の16年、「入札を有名無実化して電通の利益の最大化を図る」などと書かれた資料が作成され、電通社内で共有されていたという。
初めから稼ぐ気マンマンだったということだ。「東京五輪の大罪」などの著書がある作家の本間龍氏はこう言う。
「電通は、かねて行政や自民党に深く食い込み、仕事をとってきた歴史があります。民間企業でありながら、政治や行政と深く結びつくことで『権力』側と同じ“特権意識”が根付いてしまったのではないか。そんな電通に五輪の運営をほぼ丸投げしていたのだから、ビジネス最優先になるのも当然です」
組織委の理事だった高橋治之被告(78)が受け取ったとされるワイロは2億円、談合は400億円だった。大会経費は1兆7000億円である。逮捕者を出した2つの事件は氷山の一角に違いない。
“本丸”のゼネコンの利権は手付かずのまま
実際、五輪をネタに甘い汁を吸っていたのは、広告業界だけじゃない。政官財が国家プロジェクトに群がり、恩恵にあずかっていたのは間違いない。同じ穴のムジナである。
なのに、揃いも揃って頬かむりしているのだから、フザケるにもほどがあるというものだ。
開催都市のトップ、小池都知事に至っては、「仮に事実なら遺憾なこと」「損害賠償請求など適切な対応を行うよう強く働きかける」と他人事のような発言をしているから度し難い。
政府の立場にある永岡文科相も「国費が過大に支出されている場合は、返還を命じるなど厳正に対処していく」と被害者ヅラである。
大会期間中に五輪担当相だった丸川珠代参院議員や、組織委会長を務めた森元首相、組織委の事務総長だった武藤敏郎元財務事務次官も口を閉ざしている。なぜ、丸川は会見を開いて説明しないのか。
大会招致に絡む“裏金”疑惑でフランス司法当局の捜査対象となっている竹田恒和・JOC(日本オリンピック委員会)前会長も、ダンマリを決め込んだままだ。
永岡文科相は、「返還を命じる」とコメントしているが、平然と悪事を働いた連中は、カネの返還や謝罪で済まされるような話ではないのではないか。五輪利権に群がった連中は一網打尽と断罪が必要だろう。
五輪利権の“本丸”と目されるゼネコンの「開発利権」も手付かずのままだ。建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。
「五輪開催に伴って、都内では巨大な建設利権が生まれました。国立競技場周辺は大規模再開発事業が持ち上がり、臨海部は競技会場の建設ラッシュに沸いた。選手村については、都有地を格安で払い下げた問題が浮上しました。大手ゼネコンに“千載一遇”のビジネスチャンスが訪れたのは間違いありません。その陰に大物政治家をはじめ、有力者の名前が挙がっていた。かつてのような分かりやすい政治家と業界の癒着はほとんど見受けられませんが、より複雑で見えづらい癒着スキームが隠されている可能性があります」
今なお底なしの“闇”を抱えた東京五輪。一人残らず責任を取らせないと、国民の怒りが収まることはないだろう。
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