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日本は民主主義の本道を行け 平和を守ることこそが国是である 三枝成彰の中高年革命
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/317552
2023/01/21 日刊ゲンダイ
あの時代と変わらない思考回路(C)DPA/共同通信イメージズ
保阪正康氏の著書「歴史が暗転するとき」によれば、ナチスが旧ソ連領土内で殺した人数はおよそ2600万人にのぼるそうだ。
ヒトラーは前線の兵士たちに現在の覚醒剤にあたる薬物「メタンフェタミン」を投与し、“眠らない軍隊”“死を恐れない軍隊”に仕立てて電撃作戦に投入し、虐殺を繰り返させた。
一方でスターリンは、ロシア革命の盟友のレーニンからも「あまりに粗暴である。この欠点は共産主義者のあいだのつきあいでは許容できるが、書記長としては許容できない」と評されていた。
ヒトラーはユダヤ人やロマ、スラブ人、思想犯や宗教者、戦争捕虜などを1000万人以上殺した。スターリンが反乱分子として粛清した人も1000万人はいるという。わずか78年前に、そのような非道が行われていたのだ。プーチンはいまだにあの時代そのままの思考回路で、ウクライナへの侵攻を続けている。
現在、ロシア、中国、そしてアメリカの3つの“帝国”が衰退を始めている。“アメリカ帝国”と同盟関係にある日本にも、これから行く道を再考すべき時がきている。
日本政府は防衛費を増やして「強い国」になることを決めたが、そこに至るまで国民も含めた議論が交わされることは全くなかった。防衛費にしろ、原発の再稼働にしろ、最近、国民の命を左右しかねない重要問題がほとんど国会の場でも議論されず、あたかも首相の“専権事項”のように処理されていく。
何事も官邸主導による閣議決定で決まるなら国会は形骸化・空洞化を避けられない。代議士たちも国民の信頼を失い、私たちの“代表”ではいられなくなる。
国のリーダーによるトップダウンを否定はしない。だが、政治家はよほど自制して良識をもって動かないと、ただの暴君に成り下がってしまう。
ウクライナの徹底抗戦を“英断”であるかのように称賛する人は多い。だが、待ってほしい。幾多の国民の命と、ロシアに奪われた土地の奪還とを、天秤にかけられるのか。国民の命を守る以上に大切なことなどあるのか。ロシア人は伝統的に、「血を流して奪った領土は返さない」という考えで動く。その土地を取り返すには、また同じだけの血が流れることになるのだ。
私が生まれた1942年、日本は「鬼畜米英」一色だった。しかし、敗戦の翌日から「アメリカ大好き」に変わった。時代は移り変わる。今日の「正義」が明日は「正義」でなくなることもある。戦争で亡くなった方々には本当に気の毒だが、彼らが命をかけて守ることを強いられた日本の「正義」は、負けたとたんに全く違うものに変わってしまった。
ウクライナも同様だ。「正義」を押し通すことより、とにかく早々に戦闘を終結させるべきだ。今は敵対しているロシアも、この先はどうなるかわからない。すべては時が解決してくれる。
日本総研会長で多摩大学長の寺島実郎氏がある取材で、「日本はアジア諸国の中でも特異な存在だ」と述べていた。この120年、“アングロサクソン同盟”である米英と同盟を結ぶことで永らえてきたのだと。そして「今年の日本はアフリカ、中南米、アジア、中東諸国との関係を深めることが重要」と説く。
日本は、無益な戦争賛美の国際世論に同調する必要はない。今こそ政治家は民のための政治を行い、民主主義の本道を歩むことだ。平和を守ることこそが日本の国是であると、国際社会に知らしめるべきなのである。
三枝成彰 作曲家
1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。
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