http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/111.html
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日経新聞が、無料の記事を掲載するときは、中身がどんなものか、おおよその想像がつく。
今回取り上げる本記事も、そういう視点で読むと、興味深い。
国家権力が行う「世論誘導」、「世論形成」は、こういう形でも行われると気付かされる。
ステルスプロパガンダとでも表現できようか。
どこからか出るかは想像するしかないが、経済的見返りは「しっかり」得ているのではないか。
そうでなければ、無料記事にする理由が分からない。
余談はこのくらいにして、以下、記事から箇条書き的に抜粋し、都度、私の考えるところを書き記したい。。
(記事全体の文脈は、下記URLに飛んで、記事そのもので確認願いたい。)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA204GF0Q2A221C2000000/
・「立憲民主党は20日の党会合で「外交・安全保障戦略の方向性」を決めた。ミサイルの長射程化など能力向上は必要だと明記した。」とある。
ミサイルの長射程を云々するが、中国、北朝鮮、ロシア等々、その領土まで届く長射程は必要ない。
「日本島しょ部などへの軍事的侵攻を抑止し、排除するため」としているのだから・・・。
日本の領土、領空、領海の外縁まで届けばよいということになる。
隣国の領土まで届く、そんな長射程のミサイルを保有することは、「専守防衛の理念」に反するし、近隣諸国に対しては、これまでの「専守防衛」という防衛方針を、かなぐり捨てたというメッセージになるだろう。
「専守防衛」の放棄。
このことは、近隣諸国にとっては、極めて重大な関心事となるに違いない。
日本のこの動きを、どう判断するかは、日本側がするのではなく、近隣諸国の主観に委ねるしかないことを忘れてはならない。
・「反撃能力は「自民党、公明党合意に基づく政府の反撃能力には賛同できない」と記した。」
・「政府が想定している「相手が攻撃に着手した段階の行使」に反対した。」
とも書かれている。
ここで、少し頭の体操のために、想像力を働かせてみよう。
戦争は、このようにして始まる・・・。
日本が、不穏な動きを示す「仮想敵」の動きを逐一監視する。
当然、「仮想敵」も日本の不穏な動きを監視しているはずだ。
日本が、仮想敵の動きを「相手が攻撃に着手した」と主観的に判断して、反撃能力の行使に着手し、かねてからの訓練通りの行動をし、速やかに準備を整える。
それを監視していた「仮想敵」は、「日本が攻撃に着手した」と主観的に判断し、ミサイルの発射ボタンを押す。
日本も遅れをとってはならないと、「敵基地攻撃能力(反撃力)」の発射ボタンを押す。
一瞬早く相手国がボタンを押した。
しかし、日本は、そのことを非難出来ない。
何故なら、日本政府は「相手が攻撃に着手した段階で、保有する敵基地攻撃能力を行使できる」と世界に向けて発信している訳だから。
自国が認める屁理屈は、当然、他国にも認めなければならない。
このことは、今後、取り消しはきかないだろうし、取り返しもつかない・・・。
誤解を与えたとしたら訂正します、などと言っても、国際社会では、いまさらと、嘲笑されるばかりだ。
とんでもないことを、してくれたものだ。
さらに想像力を働かせてみよう・・・。
日本は、未だ敵国条項の対象国に載ったままだ。
従って、近隣諸国が、「日本が再び侵略行為を働く兆候を見せている」と、主観的に判断すれば、宣戦布告なしで、日本に対して武力で制裁を加えることが認められている。
この場合は、日本は「世界の敵」「国連の敵」となり、さすがの米国も「日本」を支援することは躊躇するだろう。
一方、日本は、憲法で戦争を放棄しているから、「仮想敵」に対して「宣戦布告」は出来ない。
つまるところ、日本の攻撃は、「反撃」と言っても、所詮は「宣戦布告」の無い、「奇襲」であり、「リメンバーパールハーバー」の合唱に押しつぶされる。
そして国際世論は、日本=悪魔、残虐な民族、となってしまうのだろう。
結論的には、日本は他国の領土で武力行使は出来ないということになる。
他国の領土にミサイルを撃ち込んだ瞬間に、日本が侵略戦争を始めたと、世界中から糾弾されるのが落ちだ。
日本国憲法も、そのことは厳に禁じているではないか。
・「米国など日本と密接な関係を持つ国・地域が攻撃され日本の存立が脅かされる「存立危機事態」になっても、集団的自衛権としての行使を認めないとの見解で一致した。」
・「長射程ミサイルに関しては反撃能力の具体的な手段になる。立民は今回、能力の保有の是非と書き分けた。ミサイル能力の向上の目的は「日本島しょ部などへの軍事的侵攻を抑止し、排除するため」と強調した。」
・「そのうえで反撃能力の保有に「政策的な必要性と合理性を満たし、憲法に基づく専守防衛と適合するものでなければならない」と条件をつけ、一部容認した。」
このあたりになると、なにやら怪しげな雰囲気になってしまう。
集団的自衛権としての行使を認めない、と言い切っていることは評価できる。
しかし、「反撃能力」に関しては腰が定まっていないことが、見え見えで、これでは、政府、自民党に付け入る隙を与えてしまうだろう。
・「玄葉光一郎党ネクスト外務・安全保障相が党内の議論を主導した。玄葉氏は会合後、記者団に「必ずしも保有、行使一般を否定しているものではない」と語った。」とある。
立憲民主党には、必ず、このように党内の乱れを公言し、足を引っ張る人間が現れる。
反撃能力の保有で党内を纏められず、逆に「賛同できない」と言わしめてしまった。
その負け惜しみが、「必ずしも保有、行使一般を否定しているものではない」と記者団に向かって敢えて言わしめるのだろう。
それを、日経新聞は、目ざとく取り上げる。
言ってみれば、絶妙の連係プレーとも言えよう。
・「▼反撃能力 相手のミサイル発射拠点などをたたく能力を指す。政府は相手が攻撃に着手した段階で行使できると想定する。「敵基地攻撃能力」とも呼ばれてきたもの」
・「笹川平和財団上席研究員・渡部恒雄氏が言う。」
・「立憲民主党が容認したミサイルの長射程化は結果的に反撃能力の保持にもつながる。反撃能力は政府の方針は認めないものの、野党として現実路線を打ち出したことは画期的で評価できる。」と
笹川財団に評価されるって、それはあっち側に阿り、擦り寄って行ったということの証ではないか。
何をやってるんだか・・・。
抑止力として「敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有」することは、憲法に違反するという認識に立つことが大前提ではないか。
憲法9条では、
1項
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
と明記されている。
「敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有」することは、相手を「武力により威嚇する」ことであり、「抑止力」と言う以上、相手に対して「敵基地攻撃能力(反撃能力)を行使すると表明することになる。
どのように屁理屈を言おうと、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
と記した憲法に違反する。
憲法では、「永久に・・・」と強い言葉で禁じている。
立憲民主党の方針は、ぎりぎりのところで、「専守防衛の理念」を守ったように見えるが・・・。
今後の動き次第では、「危うさ」は否定できない。
玄葉氏は、「必ずしも保有、行使一般を否定しているものではない」と語り、
笹川平和財団上席研究員・渡部恒雄氏には、
「立憲民主党が容認したミサイルの長射程化は結果的に反撃能力の保持にもつながる。反撃能力は政府の方針は認めないものの、野党として現実路線を打ち出したことは画期的で評価できる。」
と言われ、
日経新聞に、「反撃能力一部容認」と書かれるようでは。
なんとも、心もとない。
立憲民主党の姿勢が、これまでと同様、「曖昧」だということを示している。
そして、その「曖昧さ」は、政府、自民党に、いいように利用されている。
さらに言えば、この「曖昧さ」が、立憲民主党の「分かりづらさ」であり、支持率低迷の一因でもあるのだろう。
「自民党、公明党合意に基づく政府の反撃能力には賛同できない」・・・ではなく、
毅然とした態度で、
「反撃能力の保有」には、絶対「反対!」だ。・・・だろう。
私も、「反撃能力の保有」には、じぇったい「反対!」だ。
だいたい、憲法に違反してるし・・・。
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