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増税した途端…安倍政権“海外バラマキ”累計「60兆円」突破
日刊ゲンダイ 2019/11/06
「国民目線」からはほど遠い決断だ。10月の消費増税は「税と社会保障の一体改革」の名の下に、税収を社会保障の安定財源に充てる名目にしていたが、直近で安倍首相が決めたのは、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国への「出資倍増」だった。庶民に痛みを強いる消費増税実施直後のタイミングでの“海外バラマキ”に批判の声が続出するのは時間の問題だ。
ASEAN首脳会議でタイを訪れていた安倍首相は日本時間の4日夜、外務省所管の国際協力機構(JICA)への出資を今後倍増させ、ASEAN諸国のインフラ開発などを支援していく方針を表明。この発言に対し、SNSなどでは〈また、外国にばら撒きかよ〉〈諸外国に出す金があるなら、(消費税を)増税するなよ〉〈途上国の外国人よりも、氷河期の日本人を支援すべき〉といった批判の声が相次いだ。
そりゃあそうだろう。第2次政権が発足した2012年以降、安倍政権は海外諸国にドヤ顔でカネをばらまき続けているからだ。
昨年1月26日の参院本会議の代表質問で、社民党の福島瑞穂議員は〈総理が表明した(海外への支援)額を機械的に加算した場合、円借款や一部重複部分を含め54兆3621億円になるという回答が(外務省から)あった〉と指摘。〈社会保障を削って、なぜこの大盤振る舞いなのですか〉と追及すると、安倍首相は〈54兆3621億円は、民間資金と重複計算により額が膨大に膨らんでおり、極めて誤解を招く数字〉とムキになって反論。〈(本来の総額は)2兆8500億円〉とか言っていたが、その詳細な内訳はいまだに分からずじまいだ。
■パナマのモノレールやバングラデシュの鉄道に数千億円
このやりとり以降も、安倍政権は平然と“海外バラマキ”を継続。18年4月、過激派組織「イスラム国」との戦闘終結後のイラク復興支援名目で、同国の上水道整備などのために約350億円の円借款供与を決定したほか、同年10月には、インドの高速鉄道計画などに3000億円強、さらに今年4月にはパナマ首都圏のモノレール建設事業を巡り、約2810億円の円借款を決めた。そして5月末は、バングラデシュの鉄道や商業港建設に関連し、1300億円規模の円借款を約束するなど、ざっと取り上げた大型案件だけでも、バラマキ金額は約7500億円にも上る。総額でいえば、ざっと55兆円を突破している計算だ。
さらに言えば、昨年末に閣議決定した19〜23年度「中期防衛力整備計画」に基づくステルス戦闘機の“爆買い”だって、トランプ大統領の要求に屈した安倍首相の米国への巨額な“バラマキ”に等しい。1機116億円とされる戦闘機を147機購入する計画で、維持費を含めると日本の支出額は約6兆2000億円。つまり、バラマキ総額は実に60兆円を超えているのだ。
「海外支援に資金を支出することは重要なことかもしれません。しかし、政府はこれまで多額の出資をし、どれだけの成果を上げてきたのかが全く見えない。安倍首相は、大枚をはたいて各国首脳を味方につけたかのような気分に浸っているだけではないか。給料が上がらない中、消費増税に苦しむ国民が多いのに、海外へのバラマキに税を費やしている場合ではないはずです」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
消費増税した途端に海外にカネをばらまき始めるというのは、もはや、宰相としても政治家としても、マトモな頭じゃない。これじゃあ、いくら増税してもキリがないだろう。「カップ麺が1個400円」などと国会答弁で平気で言ってのけるバカ者だらけの政権にこれ以上、税金を使わせたら国が滅ぶ。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/264293
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