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https://www.yomiuri.co.jp/politics/20221122-OYT1T50164/
記事によれば、
「・・・報告書は、厳しい安全保障環境を踏まえ、「5年以内に防衛力を抜本的に強化しなければならない」と強調した。自衛目的で相手のミサイル発射拠点などを破壊する「反撃能力」について、「保有と増強が抑止力の維持・向上のために不可欠だ」とした。・・・」
・・・・・
「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」のメンバーはどんな人たちなのだろうか。
国の安全保障、防衛には詳しい人達が集められたはずだ。
間違っても、非武装を主張する人は、いないだろう。
それだけで、メンバーが恣意的に集められており、出来レースの茶番であることを証明している。
有識者会議報告書は言う、
「・・・自衛目的で相手のミサイル発射拠点などを破壊する「反撃能力」について、「保有と増強が抑止力の維持・向上のために不可欠だ・・・」
ここでも金科玉条の様に「自衛目的で・・・」という魔法の言葉が行けられている。
まるで、自衛のためなら、何でも許されると言わんばかりではないか。
先の大東亜戦争も、日本は、すべての局面で、「自衛のため」を口実に、侵略戦争を拡大していった史実を忘れてはならないのではないのか。
「抑止力」と言えば、あるいは「反撃能力」と言えば、先制攻撃ではないから、侵略戦争に非ず、したがって、憲法に違反しないとでも言いたげだが・・・。
そのことは、確信犯的に誤りを犯していると、断罪しなければならない。
この阿修羅掲示板でも、何度か書き込みをしたが、このことは何度でも取り上げるつもりだ。
今回の報告書でも、「敵基地攻撃能力の保有」とか、自衛目的で相手のミサイル発射拠点などを破壊する「反撃能力」などということが、抑止力という方便のもとで、叫ばれている。
彼らの言う「抑止力」とは何なのか?
一般に、抑止とは、「相手が攻撃してきた場合、軍事的な対応を行って損害を与える姿勢を示すことで攻撃そのものを思いとどまらせる」軍事力の役割とされる。
抑止が機能するためには、抑止する側に、軍事的対応を実行する意図と能力があり、かつ、それが相手に正しく認識されることが必要であるとされる。
安全保障の分野では「拒否的抑止」と「懲罰的抑止」の2種類に分けて議論される。
今回集められた有識者たちにとっては、そのことは既に常識であるはずだ。
「拒否的抑止」は相手の攻撃を物理的に阻止する十分な能力を持ち、目的を達成できないと思わせて攻撃を断念させる。ミサイル防衛システムなどがこれにあたる。
「懲罰的抑止」は攻撃されたら相手に耐えがたい打撃を与えると威嚇し、反撃を受けるコストが大きいと思わせて断念させる。
「敵基地攻撃能力の保有」とか、自衛目的で相手のミサイル発射拠点などを破壊する「反撃能力」などということが、抑止力という方便の下で語られるとき、そこで言う抑止力とは、先の分類に従うと、「懲罰的抑止」に違いない。
懲罰的抑止を成立させるためには、@相手に対する(堪え難い)報復能力の保持、A相手に対する報復意思の明示、B相手が@Aを理解すること、という3条件を満たすことが必要となる。
ここで、日本国憲法の9条を思い起こしてみよう。
「第9条 」
1項
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。
改めて言うこともないが、日本は、戦争を放棄すると同時に、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と誓った。
「懲罰的抑止」は攻撃されたら相手に耐えがたい打撃を与えると威嚇し、そのための報復能力を保持し、相手に対する報復意思の明示することで、武力の行使を表明するものでしかない。
明らかに、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という憲法9条に違反するものでしかない。
しかも「永久に・・・」としているから、これを変えることは出来ないことも自明だ。
日本は、常に国際紛争を起こさないように、不断の「外交努力」を全力で実行することが求められている。
それが、日本国憲法を定めた、主権者たる日本国民の求めるものだ。
外交の努力も叶わず、武力による侵害を受けるこという不安が払拭できない場合においても、日本において検討すべき「抑止力」は、「拒否的抑止」の範囲を逸脱することは許されない。
「懲罰的抑止」の議論は、際限のない、「軍拡競争」の議論を、言い換えたに過ぎない。
その軍拡競争のために、その財源を、「・・・国民全体で負担することを視野に入れなければならない・・・」。と言って恥じることもない。
まさに、「いつか来た道」ではないか。
とんでもないと言うしかない。
念のために確認しておく必要がありそうだ。
日本国憲法前文には、次のような言葉が記されている。
「・・・われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。・・・」
いかなる法令も、憲法に違反するものは、その効力を持たない。
これもまた、自明ではないか。
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