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※2022年10月28日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年10月28日 日刊ゲンダイ2面
【最後は国民に付け回し】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 28, 2022
いきなり数兆円上積み バラマキ総合経済対策のドンブリ勘定
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/rGrlnTfEPu
※文字起こし
岸田首相が28日に満を持して発表する総合経済対策。あれよあれよという間にどんどん金額が膨れ上がり、一般会計から歳出される国費で29兆円超という異例の大型対策となった。究極のバラマキである。
9月に閣議決定した物価高騰対策は2.6兆円だった。それが10倍以上。自民党の茂木幹事長が24日の講演で「大規模で総合的な対策を策定する。(2.6兆円と)ちょうど1ケタ異なる」と漏らした際にギョッとしたが、26日の自民党の会議で「財務省が示す25兆円じゃ足りない。去年より少ない」との声がさらに噴出。昨年11月の補正予算31兆円超に匹敵する額に近づくよう、同日夜に岸田が鈴木財務相に積み増しを指示したという。で、閣議決定前日の27日、いきなりポンと4兆円が上乗せされた。驚くべきドンブリ勘定。「使い道が決まらなきゃ、予備費に置いておけ」という毎度の手法で増額されたのだった。
メニューに並ぶのは、新たに導入される電気・都市ガスの価格抑制策。ガソリン価格抑制の補助金も継続する。標準世帯の光熱費・ガソリン代負担を来年の1〜9月ごろまでで4万5000円削減するという。出産・子育て支援として、妊娠届と出生届の提出時に計10万円相当を支給。中小企業支援策では、円安の利点を生かして海外展開を目指す1万社を後押し。賃上げ策として学び直し(リスキリング)など「人への投資」に5年間1兆円、などとなっている。
「結局、量ありき。この20〜30年、何も変わりませんね」と言うのは、元経産官僚の古賀茂明氏だ。こう続ける。
「僕が霞が関で予算を担当していた頃からそうですが、量ありきなので『30兆円積み上げろ』と言われても使い道がない。で、本予算に盛り込もうとしたものの“スジ悪”だからとはじかれた2軍3軍メニューが、補正予算でオンパレードとなるのです。『需給ギャップを埋めるためならドブに捨ててもいい』とやってきて、新しい産業が育つわけでも、ピカピカの企業が登場することもなく、ただのバラマキと本当にドブに捨てるような予算に費やしてきたのがこの30年間でした。それを、未曽有の危機という今の時代に対応することなく、十年一日のごとく繰り返す。あまりにバカげています。一方で、一丁目一番地の『人への投資』は金額が少なすぎる。5年間で1兆円は、昨年度の3年間4000億円をほんの少し増額しただけ。こんなシャビーな額では、職業訓練コースで修了証を出し、講座の提供会社や従業員を訓練に送った会社に補助金を出す程度でおしまいです。産業を革新するようなスキルアップにはなりません」
いざとなれば解散総選挙。有権者を釣る“まき餌”
規模ありきだから、財源なんて念頭にない。大半は赤字国債でまかなう。財政法で本来は禁止されている赤字国債だが、毎年の“特例法”が常態化し、「経済対策」の名の下に、財政悪化なんてくそくらえ、とばかりに岸田政権と自民党は完全にマヒしてしまっている。1000兆円に積み上がった借金のツケを払わされるのは国民である。
黒田日銀に円安容認の金融緩和を続けさせる一方で、円安対策に巨額のバラマキという倒錯。その原資もまた、日銀に国債を引き受けさせることでつくり出す。事実上の「財政ファイナンス」の恒常化だ。そうやって、経済対策の財源を目くらましする間に、悪辣政権が何をしているかといえば、高齢者の負担を増大させる社会保障改悪のオンパレード。つい最近も、65歳以上が負担する介護保険料について、一定以上の所得がある人について保険料の引き上げの検討が始まったと報じられた。さらに、75歳以上が対象の後期高齢者医療についても、厚労省は負担額引き上げの見直しを目指すという。
「一体、誰のカネだと思っているのか。国民の血税を政府が使わせてもらっているという意識がなさすぎます」
経済評論家の斎藤満氏は憤りを込めて、こう続ける。
「財政政策は、富める者から弱者への所得の再配分です。今回の経済対策は、そこから逸脱した税の使い方。使用料に応じた電気代抑制策はまだしも、今年出産する人にだけ10万円というのは不公平です。とにかく予備費に積んでおくというのも本来の財政政策の趣旨から外れています。金額の規模にしても、GDPギャップ(需給ギャップ)の穴埋めはひとつの考え方ですが、だとしても14兆〜15兆程度が基準。29兆円はその倍で、経済理論から見ても大きすぎる。当初は『物価高対策をまとめる』と言っていたはずが、いつのまにか『総合経済対策』にすり替わった。おそらく岸田首相の目的が変わったのでしょう。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題などで岸田政権は国会で立ち往生し、ここへきて、寺田総務相の事務所費スキャンダルなども浮上。内閣支持率は30%を割り込む危険水域に低落した。『もう岸田首相じゃダメ』という空気にいつなってもおかしくない。そこで、政権にしがみつきたい岸田首相は、『いざとなれば解散総選挙』とばかりに、経済対策を有権者を釣る“まき餌”にしようと思っているのではないか。そのための大盤振る舞い。選挙に勝利すれば、さまざまな問題をすべてご破算にできますからね」
自民党内を抑えるための哲学なき身勝手
支離滅裂の場当たりは支持率急落政権のダッチロールなのか。
総合経済対策の規模が一夜にして4兆円も増額された舞台裏は醜悪の極みだ。報道によれば、岸田が財務大臣に金額の積み増しを指示したのは、自民党の萩生田政調会長の増額要求があったからだという。
背景にあるのは、経済・財政政策を巡る自民党内の路線対立だ。萩生田や、今回の経済対策について「30兆円が発射台」と訴えた世耕参院幹事長は、「積極財政」の旗振り役だった安倍元首相の側近。岸田が領袖を務める宏池会は伝統的に「財政再建」を重視しており、萩生田や世耕は「安倍路線」からの転換に警戒感を示す。
そんな中で、統一教会とズブズブの山際前経済再生相の更迭が後手に回り、首相が国会の本会議場で謝罪するという異例の事態を招いた。総合経済対策がまとまる直前の司令塔交代、その経済対策の補正予算案の国会提出が会期途中にずれ込むなど、岸田の政権運営に対して与党の不満がどんどん膨張している。そこで、与党の増額要求をのむことで、党内の不満を鎮めようとした、というのである。
だとすると、巨額対策はジリ貧岸田が対有権者、対自民党で反転攻勢するための税金私物化じゃないか。そんなことが許されるのか。
この先、年末までに「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定がある。政府は来年度の防衛予算を6.5兆円に増額する方針だ。その後も毎年引き上げて、5年後の2027年度には10.8兆円とし、対GDP比2%を達成するという。防衛費だけは「別枠」。それもひとまず赤字国債でまかなわれ、その後は大増税だろう。
「経済対策は量ありきで積み上げ、同時に防衛費を増額してきた安倍政権と何ひとつ変わっていません。『新しい資本主義』とは何だったのか。政府税調では電気自動車に課税する案が語られ、再生エネルギーよりも原発推進を加速させる。岸田政権には何の哲学もないことがよく分かりました」(古賀茂明氏=前出)
デタラメ、身勝手、泥縄……。そして最後は国民に付け回しの亡国政治。国民はこのまま唯々諾々と従い続けるのか。
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