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旧統一教会関連組織のパンフに名前が載った「メディア人」の実名
https://friday.kodansha.co.jp/article/271387
2022年10月25日 FRIDAYデジタル
『Think Tank 2022』のパンフレット。オールカラーで71ページもの厚さがある
「麻生太郎副総裁が日本を代表して我々の活動に賛同してくれている」
本誌「FRIDAY」が「麻生太郎 韓鶴子主宰の「旧統一教会関連組織」への“所属疑惑”」(2022年10月14日号)と題し、麻生氏と旧統一教会の友好団体「UPF(天宙平和連合)」の関係について報じたのは今年10月のこと。旧統一教会の韓国人幹部から入手したUPFのパンフレット(ハングル版)に、麻生氏の名前が記されていたことを指摘したものだ。
実は、このパンフレットに名前があるのは麻生氏だけではない。自民党関係者やメディア関係者の名前も複数掲載されている。
UPFとは、旧統一教会系のNGOのこと。05年、故・文鮮明と妻の韓鶴子総裁によって創設された団体で、安倍晋三元首相がビデオメッセージを送った団体と言った方がわかりやすいかもしれない。UPFの活動資金の一部は、旧統一教会からの寄付であり、信者からの献金で賄われている。
そのUPFが「Think Tank 2022」なるグループを立ち上げたのは昨年だ。同組織は、韓鶴子総裁をリーダーとして、政治、経済、学術、宗教、メディア、芸術などの分野から、2000人以上の専門家が集まって組織された国際的なネットワークだという。
「Think Tank 2022」は、世界平和頂上連合(ISCP)、世界平和議員連合(IAAP)、国際平和学術協会(IAAP)、国際平和言論人協会(IMAP)、世界平和芸術人連合(IAACP)など、複数の専門分野に分かれている。
本誌が入手した「Think Tank 2022」の活動を紹介する冒頭のパンフレットの巻末には、国や地域別に、各分野に属する人物の名が記された「リスト」が掲載されており、その中で「Japan」と書かれた欄には、日本で1人だけ、麻生氏が世界平和正常連合(ISCP)に属していることが記されていた。さらに麻生氏は、国際平和言論人協会(IMAP)にも名前があることから、「Think Tank 2022」の2つの組織を“兼務”していることになっていた。
当時、本誌の取材に麻生事務所は、「その団体もパンフレットも知りません」と回答。「抗議や削除要請を行わないのか」と聞くと「削除してほしい気持ちはある」とだけ答えている。
20名以上の政治家、メディア関係者の実名が
実は、このリストの「Japan」の欄には、麻生氏の他にも、20名以上の名が記されているのだ。その主な人物は、自民党の元官房長官・河村建夫氏、元副幹事長・長尾敬氏、元副幹事長・柳本卓治氏、元衆院議員・宇野治氏などの政治関係者。さらに、「コリア・レポート」編集長・辺真一氏、元毎日新聞ソウル支局長や元産経新聞ソウル支局長、統一日報論説委員など、メディア関係者の名前も散見されるのである。
一体、彼らとUPFはどのような関係なのか――。
河村氏の事務所はこう文書で回答した。
「日韓トンネル推進全国会議の結成大会に対し、ビデオメッセージを送ったことがあります。これは、日韓関係友好を推進する立場のものとして、日韓友好に資する事業に賛同し送ったものです。旧統一教会及びUPFの活動に対し賛同した認識はないため、なぜ(パンフレットに)名前が掲載されることになったのか、経緯を確認します」
長尾氏はメールで「関係団体との接点はありました。その内容については、現在発売中の月刊Hanada 11月号に寄稿しておりますので、そちらをご参照ください」と回答。同誌では、UPFの付属機関である平和大使協議会の「平和大使」も務めており、世界平和の実現などを掲げて活動する同団体への協力を拒む理由は見当たらない、などと記されていた。
宇野氏は締め切りまでに回答はなく、柳本氏は、秘書が「本人が『回答はしない』と申しております」と答えた。
パンフレットの中身。「Taro Aso」の他に、多くの政治家やメディア関係者の名前が載っている
※誌面クリック拡大
一方、メディア関係者はどうか。
「コリア・レポート」の辺真一氏は、名前が載っていたことは「知らなかった」と話したうえで、「心当たりがある」と答えた。
「2014年頃に、『在日の涙』という本を出し、その中で、日韓海底トンネルの話を書きました。領土問題を解決するには、イギリス・フランスのように、海底トンネルで結ぶことによって領土問題を軽減できるというのが私の持論です。関連する講演をしたこともありますので、旧統一教会としては、日韓海底トンネルの共鳴者として私のことをとらえていたのではないでしょうか。本人の承諾もなく勝手に名前を使うというのは、あるまじき行為だと思います。ふざけた話です。よく情報を知らせてくれました」
産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏は、自身の名前が載っていることを「知らなかった」とし、旧統一教会の信者とは取材上の付き合いがあると答えた。
「これまで旧統一教会系の団体、雑誌への寄稿や講演とか、そういうのはありました。日韓トンネルのセミナーに呼ばれたこともあります。しかし、だからと言って『俺は利用された』とか『けしからん』とする(抗議する)こと自体が、彼らの宣伝になることもあるような気がします。(今後、寄稿や講演を依頼されたら)今の日本の社会的状況・世論は、勘案せざるを得ません。そうなると、自粛、遠慮ということになると思います」
元毎日新聞ソウル支局長の長田達治氏は「自分の名前が載っているとは知りませんでした。もし載っているとすれば、平和政策研究所の方から行ったのかなと思います」と話した。長田氏は以前、「一般社団法人 平和政策研究所」という団体から招待状を貰い講演を聞きに行ったことがあるという。その後「世界平和研究」という雑誌が送られてきて、その発行元が旧統一教会の関連団体の「世界平和教授アカデミー」だったと話す。
「我々の活動に賛同してくれている」
ただ、こうした会合には、読売や日経などの記者も参加していたようだが、同パンフレットに、彼らの名はない。
また「旧統一教会とは一切関係がない」とする統一日報論説委員のヒュン・ホン氏はこう話す。
「何年か前、場所は覚えていませんがUPFの大きな会合を取材しに行ったことがあると思います。私は他の日本の団体でも、取材先で名刺を交換したら、(許可もなく)名前を使われたことがあります。だから、そういうことでいちいち反応(抗議)しません」
一部の人を除き、UPFの活動に賛同していない者の名前を勝手にパンフレットに載せるなどということがあるのだろうか。掲載許可の有無や経緯についてUPFの韓国事務所に取材を申し込んだが、締め切りまでに回答はなかった。
冒頭の韓国人幹部はこう話す。
「ここに書かれているように、日本の著名人も我々の活動に賛同してくれているのです」
果たしてどちらの話が正しいのか。リストの中に日本の著名人がズラリと並んだ同パンフレットは、今も韓国国内で信者などに配布されており、UPFの「権威付け」や「お墨付き」に利用されていることだけは確かだ。
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麻生太郎 韓鶴子主宰の「旧統一教会関連組織」への“所属疑惑” 自民党の調査では名前があがっていなかったが……(FRIDAY)
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