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※2022年10月12日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年10月12日 日刊ゲンダイ2面
【報復連鎖の泥沼化】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 12, 2022
狂ったプーチン、世界はどう出る?
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/Q021u2MEsJ
※文字起こし
このまま報復の連鎖で泥沼化となるのか。
8日に起きたロシア本土とクリミア半島を結ぶ「クリミア大橋」の爆破。これをウクライナによる「テロ」と決めつけたロシアのプーチン大統領がウクライナ全土を攻撃し、欧米が一斉に非難した。G7は日本時間の昨夜9時にオンラインで緊急の首脳会合を開き、ウクライナに対して必要な限り財政や人道、軍事面などでの支援を続けていくことを確認した。
ロシア軍の攻撃は10日、11日の2日連続で行われ、10日は、20都市以上に84発のミサイルが撃ち込まれた。首都キーウでは大統領府から約1キロの地点に着弾。公園の子供の遊具近くへの着弾も確認され、120人以上の死傷者が出ている。11日も複数都市が攻撃され、ほぼ全土に空襲警報が発令された。キーウでは各国大使館が再開されるなど日常が戻っていただけに、不意を突かれた形だ。
ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長が「対抗措置はテロリスト本人たちの壊滅になる可能性がある」と報復攻撃を“予告”していたが、これを受け、ウクライナ保安局はメドベージェフを指名手配。ロシアとウクライナ双方の対立はエスカレートの一途である。
米国のバイデン大統領は10日、「プーチンに残虐行為と戦争犯罪の責任を負わせ、侵略の代償を払わせる」と声明を発表。ゼレンスキーとの電話会談で、高性能防空システムを含む軍事支援を継続することを確約している。
キューバ危機以来の綱渡り
プーチンがウクライナ東部・南部の4州併合を早め、ロシア国民の反発を呼ぶ「部分的動員令」に踏み切らざるを得なくなったのは、ウクライナが反転攻勢に転じて次々と領土を奪還するなど、ロシアが追い詰められているからだ。
欧米から十分な軍事支援を受けているウクライナと、ボロ兵器しかなく兵士の士気も低いロシアでは、戦争が長期化すればロシアが劣勢に転じるのは自明。プーチンは「我々の領土が脅かされればあらゆる手段をとる」と表明し続け、核兵器の使用も辞さない考えを示してきた。
2014年に勝手に併合したとはいえ、クリミア大橋爆破に端を発した民間人を巻き込むウクライナ無差別全土攻撃は、ロシアの軍事侵攻がついに狂気の段階に突入したとも言える。
恐ろしいのは、懸念されてきた「戦術核」の使用に踏み切る可能性である。爆発力の大きい戦略核の使用はないとしても、ロシアは小型の戦術核を2000発以上保有している。
新たに8日にウクライナ侵攻の総司令官に就いたスロビキン上級大将は、「アルマゲドン(最終戦争)将軍」の異名をとる危険人物で、軍首脳が戦術核の使用を視野に入れた人選とも言われている。プーチンが5日の大統領令で「国有化」方針を決めたウクライナ南部のザポロジエ原発も、ミサイルが撃ち込まれれば大惨事だ。
この先のロシアの動きは予測不能。ウクライナの後ろ盾であるバイデン米国はどうするのか。上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)はこう言う。
「ロシアのウクライナ侵攻に対するバイデン大統領の方針は、(1)第3次世界大戦だけは絶対に避ける(2)長期継続的にウクライナを支援する(3)経済制裁を含めた国際協調──です。ウクライナ支援では来年9月までの123億ドル(約1兆7800億円)の予算を付けた。エンドゲームでウクライナからロシアを追い出すつもりです。
核については腹の探り合いながら、バイデンは『決して屈することはない』と強いメッセージを発信している。ウクライナ東・南部の4州を無理やり併合したことで、ロシアが戦術核を使用する可能性が1ステージ高まったと言う米国の政策責任者もいます。バイデンも『キューバ危機以来の綱渡り』と言っています。今後も、世論を見ながら国内や海外にメッセージを出していくのだと思います」
世界経済の最悪期はこれから。日本の地位はさらに低下
対米追随だけの日本は、G7で欧米と完全に行動を共にしているから、ロシアの暴発は対岸の火事にはならない。
エネルギーをめぐるロシア政府の揺さぶりは顕著だ。日本企業が関係する極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」に続き7日、「サハリン1」についても新会社移管の大統領令にプーチンが署名。日本側は事業継続か否かの判断を迫られることになった。
欧米と足並み揃えて経済制裁しながら、一方でエネルギーの権益は維持したい、という曖昧さを続けているから足元を見られる。
それでなくても、世界経済は不穏な空気に包まれつつある。IMF(国際通貨基金)は11日に公表した世界経済見通しで、2023年の世界の成長率を2.7%とし、7月の従来予想から0.2ポイント引き下げた。IMFのチーフエコノミストは「最悪期はこれからだ。多くの人にとって、来年は景気が後退しているように感じられるだろう」と警告したのである。
FRB(連邦準備制度理事会)が利上げを加速させている米国の成長率は、22年を2.3%から1.6%に大幅引き下げ、23年は1.0%とした。ユーロ圏の成長率も23年を1.2%から0.5%に大幅に引き下げ、ドイツとイタリアについてはマイナス成長の見通しだ。
日本については、23年を1.7%から1.6%へと小幅引き下げした程度だったが、「これでは済まない」と経済評論家の斎藤満氏がこう話す。
「日本をこの程度と見ているのは、IMFにとって日本が分析の主たる対象から外れたマイナー国家になってしまったからでしょう。ロシアの戦争による東西分断で、日本の地位がさらに低下するのは間違いない。グローバル経済のいいとこ取りをしてきたのが日本ですが、経済のブロック化により、世界で効率よく生産して安いものを取り入れることができなくなってきている。
ドル建てでみた日本のGDPは30年ぶりに4兆ドルを割り込み、ドイツや韓国に追い上げられてきた。異次元緩和と円安を進めた8年間のアベノミクスでジリ貧となり、そこにウクライナ戦争が追い打ちをかけた形です。来年もエネルギーコストは上がる見通しで、物価高を一時的と見ている日銀の前提は崩れた。それでも続く、無策の円安。世界規模の低成長に加え、日本には固有のマイナス要因がおし掛かる。それはドルの独り勝ちでもあり、日本は米国の属国に成り下がって、米国の尻ぬぐいをさせられている状況です」
岸田外交には骨がない
1989年の米ソ冷戦の終結後、世界が迎えている最大の緊張がいまだ。狂ったプーチンは、何をしでかすかわからない。加えて、米中の緊張関係や台湾情勢の先行きも見通せない。ミサイル発射を繰り返している北朝鮮も不気味な存在だ。複雑に絡み合う安全保障環境に、果たして岸田政権は対処できるのだろうか。
国際ジャーナリスト・春名幹男氏は言う。
「岸田外交には骨がない。口先ではいろいろ発言していても、説得力がないのです。だいたい広島・長崎の原爆を経験した日本が、なぜロシアに『絶対に核を使うな』と声を大にして訴えられないのか。ロシアに戦術核を使わせてしまったら、核使用のハードルが下がり、北朝鮮も危うくなる。岸田首相は『サハリン1.2はもう要らない』とロシア側に突きつけるぐらいの態度を見せるべきですよ。何のために来年5月のG7サミットを広島で開くのですか」
経済も外交も、G7どころか世界で存在感が低下していくニッポン。まだ立て直せるのか、もう間に合わないのか。「聞く耳だけ首相」ではダメなことは明らかだ。
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