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支持率急落でもノンキ…?統一教会問題「岸田首相の本音」が見えた
https://friday.kodansha.co.jp/article/261796
2022年08月30日 FRIDAYデジタル
「統一教会の選挙活動は、公選法の優等生」だから、じつは「大歓迎」だった…?
新型コロナ感染のため、首相官邸からオンラインで会見をする岸田文雄首相。ディスプレイを記者が囲むという謎スタイルも話題に… 写真:共同通信
内閣支持率の急落が報道されている。8月27、28日の朝日新聞社の調査によると、内閣支持率は「47%」、前回7月調査の57%から、大きく下落した。
25日には、中村格警察庁長官と奈良県警の鬼塚友章本部長が安倍晋三元首相銃撃事件の責任から辞意を表明し、30日付で辞任する。中村長官は、安倍政権下の’09〜’15年、菅義偉官房長官時代に官房長官秘書官を務めた。異例の長期在任、政治権力との「濃厚」な関係は、周知の事実だった。
その後、中村警視庁刑事部長時代、ジャーナリストの女性が、安倍元首相に近い山口敬之元TBS記者から受けた性被害を訴えたが、その逮捕状を執行しなかったことが報じられた。この件は、のちの民事裁判では性暴力が認定されている。今回の辞任に、警察キャリアが自戒を込めて言った。
「警察は、安倍政権に近づきすぎた。性暴力事件だけではありません。前川喜平元文科事務次官の辞職では、警察情報が利用されたと聞く。警察は安倍政権のいいなり、ともいえる状態で、その安倍元首相が警察の不備で銃殺された。皮肉なことです。銃撃事件をきっかけとした旧統一教会問題が続くあいだ、警察は針のむしろ。本音を言えば…どんな形でもいい、この喧噪が一刻も早く収束してくれと祈るばかりです」
そして「山上徹也容疑者の鑑定留置は3〜5か月かかるだろう」としながら、新・警護要則が出来上がったことでまずは一つの区切りがついたと話した。
拡大するばかりの統一教会問題に早くケリをつけたいと切望しているのは、岸田首相も同じかそれ以上だろう。が、そう簡単には決着しそうにない。新型コロナに感染しオンライン執務中の岸田首相は、咳と微熱、頭痛に悩まされていたという。首相に近い人物はこう言う。
「岸田の事務所で統一教会が選挙にかかわったということはない。当然、人的支援は一切ない。祝電や花を送ることについては、二階俊博元幹事長がよく言ってくれたという感じ。政治家は手弁当で協力すると言われれば大歓迎。新人候補にとってはましてだろう。しかしさすがに、事務所に入っている協力者のルール作りを急がなければならないだろうと思う」
と、統一教会信者による「選挙の手伝い」などが、実は議員によっては大歓迎だったことを隠そうとしない。ある国会議員経験者は言う。
「当時から議員会館には信者さんがいましたよ。人件費がかからないお手伝いですから、重宝してる先生も少なくなかった。そりゃ、助かりますよね、タダですから。最初はチラシの封入など簡単な作業から入って、接客やもっと深い『手伝い』をしている人もいた。上品な、きれいな女性が多かったのを覚えています」
次々と明らかになる「関係」に
「萩生田光一政調会長と旧統一教会の関係は濃厚すぎて、誰が見ても真っ黒。これはマズイと思っていたら、山際大志郎経済再生相はもっと酷い。記者会見を見ていると、政治家とは思えないしどろもどろな対応で驚いた。さらに、ジャーナリスト・鈴木エイト氏がテレビで『山際大臣の事務所には教団信者が秘書として勤めているのではないか』と語っていたのには腰が抜けるほど驚いた。事実なら人事問題。党内部はいったいどうなっているのか」(自民党代議士)
この自民ベテラン代議士はそう危機感を募らせるが、第2次岸田改造内閣は、旧統一教会との関係を断たなければ入閣できない約束だった。今後関係を断絶すると宣言しても、事務所スタッフが教団信者では、どのように言い繕うのか。疑念は何も払拭できないまま、問題は残り続ける。
「統一教会との関係はない」という岸田首相も、教団広島教区幹部とのツーショット写真が発覚。岸田首相の後援会「熊本岸田会」会長職にある中山峰男崇城大学学長も接点が報じられるなど、次々に「関係」が明らかになっている。
首相は「私の知り得る限り、関係はない」と言い張るが、ツーショット写真が流出して、後援会長が事実を認め、平謝りに謝っている。それを、「知らないモノは知らない」で済まそうとしているとは。閣僚経験者はこう言う。
「安倍・菅政治で経済再生は出来ず、財政は悪化するばかり。だから、総裁選では岸田首相を支持した。が、この一年、これといった仕事をせず、旧統一教会問題もリーダーとして納得できる線引きが出来ない。ここまでグダグダとは思わなかった。
安倍国葬の費用2億5千万円というが、これに海外要人対応や会場周辺警備費用は計上されていない。ここでも岸田政権は隠し事をしている。実行力、政治力、なにもかも期待はずれ」
「うーん、なんとかしなければならないな〜」
先の人物は、岸田首相がコロナ感染した後、電話で話したという。旧統一教会問題がさらに一段と深刻化すると進言、政府として明確なメッセージを発する必要性を説いた。電話の向こうで岸田首相は軽い咳とため息を何度も繰り返していたという。岸田首相は電話口で、
「(感染はしたけれど)ワクチンを打っているから大丈夫。思ったより軽くて良かった。オミクロン対応のワクチンは急がなければならないね。
統一教会か〜、うーん、なんとかしなければならないな〜。でも、ボランティアで選挙運動に協力するとは思いもよらないところから入ってこられたもんだ」
と「のんきに」答えたという。
先述の警察官僚によると「旧統一教会の選挙運動は、公選法の優等生」なのだという。法制度によって、政治と教団の選挙運動を分離することは極めて難しい。この統一教会問題についても、岸田首相に打開策は見当たらず、途方に暮れているようだ。
この国の舵取りを岸田政権に委ねていていいのかという疑問は日々強くなっていくばかり。支持率の低下は、明確にそれを表している。
取材・文:岩城周太郎 写真:共同通信
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