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韓鶴子総裁の言葉から見えてくる旧統一教会の正体【報道1930】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/136524
2022年8月28日(日) 17:00 報道1930 TBSテレビ
政府自民党との関係が連日報じられる世界平和統一家庭連合(以下、旧統一教会)。教祖・文鮮明(ムンソンミョン)氏の後継となった妻、韓鶴子(ハンハクチャ)総裁の“言葉”から旧統一教会の日本人観を読み解く。そして、今も続く合同結婚式の実態に迫った。
■「中曽根なんか吹けば吹っ飛ぶよ」
2012年、文鮮明教祖が没し、旧統一教会は後継者争いに揺れた。その中で台頭したのが妻、韓鶴子氏だ。最大の問題は亡き夫のカリスマ性をいかに引き継ぐかであった。
北海道大学大学院教授 櫻井義秀 教授
「彼女は自分が神の一人娘“独生女(どくしょうおんな)”であることを自称するようになる。そうしてカリスマ化を進めている最中なんです。実際カリスマ性かあるかというと、あるように幹部はふるまうし、無いとは絶対言えませんし、こうして続けているうちにみんな信じ込むんです」
カリスマ化を進める中で、韓鶴子氏は日本の教団幹部の前でこうスピーチした。
韓鶴子総裁
「日本が責任を果たせるようにその最高責任者からひっくり返さないといけない。(中略)日本の『世界日報』も政治会、学界、知識人たちが一番最初に見る新聞として作り上げねばならない」
強い言葉だが、旧統一教会を40年以上取材してきた有田芳生氏は、亡き夫の受け売りだという。
ジャーナリスト 有田芳生氏
「韓鶴子さんは、昔文鮮明さんが言ってたことを言ってるんです。80年代、文鮮明教祖は、『中曽根なんて吹けば吹っ飛ぶよ』というようなことをしょっちゅう言ってた。韓国がアダム国家、日本はそれに従うエバ国家だから政治も抑えなければならない。そのためなら中曽根なんか吹っ飛ばす…これと同じ流れで最高責任者である政治家、総理をも動かせる関係にならなければいけませんよって言ってるんです。」
この番組でも何度も伝えてきた旧統一教会の基本的教義・・・、エバ国家である日本は、アダム国家である韓国に尽くし続けなければいけないという教えに基づき、教団は日本の政治家と結びつきを持とうとしている。
一方で日本の政治家の多くは、教団の教義を詳しく理解せずに“選挙に役立つ”集団くらいにしか捉えていない。そして、信者獲得のための教団の広告塔として利用されている。
■「洗練された因縁トーク」
政治家をも利用して信者を増やした教団の目的は、“献金”の名の下の金集めだ。
その集金は、かなり前からしっかりとシステム化されている。
ジャーナリスト 有田芳生氏
「1975年に文鮮明教祖が、日本の統一教会に送金命令を出した。それまでは“インチキ難民カンパ”とか、“珍味売り”とか“ハンカチ3枚千円”とか、いろんな処で物販をやっていた。だけど送金命令が出てからは1か月で20億円、1年間で2000億円韓国に送金した実績があって、どんどんエスカレートした。そこで70年代後半にかけて霊感商法がやれるようになるんです。そのための洗練された因縁トークがあるんです。これは凄いですよ。苦労したり、不安になったり、家庭の不幸があると統一教会では、『あなたの7代前の先祖が、例えば殺生因縁があった、色情因縁があった、それが今のあなたの不幸につながっている』という教え込みをする。洗練されたトークで人間の不安に付けこんで印鑑や壺や念珠、高麗人参エキスなどを不当に高額で売る。例えば原価3、4万円のやつを140万円とか…。そのためのトークが出来上がっているんですよ」
霊感商法や高額献金は、韓国内ではほどんど行われておらず、旧統一教会の収入のほとんどが日本人信者からのものであることは番組でも伝えてきた。日本人ばかりを“餌食”にする旧統一教会。その象徴的儀式がある。
■「幸せになれると思っていたら自分の部屋は牛小屋の一部」
合同結婚式は、文鮮明教祖が決めた男女が合同で結婚式を挙げる教団行事で、旧統一教会では“祝福”と呼び、信者にとって最高の栄誉と言われる。だが実態はだいぶ違うようだ。番組では、かつて農村に張り出されていたチラシを入手した。それは結婚相談に関するチラシで“日本女性との真の結婚”などの文言が並ぶが、統一教会の文字はない。信仰とは関係なく嫁不足に悩む地域で合同結婚式の参加男性を募っていた。即ち、合同結婚式の主な目的は、日本の女性信者を韓国に嫁がせることだった。
文鮮明教祖のお言葉集の韓国語版には、こんな一節がある…。
文鮮明教祖
「日本人と韓国人は敵ですよね。敵同士で結婚するんです。(中略)大学を出た日本人女性が、中卒や高卒の韓国人と沢山結婚しましたが、私は不平を言う人を一人も見たことがありません。韓国人同士で結婚させたら学歴がどうだのなんだって…。」
さらに、韓国人と日本人を結婚させると何が便利か、それは言葉が通じないことだと、などと続く。旧統一教会のおおもとに日本の植民地支配への恨みがあり、そのことは、“日本人と韓国人は敵”の文言からもよくわかる。こんな理念のもとに韓国へ嫁いだ日本女性には、果たしてどんな暮らしが待っているのだろうか?
番組では今、韓国在住で合同結婚式で結婚した現役信者に話を聞くことができた。日本にいる時のように献金の強要はなくなったという。韓国人と嫁ぐことが免罪符のようになっていると言うが、中には借金があったり、働いていないような「あれ?」と思うような人と結婚させられた人もいるという。しかし、それも“日本は償わねばならない” という教団の教えによって心の中で封じ込めされているようマインドコントロールされているようだ。
有田氏は独自に何人もの日本人妻を取材している。
ジャーナリスト 有田芳生氏
「教祖が活動した場所だと夢を持って韓国にわたった。これで幸せになれると思っていたら自分の部屋は牛小屋の一部を改造したところに住まわされた・・・」
他にも、日本から両親が訪ねると戦時中の話などを持ち出し厳しい対応をされ、そのことで家同士が疎遠になったり、相手は嫁不足の農村から結婚したいだけで来たわけなので、まじめで信仰心のある日本女性からすれば矛盾を感じながら生活している人もいる。
合同結婚式によって韓国に嫁いだ日本女性向けに、月に1度発行される冊子がある。そこにこんな記事があった。
▼「日本から持ってきたお金でやりくりをしたが1年でお金が無くなり、朝4時半に起きて『世界日報』を配達している」(1992年結婚)
▼「夫はすぐに怒り、御父母様(教祖夫妻)の写真も壊す。先妻は夫の暴力を苦に自殺した」(1995年結婚)
▼「夫は仕事をせず酒や賭博で遅くまで帰らない。兄弟を日本人に殺された姑からは日本人への恨みからか、いじめられた」(1995年結婚)
自民党の萩生田政調会長は旧統一教会について「昭和の霊感商法は知っていたが、いまはそんな話を聞かないし・・・」と弁解していたが、“日本への恨みを晴らす教義”を根本に持った旧統一教会の元、いまも数千人の日本人女性が合同結婚式を経て韓国で暮らしていることをどう思うのだろうか…。
(BS-TBS 『報道1930』 8月25日放送より)
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