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※紙面抜粋
※文字起こし
参院選の投開票まで残り2日。岸田首相は急激に再拡大する新型コロナ対策そっちのけ。各選挙区を駆けずり回って、行く先々で「国民の皆さんが、物価高騰の中で生活に苦しんでいる、そして未来に不安を抱いている。このことに対して政府が最大限の責任をしっかりと担って対策を用意する」などと物価高対策を口にしている。
具体的には地域の実情に応じて使える1兆円の臨時交付金や、物価の状況により、さらに5.5兆円の予備費も活用すると言うのだが、よくよく聞けば「これまで何もしてきませんでした」とゲロっているに等しい。
日銀が6日発表した6月の「生活意識に関するアンケート調査」は、現在の物価が1年前に比べて「上がった」と答えた割合は89%。約14年ぶりの高水準となった。現在の暮らし向きについて「ゆとりがなくなってきた」と答えた割合も前回3月調査から1.5ポイント増え、43.2%に上る。その理由を聞くと「物価が上がったから」が78.9%(複数回答可)と断トツ。「給与や事業などの収入が減ったから」の49.7%が続く。
実際、このアンケートで1年前と比べて収入が「減った」と答えた割合は35.7%、「変わらない」は53.7%だ。実に9割近くの人々の収入は増えていない。物価高の最中に給与が上がらなければ、家計にゆとりがなくなるのも当然だ。
日銀の黒田総裁もよくぞ、6月の講演で「家計の値上げ許容度は高まっている」と言えたものだ。撤回したとはいえ、いい気なものである。
国民の声を記した「岸田ノート」は今どこに
黒田発言を自己否定するような日銀の生活意識アンケートで、注目すべきは1年後の物価が「上がる」との回答も87.1%に達していることだ。ただでさえ、今の物価高で生活が苦しくなっているのに、多くの人々が物価高はこれからが本番、今後も続くとみているのだ。この結果に庶民の「絶望」から来る「悲鳴」が聞こえてきそうだ。
それなのに、デタラメ政府と日銀は物価高に拍車をかけるアベノミクスの円安政策を放置。岸田は「具体的な物価高対策はこれから検討する」と言わんばかりで、得意の「聞く力」は庶民の悲鳴に「聞く耳」なし。
この選挙期間中、岸田は街頭で国民の声を書き留めてきたという「岸田ノート」をめっきり披露しなくなった。これまでも決してノートの中身を明かさなかっただけに、やはり、単なるポーズに過ぎなかったようだ。
国民の生活苦に何もしないトップを担ぎながら、自民党の参院選スローガンは「決断と実行。暮らしを守る。」だ。その気概は1ミリも持ち合わせていないじゃないか。政治評論家の森田実氏はこう言う。
「岸田政権の発足から9カ月。首相就任当初に掲げた『新しい資本主義』の具体像はいまだに示さず、『検討、検討』とゴマカシばかり。何も言っていないも同然で、経済・金融政策は安倍政権の路線と変わらず、何をしたいのか分からない。参院選でも、良くて『ゼロ』の選択肢しか示しておらず、有権者の今後の暮らしに『プラス』はありません。このデタラメに黙っているメディアもひど過ぎます。物価高対策をほったらかし、NATO首脳会議に出かけて軍拡を勝手に国際公約してきても叩かない。批判精神なきメディアに存在意義はありません」
生活が悪化するほど与党に頼る悪循環を断て
そんな腰抜け大メディアは、各社とも参院選の情勢調査で「与党堅調続く」「自公 改選過半数の勢い」と報じている。今回の選挙は、物価高対策が一大争点だ。例えば共同通信の世論調査でも、参院選の投票の際に重視する政策は「物価高対策・経済政策」が42.0%でトップだった。
各社の世論調査で岸田の物価高への対応を問うと、「評価しない」が6〜7割に達している。多くの有権者が急激な物価高に対し、岸田は無為無策だと感じているのに、「自民優位」の情勢とはどういうわけだ?
よくよく読み比べてみると、新聞によって1人区も複数区も情勢は大きく異なる。全体の勝敗に影響する1人区のうち、読売と日経は「野党系が抜け出しているのは青森のみ」とし、毎日は「立憲は青森、岩手で優勢」と書く。
個別の選挙区を見ても、宮城は読売が国民民主から自民に寝返った桜井充候補が「先行」で、日経は桜井と立憲の小畑仁子候補が「互角の戦い」。新潟だと、日経は立憲の森裕子候補が自民の小林一大候補を「激しく追う」で、読売は「一歩も譲らぬ展開」だ。
複数区の京都は、読売が自民の吉井章、立憲の福山哲郎、維新の楠井祐子の各候補が「横一線」で、日経は「楠井と吉井が激しく競り合う」、朝日は「吉井が安定、福山・楠井は激戦続く」とまあ、情勢はクルクル変わり、どの候補が優位に立っているのかがサッパリ分からない。
昨年の衆院選でも、大メディアによる事前の情勢調査や予測記事は外れまくった。まったくアテにならないのが、大新聞の選挙前の下馬評なのである。さあ、物価高で暮らしが厳しい庶民はこうした下馬評にどう出るか。前出の森田実氏はこう言った。
「かつての有権者には、与党勝利の情勢調査が出ると、『長い物に巻かれてたまるか』と逆バネが働き、自民党政治家も勝利予測を嫌がったものです。しかし、この40年近く、国民生活が一向に良くならず、有権者を絶望させる政治が続いたせいで、政治離れが進み、低投票率のシラケ現象が慢性化。それを助長しているのが、批判精神を失ったメディア報道です。週刊誌も政治ネタでは売れなくなり、ほとんど政治を取り上げない。しかし、有権者が『これでいいのか』と怒ることもなく、岸田政権のデタラメを許せば、物価高と生活苦は必ず加速するだけです。2日もあれば選挙の結果は大きく変わる。有権者も発奮して根性を入れ直すべきです」
黄金の3年間は防衛費倍増にまっしぐら
大新聞の下馬評通り、125議席を争う参院選で、与党が70議席台に乗り、改選69議席を上回る結果になってしまったら、何事にもいい加減な岸田政権にお墨付きを与えることになる。ますます国民軽視のデタラメ政治に拍車がかかるのは間違いない。
その兆しは選挙期間中にも表れている。野党も「ゆ党」も「ほぼ与党」も減税・廃止を求める消費税について、自民党の茂木幹事長は「税率を下げるとなると、年金を3割カットしなければならない」と国民をドーカツ。財源を理由に「それなら社会保障費を減らすよ?」と脅すクセに、防衛費倍増はロクに財源を示さず既定路線だから、もうムチャクチャだ。
こんな政党がいけしゃあしゃあと「暮らしを守る。」を掲げ、選挙を戦っている状況は、もはや「一九八四年」に代表されるディストピア小説の世界である。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「選挙の真の争点は暮らしを守るか、白紙委任の軍拡か。参院選の自民勝利で、岸田政権に大型国政選挙のない『黄金の3年間』を与えたら、防衛費増額を米国やNATOに公約した手前、防衛費のGDP比2%以上にまっしぐら。その財源は少なくとも消費税率2%アップ分に相当し、最終的には国民が負うハメになる。ところが、メディアも財源をアヤフヤにし、有権者に判断材料を与えない。だから、デタラメ政治で暮らしが苦しくなるほど、国民は現実に政治を動かす与党に頼りがちとなる。この悪循環を断ち切らない限り、生活は良くなりません」
岸田内閣の支持率急落は、大新聞の下馬評が今度も大外れとなる予兆ではないのか。有権者が生活を第一に考えれば、この政権でいいわけがない。
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