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参院選のダークホース「参政党」の正体に迫る 〈#カルトじゃない〉と主張するが実態は?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/307842
2022/07/06 日刊ゲンダイ
事務局長の神谷宗幣氏(撮影)藤倉善郎
街宣でやたらと多数の聴衆を集めている参政党。国政選挙初登場ながら当選者が出るのではと、“穴馬”扱いする声も聞かれる。
一方、7月1日にツイッターでは、参政党公式アカウントが「#参政党はカルトじゃない」とのハッシュタグを投稿しトレンド入り。逆に「#参政党はカルト」と投稿し、参政党を批判するハッシュタグも登場した。カルトだとかカルトじゃないとか、「参政党」とは一体何なのか。
自民党の補完勢力なのか?
参政党は2020年に結成。当初からの中心メンバーで現在も党の“顔”となっているのが、事務局長の神谷宗幣氏だ。07年に大阪の吹田市議に初当選。10年に「龍馬プロジェクト」として、地方議員や国会議員を集めた保守系の政治運動を始める。12年衆院選では自民党から立候補するも落選した。
龍馬プロジェクトには自民党の大岡敏孝・杉田水脈両衆院議員が「会議員参与」として参加。また神谷氏は19年、霊感商法などが長らく社会問題化しているカルト宗教「統一教会」(現・世界平和統一家庭連合)系メディアの関係者が主催するイベントに登壇。関係者は、参政党の結成メンバーにも加わっていた(すでに離党)。
そのため、ネット上では参政党を「自民党の補完勢力」「バックに統一教会」などと評する声が見られる。しかし、参政党と自民党や統一教会と直接の協力関係や主従関係は確認できない。むしろ街宣では、参政党候補から堂々と政府・自民党への批判も語られる。全選挙区に候補者を立てており、自民党に特段の“配慮”している気配もない。
「自民党の補完勢力」「バックに統一教会」と評するのは、極端すぎるかもしれない。
政治資金パーティー「SS席」10万円でも5000人が参加
参政党の勢いを端的に示すのが、集金力と集客力だ。6月27日時点で、3億9060万円の寄付を集め(目標は5億円)、街宣では武田邦彦氏人気で公示前から数百人の聴衆を集めた。ある時は、武田氏にサインを求める長蛇の列ができた。
ボリュームゾーンは中高年の男女。しかし若者の姿も少なくはない。一般メディアはほとんどいないのに、聴衆の最前列には携帯電話などを据えた三脚がズラリと並ぶ。YouTuberなどネット配信者たちだ。
5月8日にパシフィコ横浜で開催した政治資金パーティー「イシキカイカクサミット2022」は、参加料金が一般2万円から。SS席は10万円。この料金でなんと5000人以上を集めた。同料金で8月21日に幕張メッセで「国政政党誕生 予祝パーティー」を予定しており、前売り券はすでに売り切れだ。
神谷氏が代表を務める「イシキカイカク.com」で販売されているグッズも、なかなかのお値段。関連する「イシキカイカク大学」での講座DVDセットが最大24万円(10講師分セット)。「活性エキス」(10cc、1万1800円)、「高品質なプレミアムマコモ」(260g、1万5120円)といった健康食品まで販売されている。
のめり込むと、かなりカネがかかりそうだ。支持層に保守的な小金持ちがそれなりにいることをうかがわせる。
実は「反ワクチン政党」
街宣に立ちたくさんの聴衆を集める武田邦彦氏(撮影)藤倉善郎
参政党が保守系政治団体であることは間違いないが、それだけではない。実は、参院選前から新型コロナ関連で極端な反ワクチンをアピールしてきた団体でもある。
比例で立候補している赤尾由美氏は政見放送で、日本の既存政党が利権団体や中国、アメリカ、グローバル企業に日本人の生命や健康まで売り渡していると主張した。
「たとえばワクチン問題です。YouTubeでワクチンと言うと、動画を削除されてしまいます。政府やマスコミがワクチン推奨をしていたからこその言論統制だと私は思っています」(赤尾氏)
神谷氏が今年2月にYouTubeから削除されたとしている街宣の動画を、ニコニコ動画で確認した。公示後は物言いが柔らかくなっている感があるが、公示前はかなり露骨だった。
「自分はワクチンを打っていないし、子供にも打たせないですよ。コロナだけじゃなく、他のも打っていません。だって、(隣にいる)吉野さんがいつも言うように、しっかり食べてしっかり寝ていたら免疫ちゃんと維持できるでしょ? 人類そうやって何万年も生きてきたんじゃないですか」(神谷氏)
宮城選挙区で立候補のローレンス綾子氏も、昨年11月に自身のフェイスブックで、反ワクチンを訴える「世界同日デモ in 仙台」の告知画像を添えて「明後日だよー!!」と投稿。昨年12月にはYouTubeで、コロナワクチンも含めワクチン全般を疑問視。同じ動画で「トランプさんの大ファン」と語る一方で、ワクチンを推奨した点ではトランプに賛成できないとしている。
波動? メタトロン?
神谷氏の演説で登場する「吉野さん」は、参政党の共同代表で比例候補者の吉野敏明氏。歯科医師でもあるが、ユニークな医療観の持ち主だ。「東洋医学と西洋医学を融合した包括治療・未病治療・波動治療」をうたう誠敬会クリニック銀座の院長を務める。
「波動」は、科学的根拠が疑問視される民間療法やニセ科学の世界でしばしば出会う単語だ。「波動医療」とも呼ばれる。同クリニックのサイトでは、「波動測定器メタトロン」なる機械で、健康状態をチェックできるとしている。メタトロンは電極を仕込んだバンド状の機械で、頭に取り付けて人体の「波動」の周波数を測定するものとされる。
「生体(臓器、細胞)から出ている固有の周波数を分析して、周波数のずれているポイントを詳しく分析し、機能不全ポイントを明確にします」(誠敬会クリニック銀座の公式サイト)
神谷氏が代表を務める前出の「イシキカイカク.com」にも、吉野氏がメタトロンをアピールするYouTube動画が掲載されている。タイトルは「【医療はもともとスピリチュアル】メタトロン計測で驚きの結果が…」。メタトロンでは「愛」や「怒り」といった感情ばかりか、「だらしない」などの性格を示す「周波数」まで測定できるのだという。
YouTubeから削除されないための「流行り病」「お注射」という隠語
神奈川選挙区で立候補している藤村晃子氏の街宣を、公示直前の6月18日に聞きに行った。
「日本の総理は権力を使って、資本家たちに有利な政治だけを進めている。だから、8億本もの必要のないお注射を買い取ったりですね。(略)いま1500人以上がこのお注射で亡くなっている。私達の命までも取りに来ているんですよ。(略)こういうのを医療マフィアって呼ぶんですよ!」
聴衆から「そうだ!」という声が飛ぶ。「お注射」はワクチンのこと。新型コロナは「流行り病」と表現する。YouTubeでの動画削除への対策のようだ。
藤村氏や前出の赤尾氏含め、他の参政党候補者たちは、外国資本の手先と見なした日本の政府や政治家を「グローバリスト」と呼ぶ。一方、藤村氏は、ツイッターでは時折「DS」という単語も使う。これは「ディープ・ステート」(影の政府)のこと。そう、20年の米国大統領選でトランプを支持した陰謀論集団「Qアノン」が口にしていた、あれだ。
反ワクチン集団「神真都Q」との関係
反ワクチン集団「神真都Q」(撮影)藤倉善郎
コロナワクチン不要論、スピリチュアルな独自の医療観、ディープ・ステート等のQアノンに似た陰謀論、ナショナリズムを強調する保守志向。今年3〜4月にかけてワクチン接種会場に押しかけ建造物侵入容疑で計8人が逮捕された反ワクチン集団「神真都(やまと)Q」とも、よく似ている。
組織として参政党と神真都Qと関係しているという意味ではない。しかし神真都Qのチャットでは、参政党を好意的に紹介する投稿がちらほら目につく。
神真都Qの逮捕者たちの弁護を引き受けている「反ワクチン弁護士」の木原功仁哉氏も、兵庫選挙区で立候補している(無所属)。それなのに神真都Qメンバーが参政党を推すのも薄情な話だが、それだけ参政党への期待が大きいのだろう。
さらに言えば、神真都Q側の一方的支持とも言い切れない。公示前、5月13日の新橋で、前出の吉野氏とともに街頭演説した松田学氏(参政党共同代表、比例)は、神真都Qを名指し、「我々のようにまともに」物を言う人々と呼んで擁護した。神真都Qメンバーが逮捕された事件の約1カ月後のことだ。
神真都Qを含め複数の反ワクチン団体をまたいで活動する別グループのチャットでも、参政党を推す声が散見される。
組織的つながりの有無とは別に、どのような層から支持されているのかという点も、参政党の主張の文脈や実態を知る手助けになる。「カルト」かどうかは置くとしても、かなりユニークすぎる政治団体運動であることは間違いない。
(取材・文=藤倉善郎/ジャーナリスト)
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