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※紙面抜粋
※2022年6月15日 日刊ゲンダイ2面
【このままでは岸田・黒田恐慌と市場は悲鳴】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) June 15, 2022
岸田首相よ、この相場で株式投資を勧めるのか
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/tgF2UqXdPs
※文字起こし
13日、対ドル相場で一時1ドル=135円台前半となり、バブル崩壊後の金融危機が深刻化して市場が「日本売り」の様相を呈していた1998年以来の水準にまで急落した外国為替市場。同日開かれた参院決算委で、日銀の黒田総裁は「政府と緊密に連携しつつ為替市場動向を注視したい」と言い、鈴木財務相も「(円安の)マイナス面が出ている」と発言するなど、そろって急激に進んだ円安を牽制するために「口先介入」したものの、ほとんど効果はみられなかった。
そりゃあそうだろう。FRB(米連邦準備制度理事会)は今後も、歴史的なインフレを抑制するための利上げペースを加速させるとみられており、一方の日銀は現在の大規模金融緩和を維持する方針だから、日米金利差がますます拡大するのは容易に想像がつく。資源価格の高騰などで日本の貿易収支は赤字続きだから、投機マネーの日本離れ(=円売り)も避けられない。つまり、あらゆる場面で「円売り・ドル買い」が進む状況が顕著になっているわけで、黒田や鈴木がアリバイ程度にゴニョゴニョ言ったところで、市場がまともに相手にするはずがないのだ。
金融緩和は止めても続けても地獄
もっとも、円安に対する政府、日銀の打つ手は限られているのは間違いない。仮に日本政府が口先ではなく、円安を阻止するため実際に為替介入に動けば米政府が黙ってはいないだろう。米財務省は10日に公表した半期為替報告書で、為替介入については「極めて例外的な場合に限られるべき」と、日本側の対応にくぎを刺していたからだ。
これでは岸田も黒田も米国に手足を縛られたのも同然。ならばFRBなどと歩調を合わせる形で利上げに踏み切ればいいが、それも難しいのが実情だ。
利上げすれば2021年末時点で約530兆円もの国債を保有する日銀の市中銀行への利払いが増大。日銀本体の経営危機を招きかねない上、何よりもGDP(国内総生産)の2倍、1000兆円規模に膨らんだ債務残高を抱える国と地方の財政悪化が免れないだろう。
詰まるところ、今の政府日銀は為す術なし状態。「岸田・黒田恐慌」と市場から悲鳴が上がるのも当然で、「1ドル=140円」の声も出始めた円安進行を食い止めるためには、現在の大規模金融緩和策を見直す以外にないのではないか。
にもかかわらず、黒田総裁は16、17日に開かれる金融政策決定会合でも、大規模緩和策を維持する見通し──などと報じられているからクラクラしてしまう。
黒田は「経済にマイナスで望ましくない」(13日の参院決算委)とまで言い切っていたのだから、誰が考えても、そのマイナス要因である大規模金融緩和を改めるのは当たり前ではないか。「経済にマイナス」と言いながら、その状況を「維持する」というトンチンカン。中央銀行総裁が、こんなにブレブレの発言をしているようでは、それこそ日本の金融政策に対する信用にも関わるだろう。
埼玉大学名誉教授の相澤幸悦氏(経済学、金融論)がこう言う。
「黒田総裁は金融緩和を止めたくても止められない。止めると言えば、円安進行は抑えられるものの、株は暴落、マイナス金利で生き延びてきた中小企業がバタバタ潰れ、今以上に景気が悪くなるでしょう。それこそ恐慌になりかねず、ひいてはアベノミクスの失敗を認めることになるわけで、それは絶対にしたくない。とはいえ、このまま何もせず日米間の金利差が拡大すれば、1ドル140円どころか、160円まで進むかもしれない。そうなれば大変な物価高になり、庶民生活を直撃します。要するに金融緩和を止めても続けても地獄。黒田日銀はニッチもサッチもいかなくなっているのが実相ではないか」
庶民は無策の「岸田インフレ政権」に搾取される
3カ月で20円近くも進んだ円安は食品、生活必需品、エネルギー……など、あらゆる物価高を招き、家計を圧迫している。共同通信社が11〜13日に実施した全国電話世論調査で、岸田首相の物価高対応について「評価しない」との回答が64.1%に上っていたが、これが国民の本音であり、「家計の値上げ許容度も高まってきている」と言い放った黒田の言葉がいかに現実離れしているかが分かるというものだ。
14日の東京株式市場の日経平均株価の終値は前日比357円58銭安の2万6629円86銭で3営業日続落。日経平均株価の下げ幅は一時、前日終値から600円超にもなった。FRBのさらなる利上げに対する警戒感や、前日の米ダウ工業株30種平均が年初来安値を更新した流れを受けたのが下落要因とはいえ、「新しい資本主義」などと掛け声ばかりで、具体策を打ち出せない岸田政権に対する市場の失望感もあるだろう。
岸田は党総裁選などで掲げていた「令和版所得倍増」のキャッチフレーズを「資産倍増」にすり替え、さらに「NISA(少額投資非課税制度)を拡充する」「家計の貯蓄を資産運用に回す」「眠り続けている1000兆円の預貯金をたたき起こす」などと投資を呼び掛けているが、こんな乱高下する相場で総理大臣が自分の無策無能を棚に上げて庶民に株式投資を勧めるなんてマトモじゃない。
企業や庶民の活力を奪ったアベノミクス
所得倍増は風呂敷を広げ過ぎたが、資産増であれば現実的かも──。5月に英国の金融街で講演した際、「インベスト・イン・キシダ」をぶち上げた岸田の“狙い”はおそらくこんなところだろう。
だが、総務省の調査によると、今の日本では全世帯の約3割が預貯金・株式などの金融資産残高が150万円未満だ。つまり、岸田がどんなに投資の旗を振っても、そもそも投資へ振り向けるだけの余力がないわけで、本来であれば投資するための貯蓄をどうやったら増やせるのか──が最も重要であり、それこそが政治に求められている知恵ではないのか。
岸田は大学卒業後、日本長期信用銀行(当時)に勤めていたはずだが、金融機関で一体何を学んだのか。よくもまあ、「近年の総理大臣の中では、経済と金融の実態に精通している」などとエラソーに言えたもの。これぞ厚顔無恥というべきだろう。岸田が自画自賛するように「経済と金融の実態に精通」しているのであれば、円安、物価高を招き、日本を借金漬けにして国民生活を壊滅的な状況に追い込んでいるアベノミクスの失敗を認めることだろう。
アベノミクスがやったことは、自公独裁体制の確立と引き換えに大企業を優遇し、ハリボテの株高を演出して企業や庶民のモノを生み出す活力、創造性を奪っただけ。今度の参院選ではすでに「自民安泰」などと報じられているが、このままだと、日本は間違いなく沈没だろう。
福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏がこう言う。
「やりますと口先ばかりで何もしない首相。庶民が苦しんでいるのに円安・物価高を放置したままの日銀総裁。そろって正気の沙汰ではない。『家計の値上げ許容度が高まっている』との発言は傲慢そのもの。自分たちの過ちは絶対に認めず、国民は痛みを受け入れるのが当然と考えている証左だ。今度の参院選で問われているのは与党か野党かという単純な選択ではない。日本の将来、針路が問われているのだ」
声を上げない国民は無策の「岸田インフレ政権」に搾取されるだけだ。
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