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自民・吉川議員の“パパ活”問題でワイドショーが昨日まで沈黙、今日になって急に報道し始めた理由! 細田議長のセクハラはいまもスルー
https://lite-ra.com/2022/06/post-6202.html
2022.06.15 自民・吉川議員“パパ活”問題と細田議長のセクハラめぐるワイドショーの忖度 リテラ
首相官邸HPより
18歳女性に4万円の小遣いを渡し、高級焼肉店で飲酒した上、高級ホテルで過ごしたと「週刊ポスト」(小学館)に報じられた吉川赳・衆院議員の問題だが、国会会期末を迎えた今日になって、ようやくワイドショーが本格的に取り上げはじめた。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)や『めざまし8』(フジテレビ)、『ひるおび』(TBS)、『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』(CBCテレビ)なども軒並みこの問題を扱っている。
しかし、これ、あまりに遅すぎると言わざるを得ないだろう。じつは、これらのワイドショーは昨日まで、この問題をほとんど報じていなかったのだ。
言っておくが、この疑惑は完全に現役国会議員による「性搾取」問題だ。しかも、相手の女性は吉川議員から「バーに行くだけ」と言われたにもかかわらずホテルの部屋に連れて行かれ、さらには部屋で服を脱がされて過呼吸になったこと、「胸を見せて」と要求されたこと、挙げ句、目の前で吉川議員が自慰行為を始めたことも証言している。20歳未満を飲酒させたことだけでも悪質だが、国会議員による買春疑惑、18歳の女性に対する性加害疑惑として追及されるべき重大な問題だ。
この疑惑をスクープしたのは10日発売の「週刊ポスト」(小学館)だが、前日9日夕方には「NEWSポストセブン」が記事内容を前打ちしており、10日(金)朝には吉川議員が所属していた岸田派のトップである岸田文雄首相がコメントを出していた。
この報道を受けて、ネット上では批判が殺到。だが、ネットとは対照的な動きを見せたのが、テレビ、とくにワイドショーだった。現役国会議員による“パパ活”疑惑という、これが地方議員や野党議員なら、絶対に飛びつくであろう話題であるにもかかわらず、10日のワイドショーは完全にスルー。ストレートニュースの枠で岸田首相のコメントを伝えた番組があった程度だった。
さらに、10日(金)夜に吉川議員が自民党に離党届を提出したが、週が明けた13日(月)になっても、この疑惑を取り上げたのは『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)だけ。その『ミヤネ屋』にしても、吉川議員が離党したことで禊は済んだかのような手ぬるい内容だった。そして、昨日14日(火)も、ワイドショーはどの番組も大きく取り上げようとはしなかったのだ。
■先週はスルーしていた自民・吉川議員の“パパ活”問題をワイドショーが報じ始めた理由
このダンマリの背景にあったのは、無論、自民党に対する忖度にほかならない。参院選が近いことから、自民党に「選挙を左右しようとしている」などといちゃもんをつけられるのを恐れて、ワイドショーは問題を完全にスルーしようとしていたのだ。
それが、先述したように、今日になって『モーニングショー』や『めざまし8』、『ひるおび』、『ゴゴスマ』などが一斉に取り上げはじめたのだが、じつはこれも、自民党の顔色をうかがってのことだったらしい。
というのも、吉川議員の問題については、今週になって世耕弘成・参院幹事長を筆頭に安倍派を中心に自民党内から「議員辞職すべき」と吉川議員をする声が上がり始めたからだ。吉川議員が議員辞職に値するのはその通りだが、安倍派としては、高い支持率を維持する岸田首相の党内の影響力を削ぐべく岸田派のスキャンダルに乗っかって揺さぶりをかけているというわけだ
ところが、これに敏感に反応したのが、テレビ局だった。ある民放のワイドショースタッフが苦笑しながら、こう話す。
「自民党の中でも、テレビ局に強硬に圧力をかけてくるのが、安倍派だからね。その安倍派から吉川議員を糾弾する声が上がり始めたことで、各局とも『それなら、取り上げても大丈夫ということだろう』と判断。時事通信が『安倍政権なら間髪入れずに議員辞職させていた』などという安倍派中堅のコメントを載せたことも大きかった。安倍派はむしろ、自分たちの追及姿勢を宣伝してもらいたがっているというのを敏感に感じ取って、国会会期末の今日を狙って、吉川問題を取り上げたという流れだろう」
国会議員による買春、性加害疑惑という問題の深刻さを捉えるのではなく、自民党、とくに安倍派への忖度でニュースの価値を決める──。まったく呆れ果てるほかない。
さらに下劣なのは、どのワイドショーも吉川議員の疑惑を取り上げながら、あの疑惑には触れずにスルーしていることだ。「あの疑惑」とは、言わずもがな、自民党の細田博之・衆院議長のセクハラ疑惑だ。
■細田博之衆院議長のセクハラ問題をスルーし続けるワイドショー
ご存知のとおり、細田議長をめぐっては、女性記者らに深夜に電話をかけて「今からこないか」「添い寝したら(重要情報を)教えてあげる」と迫るなどのセクハラを繰り返してきたことを「週刊文春」(文藝春秋)が連続して報道。「週刊文春」の第一報後には細田議長本人が女性記者たちに口止めをほのめかす“圧力電話”をかけていたことまで暴露されている。だが、細田議長は「事実無根」と否定し、国会閉会後に法的措置をとるとして説明をすることもなく逃げつづけている。
当たり前だが、衆参議長は立法府を司る三権の長であり、その職責は極めて重い。にもかかわらずセクハラ疑惑の説明責任から逃げるとは、国会議員としてももちろん、ましてや議長を務める資格などない。
ところが、ワイドショーは現在の安倍派である自民党最大派閥・清和会の元領袖たる細田議長の問題には目を瞑り、阿武町の誤送金問題などに血道を上げる始末。これまでずっとスルーしてきているのだ。
同じ週刊誌報道がベースになっているにもかかわらず、吉川問題は取り上げて、細田問題は取り上げない……。言っておくが、いま自民党は週刊誌報道をもとに吉川議員に対して「議員辞職しろ!」などと叫んでいるが、一方で細田議長のセクハラ疑惑には週刊誌報道であることを盾にして庇いに庇いつづけているのだ。ところが、ワイドショーは細田議長のセクハラ疑惑を無視していることはもちろん、吉川議員と細田議長の対応の違いという自民党の二枚舌ぶりをも無視し、報じようとしないのだ。
いや、それどころか『ひるおび』では、吉川議員の疑惑について、田崎氏は相手女性が「風俗店」に勤めていたという話を聞いた、などと強調。大学生であろうと飲食店や風俗店に勤務していようと吉川議員の買春疑惑、性搾取問題に何の変わりもないが、田崎氏はその後も「(議員辞職は)本人が判断するしかない」などと自民党の責任を矮小化しつづけたのだ。
いまだに安倍派の顔色を伺い、細田議長の疑惑と自民党の二枚舌をスルーするワイドショーの不作為──。 そもそも、前述したように細田議長は女性記者たちに圧力をかけて口封じしようとしているだけでなく、新聞・テレビの政治部や上層部も細田議長の問題を追及することによって情報源を失いかねないという恐れや保身から告発の封じ込めに手を貸しているような状況にある。このように報道が歪められたまま参院選に突入することに、不信感を抱かずにはいられないだろう。
(編集部)
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