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※紙面抜粋
※2022年6月13日 日刊ゲンダイ2面
【何度も言うが自民を勝たせたら万事休す】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) June 13, 2022
防衛費倍増はあらゆる面で「亡国への道」
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/2DF4t1UpdQ
※文字起こし
これぞ火事場ドロボーだ。ウクライナ戦争を奇貨とばかりに、岸田首相が「防衛費の相当な増額」に向けて前のめりで動き回っている。
12日までシンガポールで開催されていた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」に、日本の首相として8年ぶりに出席。初日の基調講演で「平和のための岸田ビジョン」を意気揚々と提唱した。初の著書である政策集のタイトルも「岸田ビジョン」なのだが、アベノミクスしかり。冠番組を持つのがステータスの芸能人じゃあるまいし、国際社会に向けた発信にまで名前を入れる厚顔無恥には恐れ入る。
ネーミングセンスはさておき、岸田が訴えたのは、(1)ルールに基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化(2)安全保障の強化(3)「核兵器のない世界」に向けた取り組み(4)国連機能の強化(5)経済安全保障など国際的な連携強化──の5本柱からなる政権の取り組み。その主眼は日本の防衛力の抜本的強化だ。「私自身、〈ウクライナは明日の東アジアかもしれない〉という強い危機感を抱いている」と台湾有事の発生をあおり、「5年以内に抜本的に強化し、防衛費の相当な増額を確保する決意だ」「いわゆる『反撃能力』を含め、あらゆる選択肢を排除しない」と胸を張った。
岸田は先月来日した米国のバイデン大統領に対し、「防衛費の相当な増額を確保する決意」や「反撃能力を含めたあらゆる選択肢を排除しない決意」を口約束していた。その後、安倍元首相を中心とする自民党タカ派からやいのやいの言われながらまとめた今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」には、本文で「NATO(北大西洋条約機構)諸国は国防予算を対GDP(国内総生産)比2%以上とする基準を満たすという誓約」があるとの説明を盛り込み、別の段落で「防衛力を5年以内に抜本的に強化」と明記。2022年度当初予算の防衛費は約5兆4000億円だ。
つまり、5年以内に11兆円規模に倍増し、専守防衛との整合性が問われる敵基地攻撃能力の保有に邁進するということ。その是非を国民に正面から問うこともなければ、キッチリとした国会審議を経ることもなく、国際会議で披露し、実現へ向けて既成事実をどんどん積み上げている。
爆買い安倍失政のツケ
何度でも言うが、参院選で自民を勝たせたら万事休す。防衛費倍増はあらゆる面で「亡国への道」だ。
安倍の手先となって「GDP比2%以上」「5年以内」の文言を骨太に押し込んだ自民の高市政調会長は12日の「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ系)で、敵の射程圏外から攻撃可能な「スタンド・オフ・ミサイル(長距離巡航ミサイル)」の導入などを念頭に、「必要なものを積み上げていったら、どちらにしても10兆円規模になっていく」などと言っていたが、真に受けたらダメだ。防衛費倍増の背景について、防衛ジャーナリストの半田滋氏は日刊ゲンダイにこう話していた。
「FMS(対外有償軍事援助)による米国製兵器の調達額は、第2次安倍政権で大きく膨らみました。それまでは、民主党政権でもその前の自民党政権でも500億〜600億円で推移していたのが、安倍政権の2013年度に1000億円になり、15年度には4000億円、19年度には7000億円を超えたのです。安倍政権8年のローンの支払いが今、本格化している。今年度の米国への“ツケ払い”は対前年比で10%以上も増えています。防衛費の内訳は4割が人件費、4割がローンなどの歳出化経費、2割が一般物件費で、ローンの額が膨らめば防衛費が足りなくなるのは当然です。兵器が本当に必要なのかどうかとは関係なく、安倍政権の8年で米国に巨額を支払う流れができてしまい、逃れられなくなっている。弾薬不足などという防衛費増額理由の解説は口実。安倍元首相の失政を見えなくする隠蔽工作です」
軍産複合体ニンマリで高まる紛争リスク
改めて半田滋氏に聞くと、こう言った。
「岸田首相が国会で〈具体的な内容が決まらなければ、それに見合う予算を言うことはできない〉と答弁していたのは何だったのか。高市発言でハッキリしたのは、防衛費倍増は積算方式ではなく、やはり大枠ありきということ。俎上に載った長射程のミサイル保有についても疑念が拭えません。敵の動向を捕捉するインテリジェンス能力を欠く自衛隊による単独運用は考えられず、米軍の情報に頼るほかない。しかし、イラク戦争を早々に支持したことからも分かるように、日本は米国からもたらされた情報が正しいかどうかの判断がつきません。米国と日本の国防政策は異なるのに、米軍と自衛隊の共同作戦が拡大し、自衛隊は米軍の手足となる方向へ向かおうとしているのではないか」
ただでさえ米国製兵器の爆買いが常態化しているのに、米軍と自衛隊の一体運用が加速すれば、バイデン政権を支える軍産複合体はニンマリだろう。裏を返せば、他国の紛争に巻き込まれるリスクが高まるということだ。
国内ではマトモな議論もないまま、岸田はあちこちで国際公約をしているが、安全保障上は逆効果、敵基地攻撃には青天井の軍事費が待ち受けている。
高市はフジテレビの番組で防衛費倍増の財源について「短期的には国債発行になる」と言い、「増額は国債で対応していけばいい」と吠える安倍の発言をシレッとなぞっていたが、先の大戦を教訓に財政法は建設国債を除く国債発行を原則禁止している。軍拡に国債増発なんてもってのほかだ。となれば、大増税か社会保障費削減以外に捻出する手はない。5兆円を米国の軍事産業に貢ぎ続ければ、日本は経済も教育も福祉もズタズタになるだろう。
衰退の一途をたどるこの国の経済にとって、5兆円がいかに巨額か。アベノミクスの金融緩和が引き起こしている物価高騰に苦しむ国民に振り向ければ、暮らしがどれほど楽になることか。
半年で変貌した国会風景
例えば、消費税の減税。税率を10%から8%に引き下げるのに必要な財源は4兆3146億円だ。立憲民主党などの野党4党は物価高対策として時限的に5%への引き下げを求めているが、岸田政権は一顧だにしない。厚労省によると、19年度の医療費のうち国民負担額は5兆1837億円。5兆円あれば、ほぼタダにできる。
支給額が減らされる年金生活者4051万人に毎月1万円を上乗せ払いしても、4兆8612億円だ。立憲民主の試算などによると、大学授業料の無償化は年間1兆8000億円、児童手当の支給対象を現行の中学3年までから高校3年まで延長した上で、親の所得制限を撤廃して一律で1人1万4500円を支払っても年間1兆円。小・中学校の給食無償化は年間4386億円だというから、3点セットで実行してもお釣りが出る。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「バイデン米政権はウクライナ戦争の対応に追われつつも、最も注力しているのは中国包囲網の構築です。昨年3月の上院軍事委員会公聴会で、インド太平洋軍司令官が中国による台湾侵攻の可能性について〈6年以内に危機が明らかになる〉と証言したことを契機に27年を見据えて動き始め、シャングリラ・ダイアローグでもオースティン国防長官が台湾有事に備えた軍事力の向上を明言した。自民党が『5年以内』の防衛費倍増にこだわるのは米国に連動しているためで、憲法改正まで一気呵成の算段でしょう。有事の際には集団的自衛権を行使して米軍が求める戦力を提供する一方、経済安全保障推進法の施行によって米国と一緒に戦争ができる経済体制づくりを進めているのです。昨秋の衆院選からわずか半年で国会の風景はガラリと変わった。日本維新の会のみならず、国民民主党も与党にすり寄っている。岸田自民が参院選で勝ち、国政選挙のない『黄金の3年間』を手にすれば、この国は根底から変わってしまいかねない。参院選は平和国家を守り抜くか、戦争国家へと変貌するかを決する関ケ原の戦いなのです」
まっとうな野党を存続させるためには、有権者の行動が必須だ。
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