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※紙面抜粋
※2022年5月16日 日刊ゲンダイ2面
【何から何まで米国の言いなり】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) May 16, 2022
やがて列島全体が沖縄化していくだろう
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/K33ncVtAbC
※文字起こし
「いったい日本とは何なのか」(朝日新聞)
「続く不条理を放置できぬ」(毎日新聞)
「自立と安定の未来を築きたい 国と県が協力し基地負担減らせ」(読売新聞)
「沖縄の重み 再確認する復帰50年に」(日経新聞)
「協調と発展の道を進め 県は抑止力の大切さ認識を」(産経新聞)
沖縄が1972年の本土復帰から50年を迎えた15日、全国紙は社説でこぞって米軍基地問題を論じていた。国土面積0.6%の沖縄に約7割が集中する異常な負担の軽減を訴えるのは当然だが、ロシアによるウクライナ侵攻をダシに国防の最前線を担えと言わんばかりの論調もあった。根底にあるのは、自衛隊と米軍の一体化によって抑止力が高まるというご都合主義のロジックだ。何から何まで米国の言いなりでは、やがて日本列島全体が沖縄化していくだろう。
基本的人権や言論の自由を奪われた米軍統治下から「平和憲法の下への復帰」を求め、「基地のない平和な島」の実現を待ち望む沖縄県民の思いは、半世紀を経てもないがしろにされている。
復帰前後に実施されたのは、沖縄ではなく本土の米軍基地削減だった。71年から73年にかけて本土は214平方キロから102平方キロに半減したが、沖縄では324平方キロから275平方キロに縮小されただけで、15%減にとどまる。本土に展開していた米軍部隊の一部が沖縄に移され、一極集中の構図が出来上がったのだ。
日米間の売国的な取り決め
沖縄返還にあたり、日米は基地負担をめぐる基本方針について「核抜き・本土並み」としたが、当時の佐藤栄作首相とニクソン大統領は「重大な緊急事態の際には、米国は再び沖縄に核兵器を持ち込む」との密約を交わし、「本土並み」は日米安保条約の適用にすり替えられた。米軍が基地を復帰前と同じように使うことを認める合意も秘密裏に結ばれ、それは日米地位協定によって担保され続けている。「国内法不適用」の特権を持つ米軍が水際対策を無視し、沖縄に新型コロナウイルスをまき散らしたことでも地位協定の不条理は浮き彫りとなった。
沖縄国際大大学院教授の前泊博盛氏(日米安保論)は、日刊ゲンダイのインタビューでこう指摘していた。
〈主権を侵害する地位協定がなぜ全く改定されないのか。戦後体制はサンフランシスコ講和条約、旧安保条約、地位協定の前身にあたる日米行政協定の締結から始まりました。米側の狙いは旧安保によって日本全土を潜在的基地とし、行政協定で具体的な運用を担保することだった。講和条約を立案した国務省顧問ダレスの「われわれが望む数の兵力を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利を確保すること」という発言が知られていますが、その思惑通りに全土基地方式を盛り込んだのが大きな特徴なのです。だから米軍が必要だと主張すれば、どこでも自由に演習ができる。新安保、地位協定でもそれは変わりません。ダレスの補佐官だったアリソンが「安保条約が署名されたら、日本側代表団の少なくともひとりは帰国後暗殺されるだろう」と口にしたほど売国的な取り決めなのです〉
米国ペースで進む岸田政権の安保戦略
沖縄復帰50年で大メディアは基地問題の理不尽さをアリバイのように書いているが、基地集中が一向に改善されず、地位協定が一度たりとも改定されないのは、「売国的な取り決め」を結んだ自民党を中心とする日本政府が米国の意向に逆らえないからだ。
岸田首相は宜野湾市で開かれた15日の記念式典に出席。式辞で米軍キャンプ瑞慶覧の一部区域に触れ、返還に先立って米側と共同使用するとして「緑地公園として県民に利用していただくと、近く日米間で合意する」とブチ上げ、参院選や9月の県知事選をにらんで基地負担軽減をアピールしたが、沖縄が求める地位協定の改定は否定。「具体的な課題に迅速、的確に対応するために何をするべきか、今後もあり方を絶えず検討していかなければならない」とゴマカした。
岸田がシッポを振るバイデン政権は存在感を増す中国に対抗するため、インド太平洋地域への影響力拡大に躍起だ。中核に位置づける日米豪印の「QUAD(クアッド)」や、米英豪の「AUKUS(オーカス)」に続き、ASEAN(東南アジア諸国連合)の抱き込みにも動いている。
各国首脳らをワシントンに招いて開いた先週の特別会合で、11月に予定する首脳会議でASEANとの関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることで合意。海上安全保障の協力などに総額1.5億ドルの拠出も表明し、バイデン大統領は「米ASEAN関係の新たな時代が幕を開ける」「今後50年間の世界史の大部分がわれわれの関係によって記される」と意気揚々だった。
もっとも、ASEANの最大の貿易相手国である中国は昨年の段階で同様のパートナーシップ締結で合意している。米国が狙う中ロ包囲網のアジア軍事同盟の先に何があるのか。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「インド太平洋地域にはNATO(北大西洋条約機構)のような集団安全保障の枠組みは存在せず、これまで米国は2国間同盟による『ハブ・アンド・スポーク』で関与してきました。この方式は米国にとって負担が大きく、超大国として存在していたからこそ機能が維持できた。パワーの衰えと中国の台頭に直面し、この地域にも集団的自衛権を行使する可能性のある組織をつくり上げようというのでしょう。ただ、NATOでハンガリーなどがロシア産原油の禁輸をめぐって抵抗し、クアッドに引き込んだインドがロシア寄りの姿勢を変えないように、米国主導の枠組みが一枚岩になるとは限らない。
そもそも、アジアには伝統的に米国と距離を置く国が少なくありませんし、スリランカへの対応をどう見ているか。経済危機に政情不安が重なり、米国が影響力を持つ世界銀行やIMF(国際通貨基金)による支援に弾みがつかない。インドや中国が支援に乗り出しています。米国の意向に疑問を差し挟まずについていくのは、日本くらいのものでしょう」
ロシア、フィンランドは早くも対立激化
岸田政権は外交・安保政策の長期指針「国家安全保障戦略」などの年内改定に向け、米国の国家防衛戦略とのすり合わせを進めている。「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」に呼びかえ、敵のミサイル拠点を叩く能力の保有も既定路線だ。
国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。
「中国は海軍力を増強し、空母『遼寧』が沖縄沖で艦載の戦闘機やヘリコプターの発着艦を繰り返しています。米国防総省の指摘通り、警戒する必要はありますが、国内の保守派が騒ぎ立てるような有事が差し迫っているのか。そんなことはないと思います。逆に言えば、中国脅威論をたき付ける米国のペースにあえて巻き込まれることで、米国に追従する口実をつくっているようにも見えます。NATOの北方拡大もそうですが、グランドデザインを描けるリーダーがいない。5年後、10年後を見据え、ロシアの孤立化にどんなメリットがあるのか。対中ブロック、対ロブロックの形成がどんな結果を生み出すのか。一面的な動きはむしろ危険をはらんでいる」
フィンランドはNATOへの加盟申請を正式表明。今週にも隣国スウェーデンとほぼ同時申請する見通しだが、反発するロシアはフィンランドへの電力供給をストップするなど、早くも報復措置に打って出ている。
国民が目を覚まさなければ、米国追随の日本は新冷戦の前線基地にされるだけだ。
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