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沖縄復帰50周年の節目に玉城デニー知事が発表した「新たな建議書」の不完全さ 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/305018
2022/05/12 日刊ゲンダイ
記者会見で「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を手にする沖縄県の玉城デニー知事(C)共同通信社
今週末の5月15日は沖縄が復帰を成し遂げてから50周年という節目で、それを前に玉城デニー知事は「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」を発表した。
言うまでもなく、復帰前夜の1971年に当時の屋良朝苗琉球政府主席(後に県知事)が、沖縄返還協定の関連法案を審議中だった政府と国会に対して県民の切なる思いを届けるべく練り上げた「復帰措置に関する建議書」を強く意識しつつ、そこに盛られた米軍基地の全面撤去などの要求が50年経って実現するどころか、逆に後退して、沖縄県の基地負担率はむしろ増えていることを印象付けるために、「新たな建議書」という標題にしたのである。
しかし、一読して私が不満を覚えたのは、まず屋良建議書が関連法案の問題点を微に入り細をうがつようにあぶり出して改善点を突きつけるというプロフェッショナルな水準の議論を5万5000字にわたって展開したのと比べて、玉城建議書は9600字と5分の1の長さであること。いや、長い短いの問題ではなくて、なぜ50年もの歳月を費やして県民の要求が一向に実現しないのかについて突っ込んだ分析が何もなされずに、その長さで終わっていることである。
それどころか、屋良建議書にあって玉城建議書にはない重大問題があり、それは自衛隊の沖縄配備に対する明確な「ノー」の意思表明である。
そもそも佐藤栄作内閣による沖縄返還には、「島ぐるみ闘争」と呼ばれた県民の闘いの盛り上がりに畏れをなして日本の警察と自衛隊に米軍基地を防護させようという狙いが含まれていた。
自衛隊側もそれに便乗して守備範囲を大きく南西方面に拡張したのだが、さらに悪乗りして、北海道で旧ソ連の脅威に当たっていた陸上自衛隊の“失業対策”として、今度は中国の脅威を誇大に描き上げて南西諸島にミサイル基地を造ったり、佐世保に米海兵隊まがいの敵前上陸部隊を新設したりしてきたのである。
これによって、安倍内閣の集団的自衛権の部分的解禁と相まって、日米が共に中国と戦う場合の中心拠点に沖縄が据えられようとしているのに、玉城建議書がそのことに正面から触れようとしないのは不思議としか言いようがない。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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