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※紙面抜粋
※2022年4月25日 日刊ゲンダイ
【狂乱物価も北方領土も自民の失政だ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) April 25, 2022
なんでもロシアのせいにする 岸田政権の狡猾
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/RUWqxMkCGz
※文字起こし
ロシアのウクライナ侵攻開始から2カ月。岸田首相は23日、「ロシアによる非道な侵略を終わらせるためにも、今が正念場だ」と記者団に語っていた。
原油高など物価高騰による国民生活への影響についても言及し、「国民の皆さんにも、平和を守るための正念場であるとの思いを共有して、ご協力いただければと思う」と強調。物価高騰に「正念場」「国民も協力を」などと言い出したが、なんでもロシアのせいにして、肝心の物価高対策は「自助任せ」ということではないのか。
岸田は26日決定する総合緊急対策を念頭に、「しっかりとした物価対策を用意して国民生活、経済への影響をできるだけ抑えるべく努力をしていきたい」とも言っていた。その対策の規模は1.5兆円程度。急激な円安進行や物価高に対応するには、規模があまりにも小さすぎる。
燃油価格の上昇を抑えるための補助金の上限額を1リットルあたり25円から35円に拡充、低所得世帯の子どもに対する1人5万円給付が対策の柱だ。他にエネルギー・原材料・食料などの安定供給向けの計上額は、わずか300億円に過ぎない。
日本の総世帯数(5572万世帯)で割ると、1世帯540円弱で国民生活もだいぶ安くみられたものだ。
止まらぬ原材料高騰を受けても、依然として価格転嫁できない多くの中小企業が苦しむ中、こんなチマチマした対策を平気で打ち出す政権のセンスを疑う。一体どこが「しっかりとした物価対策」なのか。
国民の生活より選挙対策が第一
昨秋からガソリンや小麦などの価格高騰はズ〜ッと続いているのに、岸田がようやく重い腰を上げ、総合緊急対策の策定を指示したのは3月29日のこと。そもそも、どこまで本気の対策なのかすら怪しいものだ。
岸田政権は夏の参院選に向け、失点を防ぐ「守り」の姿勢が基本戦略だ。だから、当初は予算委員会で岸田が野党の攻勢にさらされるのを警戒し、補正予算案の編成に難色。コロナ対策に支出を限定した5兆円の予備費を流用して緊急対策をサッサと片づけ、そのまま参院選になだれ込もうとしたわけだ。
結局、早くから今国会での補正成立を求めてきた連立パートナーの公明党に自民党が譲歩。2.5兆円超の補正予算案を提出する運びとなったが、大半は使い回しで減った予備費を元の水準に戻す“補填”に消える。国会で使途を審議する必要のない予備費を「便利な財布」扱いするゴマカシ策は残ったままだ。
そもそも、公明党が「補正成立」を声高に訴えたのは参院選直前の見せ場づくりのため。成果をアピールしたい下心はミエミエだ。
つまり、今の政権与党にとっての最優先事項は参院選対策。選挙に向けた「やってる感」の演出こそが大事で、物価高騰に苦しむ庶民の暮らしは二の次、三の次ってことらしい。
「そんなデタラメを糊塗する好材料がロシアの軍事侵攻です。ウクライナの惨事に便乗し、物価高騰に対する無策を弁解する。みんなプーチン大統領が悪いと失政の責任を押しつけるだけでなく、他人の不幸に乗って大軍拡の方針を打ち出そうとする。人間として、どうかと思いますよ」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
労働者度外視で人件費削減策に邁進した大罪
はたして物価高騰や、それを後押しする1ドル=130円台目前の急激な円安は本当に「ロシアのせい」なのか。確かに直近の資源や穀物などの高騰はウクライナ侵攻による影響が大きい。加えて日米の金利差を意識した「悪い円安」の進行が追い打ちをかけ、調達コストが跳ね上がり、今後も販売価格は高騰し、狂乱物価を招くだろう。
問題は狂乱物価の要因となる円安が、史上まれに見る独歩安ということだ。対米ドルに限らず、ユーロや中国元、経済制裁でデフォルト危機のロシアのルーブルよりも安い。通貨の価値は基本的に国力を反映する。歴史的な「日本売り」は、この国の衰退を物語る。
その責任は「失われた30年」という言葉がある通り、歴代の自民党政権にある。この30年間で日本の平均賃金は「ほぼ横ばい」というOECD調査が無策の象徴だ。
同調査によると、日本の平均賃金はOECD加盟35カ国のうち22位。1990〜2020年の上昇率は米国47.7%、英44.2%、独33.7%、仏31.0%に対し、日本はたった4.4%だ。米国や韓国は日本円にして200万円以上も賃金が伸びたのに、日本はわずか18万円と信じがたいほど差が開いている。
「この30年、賃金を上げるどころか、『上げない』政策を続けてきたのだから、当然の結果です」と言うのは経済評論家の斎藤満氏だ。
「その傾向は小泉政権以降に顕著となり、大企業重視で『いずれ、おこぼれが回ってくる』と労働者はそっちのけ。請負や派遣など非正規雇用を拡大し、労働コストを抑制してきました。今や賃金労働者の4割が非正規となり、その平均年収は175万円と正規雇用の3分の1程度です。これでは国力が衰えるのも仕方ありません」
さらに国力低下に拍車をかけたのは、アベノミクスの異次元緩和という“シャブ漬け”政策だ。ロコツな円安誘導は為替差益だけで儲けられるため、産業界はあぐらをかき、設備投資もロクにせず、内部留保だけが、ブクブクと膨張。国際競争力を失ってしまった。
「安いニッポン」を目指し、外国人旅行客が大挙して押しかけ、インバウンド需要を喚起する側面もあったが、それもコロナ禍でパーだ。
持参金ごと北方4島を奪われたのは誰だ
「円安で輸出企業は潤うと言いますが、輸出頼みの経済構造も長年の失政が生み出したものです。例えば自動車産業は、賃金抑制策により国内で車を購入できる層が激減。海外の富裕層に販売活路を見いだすしかない。総合的な通貨の実力をみる指標の『実質実効為替レート』は50年ぶりの低水準に沈み、円の実質的な価値は1ドル=300円台だった時代に逆戻り。今の『悪い円安』は、企業重視でコスト削減一辺倒の“ぬるま湯”政策により、日本経済が弱体化した証拠です」(斎藤満氏=前出)
歴代政権の亡国政策、自身の無策を棚に上げ、よくぞ岸田も「ロシアのせい」にできるものだが、北方領土の問題も「ロシアのせい」だ。
外務省は22年版外交青書で「北方領土は日本固有の領土だが、現在ロシアに不法占拠されている」と明記。ロシアの「不法占拠」という表現は19年ぶりに、「日本固有の領土」は11年ぶりにそれぞれ復活した。
今になって再びロシアの不法占拠のせいにしているが、持参金と一緒に北方領土をプーチンにむしりとられた「アベ外交」には触れていない。もう北方領土が帰ってこないのは、安倍政権下のあり得ないような外交失態のせいだ。前出の五十嵐仁氏はこう言った。
「19年にはロシアとの平和交渉に考慮して『北方四島は日本に帰属』という表現を外交青書から削除し、プーチン氏をツケ上がらせたのは安倍政権です。円安を進める日米の金利差もアベノミクスのツケ。狂乱物価も北方領土も安倍政権の失政なのに、岸田首相は遠慮してばかり。この『忖度』を流行させたのも安倍首相で、彼こそ諸悪の根源でしょう。その責任をメディアも追及せず、『ロシア=悪』の報道スタンスで、政権に便乗しやすい環境を与えています。ウクライナの人々に同情する健全な国民感情を巧みに利用し、さも頑張っているように振る舞う岸田首相と足並みを揃えるようなもの。メディアは政治的影響を考えて報道すべきです」
なんでもロシアのせいにする岸田政権の狡猾さに、大メディアも全面協力とは世も末だ。
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