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安倍の元秘書が立憲から出馬「山口の乱」が永田町にもたらす不穏 夏の参院選が、自民党の分水嶺に…
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2022年04月13日 FRIDAYデジタル
「安倍か、安倍以外か」自民党の議員たちは、今、そんな選択を迫られているという。「山口の乱」が日本中に及ぼす影響は… 写真:つのだよしお/アフロ
安倍晋三元首相のお膝元で、大激震が走っている。立憲民主党が仕掛けた「山口の乱」。安倍元首相の秘書だった「すべてを知る男」が、まさかの「立憲から出馬」することが発表になったのだ。
安倍の暗部を知る「元秘書砲」
今夏の参議院議員選挙で、立憲が山口県選挙区に秋山賢治氏(52歳)を擁立する。彼は、1993年から2007年までの14年という長きにわたって、安倍晋三事務所の私設秘書として勤めていた。つまり、安倍元首相とその事務所の「内情」を知り尽くしている男、というわけだ。
仕えていた時期は違えど、「モリカケ」「桜」問題や「文書改ざん」問題の内実、そして安倍元首相の関わりの有無については、なんらかの情報を握っている可能性もある。「それをいつ、どんな形で公表するのか。世間に知られてはならない『なにか』が暴露されるのかもしれない」と、山口の政財界は恐怖しているのだ。それはもちろん、永田町でも同じだ。「関係者」の心は穏やかではないだろう。
勝負の参院選に向け、立憲・泉健太執行部は、対自民党攻勢の第1弾として安倍元首相の地元へ破壊力抜群の候補者を立て、勝負に出たというわけだ。
閣僚経験者が言う。
「秋山氏なら、リアルタイムではないにせよ森友学園の土地取得にかかわる経緯や加計学園獣医学部新設の経緯を把握しているはず。安倍氏が自らの後援会を優遇招待した官邸花見の会、いわゆる『桜問題』についてはいわずもがなです。
ロシア・プーチン大統領との蜜月、安倍元首相と事務所の考え方、その政治体質は、知り尽くしているはず。首相を退いた今も自民党に影響力をもつ『安倍政治』の内実が、選挙戦を通して総括されることになるでしょう。
今回、立憲・大西健介選対部長が山口県議員団と協議し、秋山氏擁立に踏み切ったそうです。自民党としては大いに脅威です」
「安倍との距離感」が政治生命を左右する
場合によっては、安倍氏にダメージを与えるだけではない。長期政権を目論む岸田文雄首相にとっても、このタイミングで「安倍政治の負の遺産」が暴露されれば、イメージダウンは避けられない。しかも党内では、2年後の自民党総裁選に向けて有力者が動き出しているのだ。
「じつは今、自民党の誰もが苦心するのは『安倍さんとの距離感』なんです。茂木敏充幹事長は、多数派を構成している安倍派、麻生派を後ろ盾にしたいと考えている。同様に、萩生田光一経済産業大臣、西村康稔や、高市早苗政調会長も安倍頼み。他方、河野太郎や石破茂は、独自の政治勢力を構築しようとしている菅義偉前首相と接近している。
今、自民党は、各自が『親安倍』か『反安倍』かを問われている状態。選挙のことしか考えていません。これでは国民の理解は得られない。そんなことでいいはずはありません。そろそろ、党としての結論を出すべきだと思う。そうしなければ先に進めない政党になっているんです」(自民党代議士)
たった一人の政治家の意向が国の舵取りに大きな影響力を持つことの恐ろしさは、ロシアによるウクライナ侵攻で嫌というほどわかった。現代社会において、「こういうこと」が現実に起こるのだ。ロシア国民の不幸は、他人事ではない。
国民に情報を開示しないまま、半ば強制的に「ある方向」に社会を誘導する政治手法は明らかに間違っていることを、世界ははっきりと知った。そのひずみが、日本の社会を閉塞させ、成長を止めていることを、我々は認めなければならない。
「山口の乱」を端緒に与党の再編成が起こり、今夏の参院選以降、山口だけでなく日本の各地で「乱」が起きるかもしれない。
取材・文:岩城周太郎 写真:つのだよしお/アフロ
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