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※補足 2022年4月7日 朝日新聞26面 紙面クリック拡大
朝日新聞の現役記者が“安倍元首相の代理人”として他メディアに「ゲラ見せろ」と圧力! 政権御用『ひるおび』がコメンテータに起用
https://lite-ra.com/2022/04/post-6181.html
2022.04.08 朝日新聞の現役記者が安倍元首相の“代理人”として他メディアに圧力! リテラ
元首相が北海道に出向いて記者の講義に登壇(安倍晋三Twitterより)
昨日7日、朝日新聞が朝刊で公表した記者の懲戒処分が大きな波紋を呼んでいる。なんと、朝日のスター記者が、安倍晋三・元首相の“代理人”として他媒体の記事に“介入”していたからだ。
その記者とは、編集委員の峯村健司氏。中国総局員やアメリカ総局員を経験するなど外交・安全保障や米国・中国を専門分野としてきた記者で、2011年には中国問題の積極的な報道が評価されボーン・上田記念国際記者賞を、2021年にはLINEが中国の関連会社から個人情報を閲覧できる状態にしていたことをスクープし新聞協会賞(ニュース部門)を受賞。こうした一連の実績は「反中」のネトウヨ論客からも一目置かれ、実際、安倍応援団のひとりである有本香氏は以前から「朝日の良心」として事あるごとにベタ褒めしてきた。
さらに、今年1月からは『ひるおび』(TBS)の木曜レギュラーを務めるなど、コメンテーターとしても活躍。先月3月20日には朝日新聞社を4月20日で退社することを公表しており、今後はさらにメディア露出が増えていくと見られていた。
しかし、その退社まで約2週間というタイミングで発表された今回の懲戒処分と処分にいたった経緯は、記者・ジャーナリスト失格と言わざるを得ない、驚愕のものだった。
朝日の調査結果はこうだ。先月3月9日、ダイヤモンド社が発行するビジネス誌「週刊ダイヤモンド」が安倍晋三・元首相にインタビューをおこなったが、翌10日夜に安倍インタビューを担当した副編集長のもとに峯村氏から入電。そこで峯村氏は、こんな要求をおこなったというのだ。
「安倍(元)総理がインタビューの中身を心配されている。私が全ての顧問を引き受けている」
「とりあえず、ゲラ(誌面)を見せてください」
「ゴーサインは私が決める」
新聞社の現役記者が、つい数年前まで首相として絶対的権力をふるってきた安倍の名前を出して「私が全ての顧問を引き受けている」と言い出す──。この事実だけでも衝撃的だが、さらには「ゲラを見せろ」「ゴーサインは私が決める」などと他社の記事に介入、検閲しようとしたというのだ。
言っておくが、本来、報道において、記事を事前チェックするなどというのはありえない。しかも、今回のインタビューは元首相であり現役の国会議員、つまり為政者である。たとえインタビューを受けた当人だとしても、政治にかかわる人物が記事の事前検閲を求めるというのは国家権力による報道への介入につながる行為であり、認められるものではない。
■安倍元首相との親密ぶりを誇らしげに開陳! 峯村健司の噴飯反論
だが、今回のケースはそれどころの話ではない。インタビューを受けた安倍氏本人でもなければ、インタビュー現場に立ち会った秘書などでさえない、まったく無関係の現役新聞記者である峯村氏が「ゲラを見せろ」などと要求、「週刊ダイヤモンド」の編集権を平気で踏みにじったのだ。
無論、この峯村氏による要求には「週刊ダイヤモンド」編集部も黙っておらず、朝日新聞社に対して「編集権の侵害に相当する。威圧的な言動で社員に強い精神的ストレスをもたらした」と抗議。その結果、朝日本社が調査を実施し、今回の処分発表となったのだ。
峯村氏といえば、前述したように中国を専門とし、中国共産党のメディア規制の問題を批判的に報じてきた記者だ。にもかかわらず、よりにもよって元首相の名代として検閲を要求するとは……。
しかし、さらに驚かされたのは、峯村氏が朝日の朝刊にぶつけるかのように「note」に公開した「反論文」だ。なんと、峯村氏は今回の処分を「不当」だとした上で、自身の行為を反省するどころか正当化してみせたのだ。
まず、峯村氏による「経緯」の説明には、こう書かれている。
〈私は、中国問題をはじめとした安全保障分野の知見があることから、かねがね政府高官らから相談を受けることがあり、安倍氏にも外交・安全保障について議員会館で定期的にレクチャーをさせていただいていました。安倍氏が首相特使としてマレーシアに向かう前日の3月9日も、ロシアによるウクライナ侵攻など最近の国際情勢について説明をしていました。〉
政治家と癒着することがないよう一定の距離をもって接することが記者に求められることは言うまでもないが、そうした慎重さが峯村氏の文章からは感じられないどころか、むしろ元首相にも目をかけられてきたことを誇らしげに開陳しているようにも見える。だが、問題はここからだ。この場で峯村記者は、安倍元首相からこんな依頼をされたという。
「ニュークリアシェアリング(核兵器の共有)についてのインタビューを受けたのだが、酷い事実誤認に基づく質問があり、誤報になることを心配している」
「明日朝から海外出張するので、ニュークリアシェアリングの部分のファクトチェックをしてもらえるとありがたい」
記者の質問が「事実誤認」だと心配ならば、安倍本人あるいは事務所の秘書が確認するなりすればいい話。にもかかわらず、まったく無関係の峯村記者に「ファクトチェック」を依頼する──。しかも、峯村記者によると、安倍氏との面談後にも、安倍事務所の秘書からも「対応に困っている」と相談を受けたという。
■安倍元首相を「友人」と呼び、安倍応援団そっくりのネトウヨ話法まるだしの反論
その言い訳を読んでいると、逆に、安倍元首相と峯村記者の関係がいかに深く、「一体化」していたのかが伺えるが、あ然とさせられたのは、峯村氏が検閲の役割を引き受けた、その「理由」だ。
〈私はひとりのジャーナリストとして、また、ひとりの日本人として、国論を二分するニュークリアシェアリングについて、とんでもない記事が出てしまっては、国民に対する重大な誤報となりますし、国際的にも日本の信用が失墜しかねないことを非常に危惧しました。また、ジャーナリストにとって誤報を防ぐことが最も重要なことであり、今、現実に誤報を食い止めることができるのは自分しかいない、という使命感も感じました。〉
大前提として安倍氏がロシアのウクライナ侵略にかこつけて言い出した「ニュークリアシェアリング」(核共有)論は、安全保障の専門家たちが揃って一蹴したように、正当性も妥当性も何もないシロモノだが、そもそも安倍氏が「酷い事実誤認の質問」と心配しているだけで、本当に「週刊ダイヤモンド」の副編集長の質問が事実誤認だったのか、インタビュー現場に立ち会っていない峯村記者には真相はわかりようもないし、不安な部分があるのなら安倍事務所が「あの質問は事実誤認だったのでは」と確認すべきだと助言すればいいだけだ。なのに、峯村記者は編集権の侵害、検閲行為を「今、現実に誤報を食い止めることができるのは自分しかいない」などと正当化したのだ。
だが、さらに開いた口が塞がらないのは、峯村氏は自身の検閲を正当化すべく、こうも書いていることだ。
〈この時、私の頭によぎったのが、朝日新聞による慰安婦報道です。誤った証言に基づいた報道が国内外に広まり、結果として日本の国益を大きく損なった誤報でした。〉
本サイトでは何度も指摘してきたが、朝日が2014年に誤報だと認めた日本軍「従軍慰安婦」の強制連行をめぐる吉田清治証言は、朝日だけの誤報ではない。産経や読売、毎日も吉田氏を記事で紹介しており、産経は〈被害証言がなくとも、それで強制連行がなかったともいえない。吉田さんが、証言者として重要なかぎを握っていることは確かだ〉とまで書いていたのだ。しかも従軍慰安婦の強制連行をめぐっては吉田証言以外にも元慰安婦や元兵士らの証言や史料など数々の根拠があるにもかかわらず、安倍氏と応援団は「朝日新聞が日本の誇りを傷つけて、強制連行という間違った情報を世界に広めた」と事実を歪め、吉田証言取り消しをもって慰安婦の軍関与や強制連行の事実そのものをなかったことにする世論誘導にまで使ってきた。にもかかわらず、峯村記者は安倍氏の依頼で検閲を引き受けたことを正当化するのに、ここで慰安婦報道を引き合いに出したのだ。
しかも、峯村氏は〈「全ての顧問を引き受けている」と言ったのも、安倍氏から事実確認を依頼されていることを理解してもらうためでした〉などと開き直り、記者にあるまじき発言をおこなったことも平然と正当化。
挙げ句、朝日がおこなった当然の調査についても、〈愛する会社からの仕打ち〉と表現して、北京特派員時代に中国当局に25回拘束されて受けた取り調べと比較し、〈強権国家の警察当局の取り調べをもある種で上回る精神的苦痛を感じるものでした〉などと記述。さらに、ここでも朝日が誤報と認めた2014年の慰安婦報道と福島第一原発事故の「吉田調書」報道を持ち出し、〈今回の取り調べでも始めに「処分」の結論ありきで、朝日新聞的な「角度をつけた」ものと言わざるをえません〉と朝日批判を展開したのだ。
「朝日新聞的な角度をつけたもの」って、安倍元首相や産経などの応援団メディア、ネトウヨたちがよく語っていることを想起させるフレーズだが、元首相の代わりに他社の編集部に検閲を要求したことを開き直るだけではなく、その自分がおこなった問題行為の調査を「朝日新聞的な角度をつけたもの」などと批判する──。峯村氏は反論文のなかで、安倍氏との「一体化」を否定し〈ジャーナリストとして致命的な誤報を阻止しようと行動〉しただけだと主張しているが、「一体化」どころか、もはや安倍氏のネトウヨ的な陰謀論までをも共有しているとしか思えない。
■第2の山口敬之か田崎スシローか? 御用番組『ひるおび』新レギュラーにも起用
これまでも、産経新聞の阿比留瑠比氏やNHKの岩田明子氏、そして元TBS記者の山口敬之氏らが「安倍御用ジャーナリスト御三家」と呼ばれてきたが、この一体ぶり、代理人ぶりを見れば、峯村氏も同様だと言わざるを得ないだろう。
事実、朝日の調査結果によると、峯村氏は「安倍氏とは6年ほど前に知人を介して知り合った。取材ではなく、友人の一人として、外交や安全保障について話をしていた。安倍氏への取材をもとに記事を書いたことはない」と説明。安倍氏との関係は首相時代からのものであり、また、この期に及んで最高権力者だった安倍氏を「友人」など呼んでいるのだ。他社の記事にさえ平然と介入する峯村氏の言うことを信じられるわけがなく、朝日は峯村記者が自社の記事に介入した事例はないのかなど徹底検証する必要があるのは言うまでもない。
いや、必要なのは朝日の検証だけではない。繰り返すが、峯村氏は『ひるおび』の曜日レギュラーコメンテーターであり、同番組だけではなく『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)などのワイドショーや報道番組にも数々出演してきた。これらの番組に峯村氏は「中国や米国に詳しい朝日の記者」として出演してきたが、ところが実際には「安倍元首相の代理人」だった、というわけだ。
首相を辞めたとはいえ、メディアにはいまなお安倍氏の影響力は色濃く残っている。つまり、『ひるおび』が峯村氏をレギュラーコメンテーターに抜擢したのも、安倍氏と近いことを考慮した可能性も十分考えられるだろう。
しかも、峯村氏は、朝日の退社を公表する直前から、安倍氏との関係を誇示するような行動にも出ていた。「週刊ダイヤモンド」に検閲を要求した10日後、また峯村氏が朝日を退社することを公表する前日の先月3月19日、峯村氏はTwitterにこんな投稿をおこなっていた。
〈おかげさまで2年間の北海道大学公共政策学研究センター研究員としての任期を終えました。学生のみなさんとは政策シミュレーションを通じて活発な議論をしてきました。みなさん意欲的で勤勉でやりがいがある授業でした。最終講義ではスペシャルゲストとして安倍元首相に御登壇いただきました。〉
〈安倍氏とは日頃から外交政策などについて意見交換をしていますが、学生からの鋭い質問によって興味深い外交交渉の裏話が披露されました。一連の講義を通じて多くの学生が外交や安全保障に興味を持っていただき「人生が変わった」と有り難い言葉をいただきました。みなさんのご活躍を祈念しています!〉
そして、この峯村氏の投稿を安倍氏も引用リツイートし、〈当日は吹雪の中刺激的なひと時でした〉と投稿している。
元首相が、わざわざ北海道まで出向いて記者の講義に登壇する──。時系列を考えれば、安倍氏に代わって峯村氏が検閲に動いたことの「ご褒美」「お返し」のようにも見えるが、このような持ちつ持たれつの癒着関係を、朝日退社を控えて峯村氏は自らひけらかしていたのである。
大手メディア出身の安倍御用ジャーナリストといえば、TBS退社後、安倍氏の礼賛本を出版、ワイドショーから引っぱりだこになった山口敬之氏がいるが、峯村氏も同じ道を歩むのだろうか。
実際、ネトウヨ界隈はすでに峯村氏の今回の処分をめぐって、お門違いの朝日批判を繰り出して、峯村氏を擁護している。たとえば安倍応援団のひとりである上念司氏も〈これは本当に酷い。権威主義国家の秘密警察のような取り調べ、結論ありきの一方的な処分です〉などと投稿。しかも、峯村氏もこれをリツイートしており、今後、「正論」や「WiLL」「Hanada」といったネトウヨ論壇から引く手あまたとなることは間違いない。
まあ、ネトウヨ論壇でなら勝手にやってくれればいいが、問題はやはり、峯村氏がすでに、『ひるおび』をはじめとするワイドショーなどでコメンテーターを務めていることだ。
特定為政者の息のかかった人物を起用することは、世論誘導の危険性がある。しかも、峯村氏は安倍氏の代理人として他社の報道を検閲しようとした人物なのだ。このような人物に情報番組のコメンテーターをやらせていいのか。昨日7日放送の『ひるおび』は、峯村氏がレギュラーの木曜日だったにもかかわらず峯村氏は出演しなかったが、今後どうなるのか。こちらも見届ける必要がある。
(編集部)
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