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※2022年3月17日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年3月17日 日刊ゲンダイ2面
【「ウクライナ頑張れ」だけではどうにもならない】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) March 17, 2022
対ロ制裁 やるなら凄まじい覚悟が必要
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/xHsu9du8bU
※文字起こし
市街地のあちこちに立ち上る黒煙と鳴り響く激しい爆音。砲撃で破壊され、爆風によってガラスがなくなった高層アパートの部屋に広がる激しい炎。穴だらけの道をおぼつかない足取りで逃げ惑い、泣き叫ぶ住民……。
ロシア軍によるウクライナ侵攻は日増しに戦闘が激化する一方で、今や世界中の人々が祈るような気持ちで、この「21世紀最悪」ともいえる殺戮行為が終わる日を待ち続けている。
ここにきて、ロシア、ウクライナ両国代表団による停戦協議が「進展しているもよう」などと報じられ、明るい兆しが見えてきたかのような雰囲気もあるが、残念ながら今のところ期待薄だろう。
各国首脳から「ヒトラー」「戦争犯罪者」と蔑まれるプーチン大統領が、ロシア軍の侵攻が当初の計画通りに進んでいないからといって、今さら、ウクライナに対して「ハイ分かりました」と譲歩の姿勢に転じると思えないからだ。
果たしてプーチンは一体、何を考えているのか。なぜ、世界中を敵に回してでも大量虐殺を続けるのか。
「敵国が包囲」というプーチンの被害妄想
その手掛かりとなるエピソードがある。ロシアは2014年3月、今回と同様に「武力による実力行使」でクリミアを併合。その3年後、プーチンはクリミアの土地に、19世紀末のロシア皇帝・アレクサンドル3世の銅像を建てた。
アレクサンドル3世は、西ヨーロッパ流の立憲主義に反対して専制政治を強化した皇帝で、プーチンが最も尊敬しているとされる人物だ。
そのアレクサンドル3世はこんな言葉を残している。
<我々は敵国や我々を憎んでいる国に包囲されているということ、我々ロシア人には友人はいないということだ。我々には友人も同盟国も必要ない。最良の同盟国でも我々を裏切るからだ。ロシアには信頼できる同盟者は2つしかいない。それはロシアの陸軍と海軍である>
プーチンは、このアレクサンドル3世の言葉を銅像の台座に彫り込んだ。つまり、「我々は敵国に包囲されている」という、現代では被害妄想とも言っていい勝手な思い込みにとらわれているプーチンが、世界各国から激しい非難を浴びたからといって、自ら始めた戦争をそう簡単に終結させるはずがないのだ。
おそらく、プーチンはとことん突き進む気だろう。欧米など周辺国はウクライナに対して武器や資金を提供し、「頑張れ」と言っているが、劣勢状態のウクライナが今後、戦況を劇的に好転させる力があるとは思えない。
ここで忘れてならないのは、狂気のプーチン率いるロシア軍と戦い、血を流すのはウクライナ人であるということだ。「ウクライナ頑張れ」はその通りだが、「頑張れ」という言葉に押されたウクライナが徹底抗戦するほど、悲劇の長期化と泥沼化は避けられない。一刻も早い停戦、終戦を望んでいる世界の人々も、そんなやりきれなさを感じているのではないか。
「信頼できる同盟者は陸軍と海軍」という、いわば「軍事力がすべて」というプーチンを前に「ウクライナ頑張れ」という薄っぺらな正義感だけではどうにもならない現実を忘れてはならないだろう。
福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏がこう言う。
「自国がロシアに直接攻撃されているのであればともかく、そうではない。欧米にとっては危機感が薄いのが実態なのだろう。今回の件で、いずれロシアは世界で孤立を深め、自滅すると考えている。それが分かっているから『頑張れ』というばかりで前面に立とうとしないのだ。悲しいがそれが現実ではないか」
円安、燃料・食糧高で国民生活は奈落の底へ |
繰り返すが、「同盟国は必要ない」「軍事力がすべて」と考えているプーチンは、この先も一切妥協する気はないだろう。極論かもしれないが、この最悪な戦争に陥った展開を振り返れば、少なくとも楽観的な見方よりも、そう見た方がいい。
それは「経済戦争」でも同じだ。プーチンは、強まる対ロシアの経済制裁の包囲網に対しても一歩も引かない。WTO(世界貿易機関)に加盟する日米欧など14カ国・地域は共同声明で、ロシアに対して貿易優遇措置「最恵国待遇」の撤回を含めた「必要なあらゆる行動を取る」と表明。EU(欧州連合)も高級車やワイン、宝石などのぜいたく品のロシア輸出を禁止する一方、ロシア産の鉄鋼製品の輸入禁止やロシアのエネルギー産業への投資や関連機器・技術輸出の禁止、特定のロシア国営企業との取引を全面的に停止させる措置も導入した。
WTO、EUともに、ロシア経済を世界から孤立させ、プーチン政権への圧力を高めるのが狙いとされるが、それならば、今のように「ロシア産の天然ガスや石油の輸入は(制裁対象から)除く」なんて生ぬるい対応で効果が期待できるはずがないだろう。
本気でロシア経済に打撃を与え、プーチンの暴走を止めるのであれば、自国の経済も“返り血を浴びる”ほどの凄まじい覚悟が必要なのは当然ではないか。
国民に我慢を強いるのが経済制裁の意味
「頑張れ」と言って武器を渡すけれども兵隊は派遣しない。「経済制裁」と言って輸出入の禁止や関税の引き上げなどを科しながら、「でも、これは僕たちも困るからね」とばかり抜け穴をつくる。こんなグダグダな姿勢では「狂ったプーチン・ロシア」をツケ上がらせるだけ。そして、その欧米の対応を見ながら右往左往して軸が定まらない日本の政治家もまた、果たしてどれだけの覚悟を持っているのか。
すでに日本経済はウクライナ紛争の影響で、原油などの燃料輸入額が増加。財務省が16日発表した2月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6683億円の赤字となり、輸出額と輸入額はともに2月としては過去最大となった。
原油と液化天然ガス(LNG)の輸入額が急騰し、輸入額のうち、原油は前年同月比で93.2%、LNGは65.3%とそろって大幅増だ。原油が値上がれば当然、物流や製造コストにも跳ね返ってくるのは避けられない。ロシアは世界有数の「ガス大国」であり、日本の発電の実に4割はLNGだから、供給が滞れば、電気代やガス代は上昇。やがて資材などの値上がりにもつながるだろう。
食料品も大打撃だ。穀物類はトウモロコシなどの価格高騰で同53.9%増。畜産や酪農など飼料を扱う農家にとっては大きな負担になるのは間違いないし、出荷される牛・豚肉などの価格に反映されるのも時間の問題だ。
ロシアは世界のそばの3割以上を生産しており、そば粉輸入が滞れば、最悪、立ち食いそば店がバタバタ潰れる事態になるかもしれない。それでなくても、すでに小麦粉は北米の不作などで前期比17.3%も値上がりしているのだ。
つまり、賃金が上がらない中で超インフレが進み、それが常態化しかねない事態に陥るわけで、それがロシアに対する経済制裁が示す「もう一つの意味」だ。そんな国民に強いる我慢を、薄っぺらな正義感の洗脳で覆い隠そうとしているのが岸田政権であり、その姿勢に危うさを感じる国民は少なくないだろう。
政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「岸田政権には今回のウクライナ戦争について、日本政府としてどう向き合うのかという視点も戦略も覚悟もない。コロナ禍が続く中、すでに激しい円安が進み、燃料も高騰。国民生活に影響が出始めているにもかかわらずです。それでいて戦争が長引くほど、エネルギー需要の高まりでウハウハの米国に唯々諾々と従って動いているから情けない」
岸田首相は16日の会見で、「国民への経済的打撃を小さくするため、あらゆる政策を思い切って講じる」と言っていたが、全く期待できない。
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- プーチン政権「5月に金欠」終戦か 飛び交うロシア危機説、“最後の一撃”の選択肢まで(日刊ゲンダイ) :戦争板リンク 赤かぶ 2022/3/18 13:58:05
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