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※2022年3月4日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年3月4日 日刊ゲンダイ2面
【「不介入」を宣言しといて何を今さら】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) March 4, 2022
口だけ勇ましいバイデンがさらなる悲劇を招く恐れ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/PsFf79HdXk
※文字起こし
ロシアがウクライナに軍事侵攻してから3日で1週間経った。
ロシア軍は、ウクライナ第2の都市ハリコフや南部ヘルソンなど各地で攻撃を強化。軍事施設に限らず、住宅地に向かって戦略爆撃機から誘導ミサイルを撃ち込むなど、かつてシリアやチェチェンで見せたような無差別かつ残虐な手法を使いながら首都キエフ制圧に向けて進撃を続けている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、ロシア軍の攻撃によって、これまでウクライナ全土で227人の市民の死亡が確認されたといい、ウクライナ非常事態庁も「2000人以上の民間人が死亡した」と明らかにした。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の推計では、ウクライナから近隣諸国に逃れた避難民は100万人を突破し、さらに増え続ける見通しだ。
ロシアとウクライナ両代表団による停戦交渉は続いているものの、互いの主張の隔たりは大きく、先行きは不透明なまま。果たして、この無意味で理不尽な戦争はいつまで続くのか。今後、どれほど多くの惨劇をもたらすことになるのか。
西側諸国とロシアの全面戦争に突入したり、1962年のキューバ危機以来となる「核戦争」含みの最悪の緊張状態を招いたりするのか。世界中の人々が暗澹たる思いを抱いているに違いない。
国連決議でプーチンの狂気は止められるか
それにしても、今さらながら、なぜ、こんな状況になってしまったのか。
指摘されている通り、ロシア軍侵攻の一因は、ウクライナのゼレンスキー政権が昨年、2014年に締結した「ミンスク合意」を履行しない方針を鮮明にしたり、親ロシア系住民が住む東部ドネツク州の近郊で独立派武装組織を砲撃したりしたことがある。とはいえ、いくら「大ロシア帝国復活」をもくろむプーチン大統領だって今のように世界中を敵にするような泥沼の展開は望んでいなかったはずだ。
ゼレンスキー政権を牽制する意味で国境付近に集結させていた軍隊を、プーチンはなぜ、実際に侵攻させたのか。欧米メディアが盛んに報じているように、正常な判断がつかない状態に陥り、狂ってしまったのだろうか。
福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏がこう言う。
「プーチンが力の外交に出るのは時間の問題だったのだろう。ロシアは近年、核大国という位置づけ以外に存在感を示せず、共同歩調を取っていた中国にも経済力で大きく離された。ロシアにとってウクライナはNATO加盟の問題もあるが、中国が掲げる(広域経済圏構想の)一帯一路の玄関口であり、両国は急速に近しい関係を築いている。ロシアの地位がどんどん低下しているのは明らかで、何らかの手法で求心力を高めなければ、かつての(ルーマニアの)チャウシェスク政権のようになる。その恐怖がプーチンにはあったのだろう。狂ったというよりも、追い詰められていたと言っていい」
どんな理由があるにせよ、侵略戦争を仕掛けたロシア軍の愚行は決して許されないのは言うまでもない。ただ、プーチンが武力行使という禁じ手に踏み切った背景には、欧米各国の対応のまずさもあっただろう。いずれの国も、今のようなドンパチが始まるまで「傍観者ヅラ」して不介入を決め込んでいたからだ。
ウクライナをめぐるロシアの不穏な動きは昨秋から断続的に見られていたにもかかわらず、各国首脳は「まさか国連安全保障理事会の常任理事国が戦争を仕掛けることはないだろう」「核の脅しはしないだろう」と高をくくっていたのではないか。その予想がもろくも崩れて大慌て。国連総会の緊急特別会合で、ロシア軍の即時撤退などを求める決議案を賛成多数で採択したが、狂気のプーチンを相手にどこまで実効性があるのかは疑問と言わざるを得ない。
世界各地で「火種」をつくっては軍事介入してきた米国 |
とりわけ、よく分からないのが米国の姿勢だ。
1日の一般教書演説で、ロシアとの対決姿勢を強調したバイデン大統領は、ウクライナ国民の「鉄の意志」を称賛する一方、プーチンを「侵略者」と猛批判。「独裁者に侵略の代償を払わせなければ、混乱が生じ、米国と世界への脅威は高まり続ける」と訴えていたが、バイデンの言う「代償を払わせる」とは具体的に何を意味するのか。
そもそも、バイデンは今回のロシア軍のウクライナ侵攻に対し、早くから「米国は軍事介入しない」と宣言していたはずだ。それが戦争になった途端、拳を振り上げるかのごとく、勇ましい言葉を並べているから、ウクライナ国民から見れば、「何を今さら」ではないか。
しかも、米国と同様、NATO(北大西洋条約機構)も未加盟のウクライナには軍部隊は派遣しない方針だから、ウクライナは「孤立無援」(ゼレンスキー大統領)で戦わざるを得ない。
プーチンと何度も首脳会談を重ねながら、今回の侵略戦争を止められず、いざ戦争が始まったら小国ウクライナに戦わせ、自分たちは側面支援だけ。「代償を払わせる」と言うばかりで停戦の仲介もしない、できない米国に一体、何ができるというのか。右往左往しているバイデンの姿勢を見ていると、11月の中間選挙に向け、自身の低迷する支持率を支えるためにロシアの軍事侵攻を“口先利用”しているだけじゃないのか、とささやかれるのも無理はない。
バイデン政権を支えているのは軍需産業
第2次大戦以降、ベトナムやアフガン、イラクなど世界各地で紛争の「火種」をつくっては軍事介入してきた米国。振り返れば、今回、ロシアが軍事侵攻する「火種」といわれる「ウクライナのNATO加盟議論」だって、きっかけをつくったのは米国だ。
2008年のNATO首脳会議で、ブッシュ大統領(当時)はウクライナとジョージアのNATO加盟を促進する具体策を提案。
この時はドイツ、フランスが「ロシアを無意味に刺激するな」として強く反対したため実現しなかったが、ロシアを刺激したのは間違いないだろう。
そんな「軍事介入マッチポンプ」のような米国、バイデン政権が今回の国連決議を受け、「ウクライナだけでなく、世界の平和と安全の根幹、国連が立脚するものすべてが攻撃されている」「プーチンのロシアに立ち向かわなければ、一層の混乱と侵略を世界にもたらす」なんて言っているのだから背筋が凍る。
「口だけ勇ましい」バイデンの口車に乗ったら、ウクライナにとどまらず、世界中でさらなる悲劇、混乱を招く可能性も出てくるだろう。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。
「バイデン政権は金融資本と軍需産業が支援してできた政権であり、少なくとも、ウクライナに対し、ドイツやオランダ、スウェーデンなど各国が武器供与を決めた今の状況は軍需産業にとっては好ましい状況と言えるでしょう。バイデン政権が今回の軍事衝突について積極的に解決に乗り出す姿勢が見られないのも、長期化する方が都合がよいと考えているからなのかもしれません。経済無策といわれるバイデン政権にとって、今回の軍事侵攻がなければ支持率が一気に下がっていたはずで、今の軍事的緊張が支持率下落に歯止めをかける一因になると思います」
そんな米国の「思惑」をさっぱり考えず、一蓮托生とばかり思考停止状態に陥っているのが今の日本外交だ。右派議員からは「核兵器共有を議論しろ」などと火事場泥棒のような意見も出ているからクラクラする。拳を振り上げ、勇ましいことを言い続けることだけが外交じゃないといい加減、理解しなければ、かつての悲劇が繰り返されるだけだ。
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