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岸田が安倍と「戦略的休戦」へ!真綿で締め上げる「嫌がらせ作戦」についに音を上げた 永田町ドキュメント
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/92704
2022.02.23 小倉 健一 イトモス研究所所長 現代ビジネス
苛烈さを増す新旧トップの闘い
権力争いで美酒に酔った人物は、いつまでも権力争いにおびえるというのは、古今東西で同じだろう。知略を尽くして頂点へと突き進めば、それがブーメランとして返ってくることへの恐れは消えない。今、日本の権力中枢である政界で現職首相と元首相による権力の攻防に変化が生まれている。公衆の面前では満面の笑みで握手を求め、机の下では脛を蹴り合い、激しくぶつかり合う新旧トップによる闘いは苛烈さを増している。
現役の首相こそが無敵の強者であるとの一般論は、今の永田町では通じない。「一寸先は闇」という言葉が似合う政界では、しばしば自民党内の「疑似政権交代」から激しい権力争いが生じてきた。佐藤栄作首相の後を争った「三角大福」(三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫の各氏)や、中曽根康弘首相の後継をめぐる「安竹宮」(安倍晋太郎・竹下登・宮沢喜一の各氏)による権力の攻防はあまりに有名だ。
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令和時代の闘いは、宮沢元首相以来30年ぶりの宏池会政権誕生によって生じることになった。宏池会を受け継いだ岸田文雄首相(自民党総裁)と対するのは、安倍氏の次男である安倍晋三元首相である。
全国紙政治部記者が解説する。
「2人の関係は元々悪くはありません。しかし、それは互いに権力を持っていなかった時代と、安倍氏が首相として全盛を誇っていたときの話。負けず嫌いの安倍氏と大人しい岸田氏は真逆の性格で、穏健でアジア外交を重視する『ハト派」の岸田氏がと、保守系議員を束ねる『タカ派』の安倍氏と、勢力が拮抗する今、争いが生じるのは当然ですよ」
「自民党内はどうなっているんだ?
たかが、自民党の「コップの中の争い」と言うことなかれ。それは、マスク1枚から外交・安全保障政策の行方までを左右し、今後の勢力図の変化につながる可能性がある闘いなのである。
「自民党内はどうなっているんだ?」。複数の政府・与党関係者によれば、人事や政策で安倍氏と距離を置いてきた岸田首相は今年に入り、自らの判断に迷うことが多くなったという。その理由は、ことごとく政治判断が異なる自民党最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)の領袖を意識せざるを得ない状況に追い込まれているからだ。
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直近では、岸田政権が世界文化遺産候補として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦した「佐渡島の金山」(新潟県)をめぐる攻防があった。当初、首相官邸や外務省は「朝鮮半島出身者の労働者が戦時中に過酷な労働をさせられた場所だ」と反発を強める韓国政府に配慮し、2023年の登録に向けた推薦は見送る方針だった。
これに真っ向から異を唱えたのが安倍氏だ。「論戦を避ける形で登録を申請しないのは間違っている」と公言し、高市早苗政調会長ら保守系議員も相次いで「弱腰外交」批判を展開した。結局、突き上げられた形の岸田首相は1月28日、「早期に議論を開始することが登録実現への近道であるとの結論に至った」と方針転換を表明せざるを得なくなった。
中国による香港や新疆ウイグル自治区などの人権問題を非難する国会決議をめぐる駆け引きも同様だ。昨年末の決議を目指した高市氏に対し、2月の北京冬季五輪への影響などを考慮した岸田執行部は「今はそのタイミングではない」と一蹴した。しかし、安倍氏に近い保守系議員からの批判に押され、最終的には中国を名指しせず「非難」もしないという異様な国会決議が2月1日に採択されている。
マスクだけでない 安倍政権の負の遺産
岸田首相を悩ませているのは、史上最長となった安倍政権時代の「負の遺産」もある。新型コロナウイルス対策の一環として安倍政権が配布した布製マスク「アベノマスク」だ。400億円以上かけて調達されたマスクは、国民すべてに配布することができず約8000万枚が在庫として眠る。岸田首相は希望者への無料配布を表明したのだが、今度はその配送料に10億円近くもかかるとの試算があるのだ。
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一度は廃棄することを方針だったものの、安倍氏への配慮もあって無料配布する道を選択した岸田首相。しかし、これには実業家のひろゆき氏(西村博之氏)が2月4日のツイッターで「廃棄費用6000万円をケチって、配送料が10億円かかるそうです。現政権には算数出来ない人しか居ないのかな?」と指摘。野党からも「今はアベノマスクの有効利用を議論している場合ではない」との批判が岸田首相を襲う。
「7900万枚の在庫がございました。これを廃棄する決定があったんですが、希望者を募ったところ2億8000万枚の希望がございました。もっと早くやっておいていただければ良かったのかなとこう思うところでございました」と豪語した安倍元首相。
しかし、アベノマスクの在庫は2020年8月から2021年3月にかけての保管費だけで約6億円に上り、「岸田首相は、安倍政権時代のことを国会で追及されるたびにイライラしているようだった」(全国紙記者)とされる。
最近、岸田首相がたどり着いた道があるという。それは今年夏の参院選で勝利をつかみ、政権運営を盤石にするまでは「戦略的に休戦」するということだ。内閣支持率の下落傾向がみられる中、首相は2月9日に安倍元首相と会談。緊張が高まるウクライナ情勢などをめぐり「指南」を求めた。これまでの苦汁は一時忘れ、あえて懐に飛び込んで助言を受け入れる「抱きつき戦略」ともいえる。
参院選後に「安倍一派」外しへ
首相側近の林芳正外相が2月15日にロシアの経済発展相とテレビ会議をしたことを高市氏から「ロシア側を利することになるのではないか」と批判されても、岸田政権の水際対策を安倍氏に近い世耕弘茂参院幹事長から「ほとんど科学的に意味がない」と言われても、もはや気にもとめない。今は「とにかく耐える」(周辺)というのである。
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では、夏の参院選後はどのようなイメージを描いているのか。自民党担当の全国紙政治部記者が解説する。
「今のところ、普通にいけば参院選で自民党は負けません。昨年秋の衆院選に続いて国政選挙2連勝となれば、岸田首相の求心力は上がり、当面は大型選挙がないため落ち着いて政権を運営できる。その時に高市氏ら『安倍一派』を主要ポストから外し、岸田カラーを出していくことになるでしょう」
さらには、麻生太郎元首相の派閥や中谷元首相補佐官らのグループと合流して『大宏池会』という最大派閥を誕生させ、「安倍派と対抗していくプラン」も視野に入れているという。
昨年9月の自民党総裁選の際には、菅義偉政権時代の新型コロナウイルス対策を痛烈に批判したものの、やはり水際対策に失敗し、迷走を繰り返す岸田首相。安倍氏の舌鋒を、積みあがったアベノマスクで封じたいのが本音かもしれない。
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