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ロシアのウクライナ侵攻で安倍元首相の責任! プーチンに「君と同じ未来を見ている」、年金で経済制裁破りのロシア企業支援画策
https://lite-ra.com/2022/02/post-6164.html
2022.02.25 ロシアのウクライナ侵攻で安倍元首相の責任!経済制裁破りの支援画策も リテラ
2016年に訪日したプーチン大統領と安倍首相(当時)(官邸ホームページより)
とうとうロシアがウクライナの首都・キエフにまで攻撃を開始した。武力による一方的な他国への軍事侵攻・攻撃は絶対に許されるものではないし、プーチン大統領とロシアは侵攻を即刻中止すべきだ。
しかし、このロシアの暴挙のなかで呆れたのが、“プーチンの犬”安倍晋三元首相の手のひらの返し方だ。安倍元首相はきのう24日、党の会合で「戦後、私たちがつくってきた国際秩序に対する深刻な挑戦であり、断じて許すわけにはいかない」とロシアを非難したらしいのだが、いまさら何を、という話だろう。
安倍元首相はこの間、ロシアがウクライナ侵攻準備を着々と進めても一切まともに批判していなかった。
また、先日、安倍首相の子分である高市早苗・自民政調会長が、林芳正外相がロシアの経済発展相と日露経済をめぐり協議したことについて、「ロシア側を利することになる」「ロシアの術中に見事に自分からはまっていった」などと攻撃していたが、むしろ、こうした路線を後押ししたのは、安倍元首相だった。
実際、2月8日には岸田首相と会談、ウクライナ情勢や対露外交についてアドバイスしており、安倍元首相は北方領土交渉への影響を持ち出し、ロシアを刺激しないようけん制したのではないかといわれている。
さらに、岸田首相が15日夜、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行うと、安倍は17日の安倍派会合ですかさずそのことにふれたうえ、「(岸田首相は)おそらく近いうちにプーチン大統領にも日本の考え方を伝えるだろう」と語った。これは、ウクライナだけでなくロシアにもきちんと対応しろ、と圧力をかける意図があったとしか考えられない。
中国や韓国に対してはいまにも戦争を始めかねないような勇ましい発言を連発してきたウルトラタカ派の安倍元首相が、今回、ロシアに対して寛容だった理由は、もちろん、プーチン大統領との関係だ。
安倍元首相はとにかくプーチン大統領が大好き、首相在任中は何を命じられても言いなり、プーチンの利益になることなら、国際社会の秩序なんて平気で無視する“プーチンの犬”と化してきた。
それは、第二次政権発足直後から始まっている。2014年、ソチで冬季五輪が開かれたが、当時、同性愛宣言禁止法など、ロシアの人権問題が国際的な非難の的となり、ロシアへの抗議の意を込めてアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど欧米諸国の首脳が軒並み開会式への参加を見送った。ところが、そんななか、日本の安倍首相は開会式に出席し、プーチンに媚を売った。
■安倍がプーチンに「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」とネトウヨ同士の愛確認
しかし、犬っぷりがもっともひどかったのはやはり、この間の北方領土交渉だろう。安倍元首相はプーチン大統領との友情によって北方領土が返還されるかのような幻想を振りまいてきたが、実際は返還交渉なんて1ミリも進んでいない。
安倍首相はそれこそ、プーチンにいいように利用され、金を貢がせられてきただけだった。
まず、2016年12月のプーチン大統領の訪日では、安倍首相の地元・山口県に招待して豪華接待、一気に北方領土交渉進展を目論んだものの、プーチン大統領に2時間40分も待たされ、大恥をかかされた挙句、共同経済活動に日本側が約3000億円を投入することを約束されられた。
2018年の日露首脳会談でも、安倍首相は「(2島引き渡しを明記した1956年の)日ソ共同宣言が基礎」と強調、「2島は確実に取り戻す、ということだ」と喧伝していたが、会談翌日に当のプーチン大統領に2島について「宣言で、主権がどちらになるかは記されていない」と、引き渡しを完全否定される始末。さらには、翌年1月におこなわれた日露外相会談後のラブロフ外相の会見でも、2島返還以前に“主権は我々にある”と念押しされた挙げ句、“北方領土と呼ぶな”とまで言われてしまった。
しかも、ロシアはその後、択捉島と国後島に艦艇攻撃用ミサイルを配備し、択捉島には高性能な地対空ミサイルを実戦配備するなど軍事拠点化を進め始めた。
高市政調会長の言い方を借りれば、まさに「ロシアの術中に自らはまって
いった」のが当時の安倍首相だったのである。
ところが、安倍政権は、このロシアのやりたい放題、言いたい放題にほとんど抗議すらできず、それどころか、それまで毎年、2月7日の「北方領土の日」に政府が新聞各紙に広報広告を打ち〈北方領土は日本固有の領土です〉と宣言していたのに、2019年には「日本固有の領土」の文言を削除するところまで後退させてしまった。
まさに、金だけ貢いでプーチンの言いなり状態。しかし、それでも安倍首相のプーチン愛は冷めず、2019年の9月の日露会談では、冒頭、プーチンに向かって「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」などとできの悪いラブレターのようなメッセージを読んで失笑を買う始末だった。
■経済制裁のさなか、年金積立金を使ってプーチンに近い国営企業支援を画策した安倍政権
それだけではない。安倍政権は、ロシアのために西側諸国の経済制裁を破るような動きまでやろうとしていた。
ロシアは2014年のウクライナ・クリミア半島侵攻後の時点で、西側諸国から経済制裁受け、経済が悪化。制裁対象となっていたプーチンに近い国営石油会社「ロスネフチ」が経営難に陥っていた。
ところが、なんと、日本政府は西側の経済制裁を破り、年金積立金を使って「ロスネフチ」を支援しようとしたことが、ロイターのスクープで明らかになったのだ。
ロイターは、プーチンの側近でもあるロスネフチ会長のセチンのメモを入手。2018年11月「独自スクープ! ロシア国営銀行がロスネフチの資金を秘密裏に調達 外国の買い手が難色を示した後に(Exclusive :Russian state bank secretly financed Rosneft sale after foreign buyers balked)」という記事のなかで、「湾岸から日本へ」という見出しをつけて、2016年末ごろの日本側の経緯を以下のように、レポートしている。
〈ロシア政府関係者、ロスネフチに近い関係筋、そしてセチンが証人となった全く別件の裁判で浮上したセチンの会話記録によると、セチンは東に向かい日本の政府関係者と会談を始めた。会談は主に、日本の経済産業相・世耕弘成となされた。
交渉が合意に至った場合、その株式の購入者は、管理対象資産が1.4兆ドル以上をもつGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、または独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のいずれかになっていた、とこの件に詳しい3人の関係者がロイターに話した。(中略)
結局、取引は破綻した。
日本の経済産業省は質問に応じなかった。ロスネフチは、ロイターの取材に対し、日本との件に関しては、回答しなかった。JOGMECの広報は「回答できない」と言った。GPIFは、「直接関与していないため政府間の問題についてコメントすることはできない」と述べた。〉
そう、日本は一時、安倍元首相の側近である世耕弘成経産相(当時)が乗り出して、政府系ファンドにこの株を買わせようとしていたというのだ。経済制裁の対象となって、経営不振にあえいでいる企業の株を引き受けようとするとは、正気の沙汰とは思えないが、これも安倍首相の強い意向が働いていたといわれ、政権はかなり本気で動いていたようだ。
■安倍の経済支援の姿勢がプーチンの強気を招いた
もちろん、記事にもあったように、この日本と交渉は最終的には決裂した。しかし、日本側が「制裁対象国の国営企業株を取得するのはまずい」と断ったわけではない。ロイターは決裂の経緯をこう報じている。
〈裁判で再生されたセチンの会話記録によると、日本が第二次世界大戦末期から続くロシアとの領土問題の進展とリンクさせようと要求したことで、交渉は暗礁に乗り上げてしまった。〉
ようするに、日本政府は安倍首相がぶちあげた北方領土の返還交渉を進展させるため、間接的にでも経済制裁に反する可能性のある企業の株を政府系機関に購入させようとしていたのだ。
しかも、信じられないのが、その取得先の政府系機関としてGPIFの名前が真っ先に上がっていたことだ。ロイターの記事にもあるように、GPIFというのは、年金積立金管理運用独立行政法人のこと。国民が積み立てた年金を資産運用しているのだが、その金額は130〜160兆円にものぼり、「世界最大の機関投資家」ともいわれる。
GPIFは以前は、国民の年金を減らしてしまう危険性を考えて、株式などリスクのある投資をほとんどしていなかったが、第二次安倍政権になって株式への投資を全体の半分にまで増やした。この背景には、世界最大の機関投資家であるGPIFに大量に株を買わせれば、株価が上がり、景気が回復したという印象を与えることができるという安倍政権の計算があったといわれる。
ようするに、国民の大事な年金を世論操作と政権維持に利用してきたというわけだが、安倍政権はそれだけでなく、「北方領土問題進展」で自分たちの得点を稼ぐために、年金の金を使おうとしたのである。
しかも、このロマネスフチの株購入は頓挫したものの、安倍政権は経済支援する気満々だったはずだ。
今回、ロシアに「経済制裁をするぞ」という脅しが効いていないということがよく指摘されているが、その背景の一つには、安倍政権のこうした姿勢がプーチンとロシアを増長させてきた部分もあるのではないか。
しかも、安倍元首相は冒頭でも指摘したように、ウクライナ侵攻危機が現実化しても、つい一昨日までまともに批判せず、むしろ岸田政権に対してロシアの顔色を伺うよう圧力をかけ続けてきたフシさえある。
その結果がこれである。安倍元首相はあれだけプーチンとの友情とやらを強調してきたのだから、今頃になって慌ててロシアを非難する声明をアリバイ的に出している場合ではない。モスクワに飛んで、プーチンを説得してきたらどうなのか。もちろん相手にはされないだろうが。
(編集部)
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