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共産党すら「弱腰」呼ばわり。自称“外交の岸田”が聞いて呆れる中韓「忖度」
https://www.mag2.com/p/news/526681
2022.01.31 小倉健一 まぐまぐニュース
食い違うことも多い自己評価と他者評価ですが、それが一国の宰相に当てはまるとなれば、事態は一気に深刻なものとなりかねません。自ら「外交と安全保障の豊富な経験」を売りにする岸田首相のこれまでの働きぶりを、識者はどのように見るのでしょうか。今回、経済誌『プレジデント』元編集長で国会議員秘書の経験もあるITOMOS研究所所長の小倉健一さんは、共産党にすら「弱腰」呼ばわりされる岸田首相の外交力に疑問符をつけるとともに、未だリーダーシップが見えてこない状況を批判的に記しています。
プロフィール:小倉健一(おぐら・けんいち)
ITOMOS研究所所長。1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。
「外交では私以上の政治家いない」岸田首相、中国に怯え韓国に遠慮の意味不明
岸田文雄首相の「外交力」に疑問符がついている。外相や防衛相を歴任した首相は「外交・安全保障の分野では、私以上に経験豊かな政治家はあまり見当たらない」と豪語するが、中国や韓国が攻勢をかける“歴史戦”に毅然と対応できず、弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮に対しても包囲網や制裁強化などの動きを見せないためだ。繰り返すのは「遺憾」という言葉だけで、その本気度には自民党内で失望も広がる。
「中国を名指しにしないで、なぜ中国がやっていることが問題なのかということも書かずに、こういう決議をあげるということは、逆に日本の国会は容認しているというメッセージにもなりかねない」「中国に対してはなんでこんなことしか言えないのか、こういう決議をあげることは逆にマイナスになるのではないかと言わざるを得ない」。
中国による香港や新疆ウイグル自治区などの人権問題を非難する国会決議案に関し、1月24日のBSフジ番組で「弱腰」批判を展開したのは共産党の小池晃書記局長だった。2月1日にも国会での決議が見込まれる決議案は、自民党の高市早苗政調会長ら保守系議員が中心となって提出を目指してきた。しかし、2月の北京冬季五輪や日中国交正常化50周年を控えて、煮え切らない対中姿勢を見せる岸田政権は「待った」をかけ続けていた。
「3度目の正直」で提出される決議案の中身も、当初盛り込まれていた「深刻な人権侵害に対する非難決議」から大幅に後退。中国という国名は外され、「人権侵害」は人権状況へと修正、「非難」という文言すら削除されるという。小池氏は「なんでわざわざ『中国』ということを入れないのか」と攻撃を緩めない。国会決議は各党間での調整も必要とはいえ、自民党内からは「共産党にまで『弱腰』と言われるような中途半端の決議案を出すくらいなら、出さない方がマシなくらいだ」(閣僚経験者)との声があがる。
岸田外交が不安視されているのは、主体的・能動的な日本の判断が見えない点にある。文化庁の文化審議会は昨年末、世界文化遺産の国内推薦候補として新潟県の「佐渡島の金山」を選定することを答申したが、岸田首相は国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦書を提出することは見送る方針と伝えられる。
その理由は、韓国政府が「朝鮮半島出身の労働者が戦時中に過去な労働をさせられた場所」と問題視して撤回を要求しているためだ。林芳正外相は「韓国への外交的配慮は全くない」と否定しているが、韓国をはじめ国際社会への反論や説明を避けて推薦を見送れば「佐渡島の金山」の文化遺産としての価値が正当に評価される機会を失いかねない。
韓国の反発は過去にもみられ、2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」をめぐり、ユネスコに登録撤回を求める書簡を送るなどの措置に踏み切ったことは記憶に新しい。ただ、当時の安倍晋三政権は外交の舞台で反論を展開し、対立していた韓国政府を巻き込む形での政治決着を図っている。
安倍元首相は1月27日、フェイスブックに「先送りして登録の可能性が高まるのか?冷静な判断が求められます。歴史戦を挑まれている以上避けることはできません」と投稿し、推薦見送りを再考するよう求めている。
当時の外相は岸田首相で、韓国の尹炳世外相と日韓関係の悪化を避けつつ着地点を見いだす交渉役を果たしたことには「日本の主張をしっかり訴えた」(外務省幹部)と評価する声があった。だが、自らが宰相の座に座るとそうもいかないようだ。昨年秋の首相就任後は「遺憾」という言葉を並べるものの、事態打開に向けた動きはほとんど見えない。
「大変遺憾なことだ」「政府として引き続き情報収集に努める」。1月27日には、北朝鮮が1月だけで6度目となる弾道ミサイルを発射したが、首相官邸で岸田氏が記者団に発する言葉はそれまでの発射時と変わりない。遺憾には「残念」「心残りのこと」という意味があるが、予算案資料の誤りや統計書き換えなどでも首相や閣僚が多用しており、もはや政権の政治用語になっているように映る。
「私には、中国との関係改善こそがアジア地域の安定に繋がる、という強い確信があります」
「韓国が取る態度には、率直に言って腹が立ちます。それでも、北朝鮮と対峙する際、韓国の協力抜きに日本単独での行動はあり得ません」
4年7カ月、外相に在任した岸田氏は自著『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)の中で、隣国との関係をこう評している。毅然と対応しつつ「したたかな外交」が必要であるとも説いているが、首相が描くイメージが現時点で多くの人々の納得感を得られているとは言い難いだろう。
自民党担当の全国紙政治部記者は辛辣だ。「首相は憲法改正も、敵基地攻撃能力の検討も掛け声だけは勇ましい。しかし、その多くは党本部や岸信夫防衛相に丸投げ状態で、公明党との調整も世論喚起する動きも緩慢だ。外交も弱腰が目立つばかりで、このままでは『言うだけで動かぬ首相』になってしまうのではないか」。
政権発足後100日間の「ハネムーン期間」が過ぎ、徐々に見えてきた岸田政権の姿。しかし、そのカラーは曖昧模糊としたままだ。岸田氏が昨年9月の自民党総裁選で訴えた納得感を得るための説明力や発信力は披露されず、コロナ禍で苦しむ国民に安心感を与えるようなリーダーシップもいまだ見えてはこない。
image by: 首相官邸
小倉健一
プロフィール:小倉健一(おぐら・けんいち) ITOMOS研究所所長。1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。
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