共産党は、党の結成時にはコミンテルンというものがあって、コミンテルンの日本支部として設立されたことは、もう隠せることではない。 ⑴第一段階 結成 日本共産党の結党目的とは、日本にコミンテルン支局としてソビエト連邦衛星国になるべく暴力革命を起こすことだった。 ⑵第二段階 方針転換 コミンテルンが解散させられた後、孤児となった日本共産党は、野坂参三を中心とした「アメリカ占領軍を解放軍と考える」という柔和方針に転換(所感派)。 ⑶第三段階 分裂 1950、スターリンと毛沢東は、「アメリカ帝国主義」という言葉を用い、これの占領を受け入れる日本共産党は、日本における唯一の共産党とは認められないとの批判を行い、スターリンと毛沢東に同調する国際派(反主流派)が誕生し、共産党は事実上分裂することになる。 ⑷第四段階 合併 警察庁などが今でも共産党の基本方針と認定しているのが、当時から長年共産党の基本方針として掲示され続けた「51年綱領」で、スターリンと毛沢東に阿った国際派・所感派両幹部は、阿修羅を閲覧する人は「アラジン2が言ってる内容」と言えば分かると思われ、要は、アラジン2がこの時再統合された日本共産党そのものと言えた。 警察庁は日本共産党を暴力団と認定している。 もう分かると思うが、日本共産党が長らく使用してきた51年綱領とは、中華人民共和国憲法と同じスターリン主義である。 ⑸第五段階 新左翼の勃興 共産党51年綱領を否定して、日本で勃興した反スターリン/反毛沢東の自称共産主義が「革マル・中核派」などの新左翼で、彼らは共産主義者だと名乗る社会党支持者/社会党員である。 新左翼の主な現人神はレフ:トロッキーであり、彼らは自分のことをマルクス主義だと発した。これは日本だけでなく世界的な潮流だったが、それは中国と敵対関係に転じたソビエトの方向性であり、社会党は、フルシチョフ以降のソビエト指導層を日本の解放軍として認めていて、彼らは、アメリカ軍の代わりにソビエト軍(今なら当時は否定していた中国軍)の日本占領を正当とする立場だと思われる。 ⑹第六段階 本家日本共産党の新自由主義化 2004、共産党は綱領を改定し、文面からマルクス/レーニンという言葉が消え、革命は経済形態の包括的な改革と改められた。 2020、さらに2004抽象的であった経済改革とは、「経済的民主主義」という名が使用され、具体的(完全にアメリカの州税の在り方を正当と定義する内容)方向(下記引用★ ★)が示され、志位和夫は「アメリカは民主主義における先輩」などと口にするなど、新自由主義化という言葉を使わないだけで、フリードマン型経済体制への移行を永続可能な社会の在り方と認めるようである。 以下、現在の日本共産党綱領 (綱領と呼べるのは「四章一二条」からで、そこまでは綱領ではなく沿革と定義する内容が書かれている) https://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/ 四、 民主主義革命と民主連合政府 (一二)現在、日本社会が必要としている変革は、社会主義革命ではなく、異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配の打破――日本の真の独立の確保と政治・経済・社会の民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命である。それらは、資本主義の枠内で可能な民主的改革であるが、日本の独占資本主義と対米従属の体制を代表する勢力から、日本国民の利益を代表する勢力の手に国の権力を移すことによってこそ、その本格的な実現に進むことができる。この民主的改革を達成することは、当面する国民的な苦難を解決し、国民大多数の根本的な利益にこたえる独立・民主・平和の日本に道を開くものである。 (一三)現在、日本社会が必要とする民主的改革の主要な内容は、次のとおりである。 〔国の独立・安全保障・外交の分野で〕 1 日米安保条約を、条約第十条の手続き(アメリカ政府への通告)によって廃棄し、アメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。対等平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ。 経済面でも、アメリカによる不当な介入を許さず、金融・為替・貿易を含むあらゆる分野で自主性を確立する。 2 主権回復後の日本は、いかなる軍事同盟にも参加せず、すべての国と友好関係を結ぶ平和・中立・非同盟の道を進み、非同盟諸国会議に参加する。 3 自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる。 4 新しい日本は、次の基本点にたって、平和外交を展開する。 ――日本が過去におこなった侵略戦争と植民地支配の反省を踏まえ、アジア諸国との友好・交流を重視する。紛争の平和的解決を原則とした平和の地域協力の枠組みを北東アジアに築く。 ――国連憲章に規定された平和の国際秩序を擁護し、この秩序を侵犯・破壊するいかなる覇権主義的な企てにも反対する。 ――人類の死活にかかわる核戦争の防止と核兵器の廃絶、各国人民の民族自決権の擁護、全般的軍縮とすべての軍事同盟の解体、外国軍事基地の撤去をめざす。 ――一般市民を犠牲にする無差別テロにも報復戦争にも反対し、テロの根絶のための国際的な世論と共同行動を発展させる。 ――日本の歴史的領土である千島列島と歯舞群島・色丹島の返還をめざす。 ――多国籍企業の無責任な活動を規制し、地球環境を保護するとともに、一部の大国の経済的覇権主義をおさえ、すべての国の経済主権の尊重および平等・公平を基礎とする民主的な国際経済秩序の確立をめざす。 ――紛争の平和解決、災害、難民、貧困、飢餓などの人道問題にたいして、非軍事的な手段による国際的な支援活動を積極的におこなう。 ――社会制度の異なる諸国の平和共存および異なる価値観をもった諸文明間の対話と共存の関係の確立に力をつくす。 〔憲法と民主主義の分野で〕 1 現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす。 2 国会を名実ともに最高機関とする議会制民主主義の体制、反対党を含む複数政党制、選挙で多数を得た政党または政党連合が政権を担当する政権交代制は、当然堅持する。 3 選挙制度、行政機構、司法制度などは、憲法の主権在民と平和の精神にたって、改革を進める。 4 地方政治では「住民が主人公」を貫き、住民の利益への奉仕を最優先の課題とする地方自治を確立する。 5 国民の基本的人権を制限・抑圧するあらゆる企てを排除し、社会的経済的諸条件の変化に対応する人権の充実をはかる。労働基本権を全面的に擁護する。企業の内部を含め、社会生活の各分野で、思想・信条の違いによる差別を一掃する。 6 ジェンダー平等社会をつくる。男女の平等、同権をあらゆる分野で擁護し、保障する。女性の独立した人格を尊重し、女性の社会的、法的な地位を高める。女性の社会的進出・貢献を妨げている障害を取り除く。性的指向と性自認を理由とする差別をなくす。 7 教育では、憲法の平和と民主主義の理念を生かした教育制度・行政の改革をおこない、各段階での教育諸条件の向上と教育内容の充実につとめる。 8 文化各分野の積極的な伝統を受けつぎ、科学、技術、文化、芸術、スポーツなどの多面的な発展をはかる。学問・研究と文化活動の自由をまもる。 9 信教の自由を擁護し、政教分離の原則の徹底をはかる。 10 汚職・腐敗・利権の政治を根絶するために、企業・団体献金を禁止する。 11 天皇条項については、「国政に関する権能を有しない」などの制限規定の厳格な実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する。 党は、一人の個人が世襲で「国民統合」の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ。天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである。 ★〔経済的民主主義の分野で〕★ 1 「ルールなき資本主義」の現状を打破し、労働者の長時間労働や一方的解雇の規制を含め、ヨーロッパの主要資本主義諸国や国際条約などの到達点も踏まえつつ、国民の生活と権利を守る「ルールある経済社会」をつくる。 2 大企業にたいする民主的規制を主な手段として、その横暴な経済支配をおさえる。民主的規制を通じて、労働者や消費者、中小企業と地域経済、環境にたいする社会的責任を大企業に果たさせ、国民の生活と権利を守るルールづくりを促進するとともに、つりあいのとれた経済の発展をはかる。経済活動や軍事基地などによる環境破壊と公害に反対し、自然保護と環境保全のための規制措置を強化する。 3 食料自給率の向上、安全・安心な食料の確保、国土の保全など多面的機能を重視し、農林水産政策の根本的な転換をはかる。国の産業政策のなかで、農業を基幹的な生産部門として位置づける。 4 原子力発電所は廃止し、核燃料サイクルから撤退し、「原発ゼロの日本」をつくる。気候変動から人類の未来を守るため早期に「温室効果ガス排出量実質ゼロ」を実現する。環境とエネルギー自給率の引き上げを重視し、再生可能エネルギーへの抜本的転換をはかる。 5 国民各層の生活を支える基本的制度として、社会保障制度の総合的な充実と確立をはかる。子どもの健康と福祉、子育ての援助のための社会施設と措置の確立を重視する。日本社会として、少子化傾向の克服に力をそそぐ。 6 国の予算で、むだな大型公共事業をはじめ、大企業・大銀行本位の支出や軍事費を優先させている現状をあらため、国民のくらしと社会保障に重点をおいた財政・経済の運営をめざす。大企業・大資産家優遇の税制をあらため、負担能力に応じた負担という原則にたった税制と社会保障制度の確立をめざす。 7 すべての国ぐにとの平等・互恵の経済関係を促進し、南北問題や地球環境問題など、世界的規模の問題の解決への積極的な貢献をはかる。 (一四)民主主義的な変革は、労働者、勤労市民、農漁民、中小企業家、知識人、女性、青年、学生など、独立、民主主義、平和、生活向上を求めるすべての人びとを結集した統一戦線によって、実現される。統一戦線は、反動的党派とたたかいながら、民主的党派、各分野の諸団体、民主的な人びととの共同と団結をかためることによってつくりあげられ、成長・発展する。当面のさしせまった任務にもとづく共同と団結は、世界観や歴史観、宗教的信条の違いをこえて、推進されなければならない。
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