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「物価上昇率2%」を否定した黒田日銀総裁も統計改ざんに手を染めるつもりか 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300414
2022/01/26 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
このままいくと黒田日銀は世界的な金融緩和の流れから取り残される(C)共同通信社
海外の物価上昇が深刻だ。サプライチェーン崩壊はひどく、原油価格のさらなる上昇も懸念される。ロシアによるウクライナ軍事侵攻が起き、対ロ制裁を強めれば、石油ショックになりかねない。
そうしたなか米国では3月に利上げに踏み切るだけでなく、利上げ幅を0.5%に広げ、同時に金融緩和を縮小させるというタカ派的な議論が強まっている。21年12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇となり、40年ぶりの高水準となったからだ。英国のCPIも5.4%アップで、約30年ぶりの水準に加速し、2月には0.5%への利上げが見込まれている。
このままいくと黒田日銀は世界的な金融緩和の流れから取り残され、日本だけ出口なし。アベノミクスをズルズル続けたせいで国の借金は1000兆円に膨張し、わずかな金利上昇でも国債費が膨らむからだ。リフレ派やMMT(現代貨幣理論)の信奉者ら金融緩和支持者は日本経済不振の原因を消費増税になすり付け、論点をすり替えているが、子供じみた議論はいい加減やめたほうがいい。消費税は1989年に3%で導入されたが、景気は良かった。97年の5%への増税時は金融危機だった。付加価値税が25%の北欧や20%近いドイツは、なぜ成長率が高いのか。彼らの理屈では説明がつかない。
日米の金利差が想定以上に広がれば黒田日銀の政策破綻が表面化する。マネーは低金利の日本から引き揚げて高金利の米国に流れ、円が売られドルが買われる。円安は加速し、輸入物価は上昇。国民の暮らしに追い打ちをかける。さりとて、金利を上げられない。財務省によれば金利を1%へ引き上げれば国債費は数年で10兆円も増加。財政危機に向かってしまう。
黒田総裁は「物価上昇率2%」の2023年度中の達成はないと言っていたが、本気なのか。携帯料金値下げによる1.5%の物価押し下げ効果は4月に消え、足元の物価上昇を加味すれば実態はすでに2%を上回っている可能性がある。黒田発言は日銀の信用を失わせるのではないか。ひょっとして、厚労省や国交省のように、物価統計も改ざんするつもりかと勘繰りたくなる。
肝心の岸田首相は逃げを打つばかり。すべてを曖昧にすることで参院選は逃げ切れると考えているフシがあるが、新型コロナウイルスの第6波にスタグフレーション(不況下の物価上昇)が重なれば、賃上げはどだいムリ。22年春は岸田のあやふやさが満天下に知れ渡り、さらし者になるだろう。
金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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