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しくじり岸田政権「オミクロン株ワクチン」調達の難題 3回目接種は“型落ち”でガマンするハメに…
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299866
2022/01/13 日刊ゲンダイ
3回目接種はわずか0.8%(12日時点)/(C)共同通信社
欲しい時にモノはなく、入手できたら“型落ち”−−。新型コロナワクチンの調達を巡って、そんな事態が起きるかもしれない。岸田政権がワクチンの調達にもたつく間に、オミクロン株にも効く新ワクチンが登場する可能性が高まっているからだ。
WHO「異株に対応し改良を」
WHO(世界保健機関)のコロナワクチンに関する技術諮問委員会は11日に「ウイルスが進化するにつれ、現在のワクチン成分のまま、追加接種を繰り返す戦略は不適切で持続可能ではなくなる公算が大きい」との声明を発表。オミクロン株など新たな変異株に対応できるようにワクチンの改良の必要性を訴えた。
すでにファイザーはオミクロン株などに対応したワクチンを生産しており、3月にも提供できるという。モデルナは近く治験を始め、秋には準備できるとしている。
「メッセンジャーRNAワクチンは変異に応じた新製品を容易に開発できるメリットがあります。今後、オミクロンなどに対応した新ワクチンが活用されていくでしょう」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)
問題は、岸田政権が新ワクチンをしっかり入手できるのかだ。政府は今年、ファイザーから1億2000万回分、モデルナから9500万回分の供給を受ける契約を締結している。厚労省は「契約では新たな変異株に対応したワクチンの供給を受けられるようにはなっています。ただ、製薬会社の都合もあり、その時にならないとどうなるかは分からない」(予防接種室)と回答。新ワクチンに切り替えられる契約でも、実際の調達は容易ではない。
3回目接種を急ぐなら“型落ち”に
新ワクチンも世界中の激しい争奪戦、実際の調達は容易ではない(岸田首相)/(C)共同通信社
世界でオミクロン株の感染が広がる中、現在、ブースター用ワクチンの争奪戦が起きている。
岸田首相は「大規模接種」「一般の3回目前倒し」「12歳未満」と次々とワクチン推進策を打ち出すが、足元のワクチンの手当てはおぼつかない。3月末までに7500万回分用意できるとしているが、1〜2月に十分な量の調達は難しい。他国のブースター接種が落ち着く3月以降にやっと必要量が入ってくる可能性が高い。
ようやくワクチンを確保できる時期に差し掛かっても、今度はファイザーの新ワクチン提供のタイミングとブツかる。仮に3月に市場に出回ると、再び争奪戦に巻き込まれるのだ。これまで連敗続きなだけに、新ワクチンでうまくいくとは思えない。それでも3回目接種を急ぐなら“型落ち”に頼る事態にもなりかねない。
「世界的に感染が落ち着いていた昨秋の段階で、3回目用のワクチン供給の前倒しを図っていれば、こんなにバタバタしなくても済んだはず。政府の責任は重大です」(中原英臣氏)
12日時点で3回目ワクチンの接種完了者は95万人(接種率0.8%)。576万人の医療従事者もほとんどが打てていない状態だ。
新ワクチンでもしくじりそうだ。
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