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世界人口の6割が非ウクライナ支持
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2023年2月25日 植草一秀の『知られざる真実』
ウクライナでの戦乱が本格化して1年の時間が経過した。
ロシアはウクライナ東南部を制圧したが戦乱はいまなお継続している。
国際社会が目指すべきは戦乱の一刻も早い終息である。
問題の根幹にあるのはウクライナの国のかたち。
一つの独立国の形態が採られているが実態としては一つの国の中に二つの異なる国家が存在している。
西北部はウクライナ語を使用するカソリックのウクライナ人が大宗を占める。
東南部はロシア語を使用しロシア正教のロシア系住民が大宗を占める。
ウクライナの国境線はかつてのソビエト連邦の時代に引かれた便宜的なもの。
合理性を欠いている。
この現実を踏まえて米国の元国務長官であるキッシンジャー氏が次のように指摘した。
「この国で一方の勢力が他の一方の勢力を支配しようとすれば必ず分裂か戦争になる。」
2014年に親ロシアのウクライナ政権が転覆された。
暴力革命による政権転覆であったと表現してよいだろう。
樹立された非合法政府は政府樹立と同時にロシア系住民に対する人権侵害と弾圧の規定を確定した。
これにロシア系住民勢力が抵抗した。
樹立された非合法政府はウクライナ東部地域に対して武力による攻撃を展開した。
この結果、ウクライナで内戦が勃発した。
昨年2月24日以降のウクライナ戦乱はウクライナ内戦の延長線上に勃発したものである。
2014年のウクライナ内戦を終息させるための協議が行われた。
協議の結果、2015年にミンスク2が制定された。
ウクライナ政府が東部2地域に対して高度の自治権を付与する。
これを条件に内戦を終息させることで合意が成立した。
合意はウクライナ政府と東部2地域との間で調印され、オブザーバーとしてドイツ、フランス、ロシアが関与した。
ミンスク2は国連安保理で決議され、国際法の地位を獲得した。
2019年4月の大統領選で大統領に選出されたゼレンスキーはミンスク2を履行し、東部和平を確定することを公約に掲げた。
しかし、ロシア系住民に対する人権侵害を主張するウクライナ民族主義者勢力=ネオナチ勢力は東部2地域に対する自治権付与に強く反対した。
ゼレンスキーがミンスク2履行に進むならゼレンスキーを処刑するとの脅迫まで展開した。
この脅迫によってゼレンスキーが転向した。
2020年には米国でバイデン氏が大統領選で勝利した。
バイデン氏はウクライナとの癒着が強く疑われてきた張本人である。
トランプ大統領はバイデン氏のウクライナ疑惑を明らかにすることを強く主張していた。
実際、バイデン氏はオバマ政権の副大統領時代にバイデンの子息が関与するウクライナ・エネルギー企業であるブリスマ社の不正を捜査しようとしたウクライナ検事総長の解任をウクライナ政府に強要した。
バイデン氏がウクライナ政府に強要し、検事総長を解任させたことをバイデン氏自身が得意になって語る動画は広く流布されている。
「バイデンが削除したい動画」
https://bit.ly/3Kzqer9
2014年のウクライナ・親ロシア政権転覆を水面下で主導したのは米国である。
そのウクライナ政権転覆工作の米国最高責任者がバイデン副大統領だった。
米国でバイデン政権が発足して以降、ウクライナの暴走は加速した。
ミンスク合意を踏みにじり、東部2地域代表者との話し合いさえ拒否するようになった。
さらに、ロシアと軍事的に対抗する方針を鮮明に掲げ、ロシアが絶対に認められないとするNATO加盟を強行しようとした。
同時にウクライナ東部地域に対する軍事攻撃を激化させたのである。
この状況下で独立を宣言したウクライナ東部2共和国の要請を受け、ロシアはロシア系住民の安全を確保するために特別軍事作戦を始動させた。
これがロシア側の主張である。
国連で141ヵ国がロシア撤退を求める決議に賛成したと伝えられているが、ロシアによる軍事作戦が始動して以降、国連における賛否はほとんど変化していない。
ロシア非難決議等に賛成する国・地域と賛成しない国・地域の人口比は48対52である。
国・地域の数では賛成が多いが、人口比では賛成していない国・地域が上回っている。
ウクライナ戦乱に対する評価で世界は完全に二分されている。
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