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ホロドモール飢饉はスターリンがウクライナを標的に人為的におこしたものだという神話
<記事原文 寺島先生推薦>
The Holodomor Myth
https://libya360.wordpress.com/2022/12/14/the-holodomor-myth/
ホロドモール神話
筆者:スコット・リッター(Scott Ritter)
出典:INTERNATIONALIST 360°
2022年12月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2023年1月9日
今年(2022年)12月2日、私はミシガン州アナーバーで、3日にわたって行われた「研修」の2日目に参加しようとしていた。この研修の主催者は、「アナーバー反戦連合」という組織だった。初日の12月1日、主催者が「パボロジー(パブ仕様)」と名付けた素晴らしい催しが、「オリジナル・コテージ・イン」というレストランの2階のバーで開催された。立見席のみだったが、非常に混雑していて、参加者からは多くの(本当に多くの)優れた質問が出された。
そしてその翌日の12月2日、「信心への旅」という名の教会で、私は尊敬すべき人々の集まりの中にいた。私は現地に早く到着し、会場内の脇に立って、考えを思い巡らしていた。(人前で話す時はいつも、その時にしかできない話をするのを目的にしているので、1時間の発表時間をうまく繋げられるよう、話すべきいくつかの話題の効果的な順番を考えていたのだ)。
会場内に入ると、周りをさっと見渡してみた(そうするのが昔から私の習慣だ)ら、直ぐに目に止まったのは、一人の中年男性で、その男性は出席者用に並べられた椅子に座っていた。わたしがこのような催し会場に早く着いたときはほとんど、もう既に席に着いている人々は、少なくとも目で会釈してくれたり、笑いかけたりしてくれるものだ。しかしこの男性はそうはしなかった。そうはせず、手に持った一枚のチラシを凝視していた。そして目を上げた時、その顔は私を歓迎していない表情だった。
私は、ウクライナ政府が支援している「ブラックリスト(大統領下の組織の一つである対偽情報対策センターが発行している)」に自分の名が挙げられていることを、軽く見てはいない。ロシアの喧伝家であり、情報テロリストだと名指しされ、戦争犯罪者として逮捕され、起訴される対象にされていることは笑いごとではない。同じことが、「ミロトウォレッツ(平和実現者)」の殺害すべき人物リストについても言える。これは、ウクライナ保安庁(SBU:諜報機関)が出しているものだ。この一覧表は、まさに「死のための一覧表」であり、殺された人物には、ウクライナの秘密機関の手により「消された」という印が加えられるものだ。
つまり、この2つのリストのために、私の背中には巨大な標的が描かれているようなものだ、ということだ。そのリストを出している組織のうちのひとつには、私の祖国の政府が多額の支援を行っている。その目的は、憲法で保証されている、私の言論の自由の権利を抑圧するためだ。さらに、ここ米国では、ステパン・バンデラが提唱していた憎むべき基本概念が積極的に育成され、推進され、「英雄たちの公園」で展示されている。その公園にはバンデラと彼のナチスの同胞たちの胸像が、堂々と展示され、崇拝されている。そしてその公園の場所というのは、米国国会議事堂に面している。その国会議事堂では、かつて国会議員たちが、アゾフ大隊などのバンデラを信奉する組織の装備や訓練に、米国民の税金を使わせないという正しい決議があげられていた。 以前国会は、これらの組織は白人至上主義のもとでのネオナチのテロ組織だと捉えていた。しかし今は堂々と、アゾフ大隊の高官たちが国会で歓迎され、国会にいる偽善者たちから賞賛され、祝福を受けている。
こんな政治的な暴力が吹き荒れる状況に置かれているので、そんなに苦労しなくても、バンデラ主義を心から信奉している人物が描く筋書きに出くわせるのだ。というのも、そんな人物は、米国政府が「情報テロリスト」と決めつけた人に対して行動を起こし、その人を消すことにお上から公式のお許しがもらえたと考えているからだ。
そんなことを考えていると、主催者の一人が、私が立っていたところに、まさにこの男を案内してきた。この男は、オーバーコートを身にまとっていて、胴体や腰の部分はほとんど見えず、胸の前で腕を組み、手に書類をもっていたが、それ以外のことは知る由もなかった。その主催者の一人は、私に一枚の紙を手渡した。それは男が手に持っていたチラシの一枚だった。そして「この人があなたに質問があるそうです」と私に告げた。
そのチラシ紙面の上部には、大きな字で「ホロドモール」、そして副題として「1932-33のソ連によるウクライナに対する人為的な飢餓工作」と書かれていた。字は赤と黒、すなわち血と土の色、バンデラ主義者が使う二色だ。
チラシの最下部に書かれていた言葉は、「Slava Ukraini〜ウクライナに栄光あれ」。バンデラ主義者が敬礼として使用する言葉だ。
私の中で警笛が鳴った。部屋の様子をさっと見てみると、話をしに来た人々で急に混雑していた。この男の手助けをしようとしている人はいなさそうだったが、その状況が急変する可能性もあった。私は厚手の外套を纏ったその男に一歩近づき、迫り、その男が腕を出せないようにした。そうしながら、この男の目を睨み、何か良からぬ意図があるかどうかを探った。
彼の目に映っていたのは、恐怖と怒りだった。
「ホロドモールのことを知っているか?」とこの男は挑みかかるかのような声で聞いてきた。
「知っているよ」と私は答えたが、目は依然として彼を睨み続けていた。
「ロバート・コンケストの『悲しみの収穫』[1932-33に起こった飢饉についてきちんとした研究をもとに書かれた初めての本。この飢饉は、ウクライナも含めたソ連全体を襲ったもので、何百万人もの死者を出した]」なら読んだよ。80年代に、この本の初版が出た時にね。」
「ということは、ウクライナの人々が受けた大量虐殺のことも知っているんだな?」とこの男は言った。
「何百万ものソ連国民を襲った悲劇のことなら承知している。ウクライナやベラルーシやロシアやカザフスタンの人々の、ね」と私は答えた。
「お前はロシアの偽情報拡散家だ!!」とこの男は叫んだ。私はもううんざりした。この男は、誰でも喧嘩をふっかける相手を探していただけだ。わたしはもう半歩前に出て、さらにこの男に迫った。ナイフか何か武器を隠していたとしても、襲ってくる前に武器を奪えるところまで詰めたのだ。
「クソ野郎」と私はいった。ハッキリと。この言葉が、この男と主催者をビックリさせた。「ここにきて、こんな話を俺に言うなんて、お前はいったい何様のつもりだ?」
この男は憤慨した。「クソ野郎だって、ここはどんな催しなんだ?クソ野郎って?」
私はさらに近づき、この男を睨んだ。「何だ。殴ろうとでもいうのか?」「いや」と私は答えた。頭突きをした後で、膝でみぞおちを蹴り、頭を踏みつける、が正解だった。そこまで行ってたら、の話だが。
この男も睨み返してきた。「メンチの切り合い、上等だ」と。
私は黙っていた。
「お前は海軍にいたんだろ」とこの男。「俺を殺したいのか?」
さてね、と私は心の中で思った。
主催者が即座に割って入り、私たち2人を引き離した。この主催者は、男を落ち着かせようとしたが、彼はずっと混乱した様子だった。 私は彼から一歩離れたが、彼の手から目を離さなかった。そして、ずっと部屋の様子を探って、この男に手助けするものがいないか、気を払っていた。
この男が暗殺者ではなく、ウクライナの件で誰かと喧嘩をしたがっている輩だということがはっきりしてきた。
「ホロドモールについて何を知ってるって言うんだ?」と聞いてみた。「スターリンが起こした大虐殺だったんだろ。それを今、プーチンが引き継いでるんだ。」私は笑った。「お前は科学者か?ロシア研究の専門家か?」と聞いた。
「俺は政治学者だ。」
「ロシア語は話せるのか?自分でこの件について研究したことはあるのか?」と私は問いただした。
「ウクライナで5週間過ごしたぞ」
「いつ戻ってきたんだ?」と私はさらに聞いた。
「先週だよ」
「分かった、じゃあハッキリさせよう」と私はとどめをさした。「お前は5週間ウクライナにいたんだな。お前の専門性なんてその程度さ。そんなお前が、俺とホロドモールの話をしたがってるのか?クソ野郎。ここから出ていけ。」
この時点で、主催者が助けのものを連れてきて、この外套を纏った男は自分の席に戻されたが、その間ずっと私に対する文句を会場内の皆に叫んでいた。
その後この催しは進行し、本当に大成功だった。外套を纏ったあの男には、質問の機会が与えられ、実際に質問した。私の答えがこの男のお気に召さなかったのは明らかだった。というのも、この男は大声で私のことを、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の操り人形呼ばわりしていたからだ。その後、この男は立ち上がり、この催しを妨害するという使命を捨て、立ち去った。
その後、私はこの男が出席者に配っていたチラシの一枚を手にした。中身を読み終わってはっきり分かったことは、この男がもっと大きな政治的な運動の手のものであるということだ。その運動とは、ホロドモールに関する言説を利用して、ロシアを中傷し、ウクライナ国家主義を広めようとするものだ。
チラシには高らかにこう書かれていた。「今こそ認識せよ。現在ウクライナで起こっている戦争は、ロシア国家が大虐殺を行うとしている政策の拡散によるものであることを。このような政策はソ連が弄していた手口で、それと同じ手口をウラジーミル・プーチンも取り続けているのだ。これは、ロシアがかつてソ連領であったが、今はロシア領内にはない諸共和国にまで領土を広げようとするものだ」
さらにチラシにはこうあった。「今こそ、ウラジーミル・プーチンの主張を拒もう。プーチンの言い分は、ウクライナ人とロシア人は、“ひとつの民族”であるというものだ。それをこの戦争の口実にし、防御に使っているのだ。」
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