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No. 1612 バイデンの外交政策は沈んでいる …議会民主党 – そしてウクライナも
投稿日時: 2022年11月9日
Biden’s Foreign Policy is Sinking …
… the Congressional Democrats – and Ukraine
米国とロシアの間の代理戦争は、ウクライナを救うという名の下で、皮肉にもウクライナを荒廃させている
by Jeffrey D Sachs
ジョー・バイデン大統領は、重大な欠陥のある外交政策によって自分の党の議会での前途を台無しにしている。バイデンは米国の世界の評判はウクライナ戦争にかかっていると信じており、一貫して外交交渉による解決を拒否している。米政権と中国の経済関係の混乱も相まって、ウクライナ戦争はスタグフレーションを悪化させ、議会のどちらか、あるいは両院が共和党になる可能性がある。さらに悪いことに、バイデンの外交放棄は、ウクライナの破壊を長引かせ、核戦争の脅威をもたらす。
バイデンは、パンデミックとトランプの一貫性のない貿易政策によって引き起こされたグローバルサプライチェーンの深い混乱に悩まされた経済を継承した。しかし、バイデンは海を静め、混乱を修復しようとする代わりに、ロシアと中国の両方と、米国の対立をエスカレートさせた。
バイデンは、ウクライナに対する別の大規模な金融パッケージに疑問を呈した共和党の下院少数党首ケビン・マッカーシーを攻撃し、こう言った{1}。
彼ら(下院共和党)がもし勝てば、ウクライナ、つまりロシアに対するウクライナの戦争に資金を提供し、援助し続けることはないだろう、と言った。この人たちはわかっていない。ウクライナよりもずっと大きな問題があり、それは東ヨーロッパだ。そしてNATOだ。これは現実で、深刻で重大な結果なのだ。彼らは米国の外交政策について全く理解していない。
同様に、進歩的な議会民主党のグループがウクライナ戦争を終わらせるよう交渉を促したとき、ホワイトハウスの路線に従う民主党議員たちから非難され、外交を求める声を撤回することを余儀なくされている。
バイデンは、米国の信頼性はNATOのウクライナ拡大にかかっており、もし必要ならウクライナ戦争でロシアを倒してそれを達成するべきだと考えている。バイデンはNATO拡大問題でロシアとの交渉を繰り返し拒否してきた。これは重大な過ちであった。それが米国とロシアの代理戦争を煽り、皮肉にもウクライナを救うと言う名目の中、ウクライナが荒廃しているのである。
NATOの拡大という問題は、1990年代にさかのぼる米国の嘘に基づいている。米国とドイツは、ゴルバチョフがソ連のワルシャワ条約機構との軍事同盟を解消し、ドイツの再統一を受け入れるなら、NATOは「1インチたりとも東に移動しない」ことを約束した(2)。
都合よく、そして典型的な冷笑主義によって、米国はこの約束を破った。
2021年、バイデンは米国やウクライナの重要な利益を何一つ犠牲にすることなく、ウクライナ戦争を回避することができたはずだった。米国の安全保障が、NATOがウクライナとグルジアまで拡大することにかかっているということは絶対にない。実際、NATOが黒海地域まで拡大することは、米国をロシアとの直接対決に追い込むことになり、米国の安全保障を損なう(30年前の約束がさらに破られることになる)。また、ウクライナの安全保障がNATOの拡大に依存しているわけではないことは、ゼレンスキー大統領も何度も認めている。
ロシアのプーチン大統領は2008年以来、ロシアにとって安全保障上極めて重要な地域であるウクライナからNATOを締め出すよう、米国に繰り返し警告を発してきた。同じようにバイデンも断固としてNATOの拡大を主張してきた。プーチンは2021年末にNATO拡大を阻止するための最後の外交的試みを行った。バイデンは彼を完全にはねつけた。これは危険な外交政策だった。
多くの米国の政治家が聞きたがらないように、プーチンのNATO拡大に関する警告は現実的で的確であった。ロシアは自国の国境に重武装したNATO軍を望んでいない。ちょうど米国が、米国とメキシコの国境に中国の支援を受けた重武装メキシコ軍を受け入れないのと同じである。米国とヨーロッパが絶対にしてはならないのはロシアとの長い戦争である。しかしバイデンが主張するウクライナへのNATOの拡大は、まさにそれをもたらしている。
米国とウクライナは、戦争を終わらせるために3つの絶対的に合理的な条件を受け入れるべきである。ウクライナの軍事的中立、1783年以来黒海艦隊の本拠地としてきたクリミアをロシアが事実上領有すること、そしてミンスク合意で要求されながらウクライナが履行しなかったロシア系住民の自治を交渉で決めることである。
このような賢明な結果の代わりに、バイデン政権はウクライナに戦い続けるように繰り返し言ってきた。 3月には、ウクライナ人が交渉による戦争終結を考えていたのに、交渉の席から立ち去るなど、冷水を浴びせかけた。その結果ウクライナは、都市やインフラが瓦礫と化し、その後の戦闘で何万人ものウクライナ人兵士が死亡するなど深刻な被害を受けている。NATOの自慢の武器も、最近ではロシアがウクライナのエネルギーインフラの半分を破壊してしまっている。
一方、米国主導のロシアに対する貿易・金融制裁はブーメランとなった。ロシアのエネルギーフローが遮断されたことで欧州は深刻な経済危機に陥り、米国経済にも悪影響が波及している。ノルド・ストリームパイプラインの破壊は欧州の危機をさらに深めた。ロシアによれば、これは英国の工作員によるものだが、米国の関与があったことはほぼ間違いない。2月にバイデンが、ロシアがウクライナに侵攻すれば、「我々はそれ(ノルド・ストリーム)を終わらせるだろう。約束する。我々はそれが可能なのだ」と発言したことを思い出してみよう{3}。
バイデンの欠陥のある外交政策は、ヘンリー・キッシンジャーやズビグニュー・ブレジンスキーまで何世代にもわたる外交戦略家がロシアと中国が団結するように追い込むことに対して警告していた事態ももたらした。ロシアとの熱い戦争を追求するのと同時に、中国との冷戦を劇的にエスカレートさせることによって、それを実現したのである。
バイデンは大統領就任早々、中国との外交関係を大幅に縮小し、米国の長年にわたる「一つの中国」政策について新たな論争を巻き起こし、台湾への武器売却拡大を繰り返し要求し、中国へのハイテクの世界的な輸出禁止を行った。両党はこの不安定な反中政策を支持したが、その代償は世界のそして米国経済のさらなる不安定化であった。
まとめると、バイデンは、パンデミックと2020年に作られた連邦準備制度の過度の流動性、2020年の大幅な財政赤字、そしてすでに存在していた世界的緊張という、困難な経済的手腕を受け継いだ。しかし彼は経済的、地政学的危機を解決するどころか、大きく悪化させたのである。我々は外交政策の転換が必要である。選挙後、再評価のための重要な時期が来るだろう。米国人も世界も、経済の回復、外交、平和を必要としている。
Links:
{1} https://edition.cnn.com/2022/10/20/politics/biden-ukraine-aid-democrats-republicans-midterms/index.html
{2} https://nsarchive.gwu.edu/briefing-book/russia-programs/2017-12-12/nato-expansion-what-gorbachev-heard-western-leaders-early
{3} https://www.politico.com/news/2022/02/07/biden-warns-americans-leave-ukraine-00006374
https://www.unz.com/article/bidens-foreign-policy-is-sinking-the-congressional-dems-and-ukraine/
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